今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

名古屋の堀川を歩く2:納屋橋〜河口

2022年05月05日 | 川歩き

連休は東京との往復以外はどこにも行かなかった。
天気のせいだけでなく、休日の早起きに腰が引けたため。
早起きしなくてすむのは、近場の川歩き。

 GW最後の5日は、名古屋にいるので、昨年末に歩いた堀川(→堀川を歩く1)の続きを歩く事にした。


前回の終点納屋橋から下流に左岸を南下する。
名古屋城の堀から下流は緑色で魚影のない都市の川の様相。
だが横切る橋は、それぞれに意匠が凝らしてある。

納屋橋の下流側の左岸に江戸時代初期に堀川開削を担当した福島正則の銅像がある。

堀川は名古屋城から熱田(名古屋よりも古く、また東海道の要衝)に延びる(名古屋の旧市街を形成する)台地の西端を画する運河で、左岸を歩くと、常に左手に台地の微高地(ゆるい坂)が平行する。
まさに堀川に沿って名古屋が発展したわけで、堀川を歩く事で名古屋という都市を地形的にも実感できる。

少し進むと船着き場があり、中に人がいるので降りてみると、ここから上流の名古屋城までのクルーズ船の便があるという(大人3500円)。
川旅はそれに沿った歩きよりも、川面の水上の船こそが至上である。
だが残念なことに、私が目指すの下流の熱田(そちらの便はならしい)。

ここから木挽(こびき)町にそって歩くが、日陰がない(つばの広い帽子とUVケア済み)。
州崎橋を過ぎると親水広場があって、ベンチにがあるので、ここで座って昼食用のおにぎりを食べる。


大須通りを横断して、さらに南下すると、右手に凝った造りの水門が見えてくる(写真)。
堀川から西に分岐する中川運河の水門だ(閘門形式になっていて、ブラタモリでも放映された)。

さらに南下して、 JRと名鉄の線路をくぐると、右岸に名古屋国際会議場のシンボルタワー、左岸は熱田球場などがある森になり、堀川も川幅が拡がり、さらに右岸も白鳥公園となると、都市内の洗練された優雅な川の景色となる。
この付近は散歩にいい。

国道1号線が横切る所ではこのまま直進する道がないので、右岸に渡り、そこから「堀川千年プロムナード」という気分のいい道を歩く。
置かれた花束も真新しい「空襲跡の碑」を過ぎ、庭園風の散歩道を気分よく歩く(周囲には熱田神宮や白鳥古墳もあり、このあたりは観光地として訪れる価値がある)。


橋を左岸に渡り返して、熱田の「七里の渡跡」に着いた(写真)。
ここは本来の堀川の終点すなわち河口で、昔はここから東海道の海路が桑名に向う”渡し”の出る海岸だった。
現在では埋立てが進んで、新堀川との合流点となり、新しく伸びた堀川は埋め立て地の先、現在の名古屋港に延びている(写真の中央)。
納屋橋からここまで90分。
無人の休憩所(自販機)とトイレがある。
陸地側の熱田側には古い旅籠家(丹羽家住宅)が残っている。


現在の堀川はここから名古屋港まで延びているので、新堀川側の内田橋を渡って、再び延長された堀川の左岸を歩く。
ここからはさらに広くなった川には船が係留され、右岸には小型船の造船所が並ぶ。
そして川も緑色に茶色が混じり、海に近い産業用の河川の風貌となる。

新幹線の鉄橋を過ぎ、国道23号線の陸橋を通って右岸に渡り、さらに南下して、名古屋港の公園(堀川の河口部)に達する。
ここは名古屋港だが、周囲は埋立地で工場が建ち並び、海(伊勢湾)らしい景色からは遠い(東京港も同じような感じ)。
七里の渡からここまで70分。

名古屋港は広い公園があり、バーベキュー場もあり、テントを張っている家族連れもいる。
さらにその奥には、シンボルタワーのポートビル・博物館、南極観測船ふじがあり(写真)、その奥には広大な名古屋港水族館がある。
ポートビルからは金城ふ頭にいく船便もある。
ポートビルの休憩室でアイスクリームを食べ、南極観測船ふじを見学した(300円)。
今回は堀川歩きが目的なのでこれで帰るが(地下鉄の名古屋港駅が近い)、名古屋港水族館や船便を含めると、名古屋港は一日使って楽しめる空間だ。

久しぶりの長距離歩行のためか、両脚の殿筋が痛くなった。
自宅に帰ると体重も減っていて、いい運動になったようだ。