今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

大阪のビル火災に思う

2021年12月17日 | 防災・安全

24人が死亡した大阪のビル火災は、放火によるものらしいが、フロアの構造が被害を大きくしたといえる。

消防法には違反していないようだが、エレベータと非常階段が入口に隣接しているため、避難路の鉄則である”二方向避難”ができない造りになっている。
これは致命的問題(私は1秒でも居たくない)。
入口が火元になったら、内部の人は逃げ場がないので、絶望的だ(実際、そうなった)。
窓も道路面にしかないので奥にいる人たちは避難に使えない。

こういう危険な構造は、現在の消防法が適用されない古い雑居ビルに多い。
しかも密集地にあるため、設置義務の非常階段も不合理な位置になる。

ビル火災は、火元フロアだけでなく、それより階上のフロアもすべて生き地獄となるのが恐ろしい。
なので自分の経験しうる致命的状況の筆頭は”ビル火災”なので、基本的警戒対象としている。

こういう危険きわまりない建物での防御策は、(スプリンクラーの設置義務もないので)消火器での初期消火しかない(通常の消火器でガソリン出火を消せる)
そのためには、客であっても消火器の場所の確認とその操作(簡単)に慣れていること。
消火器は使用経験がないと、いざという時選択肢に入りにくい(システム1の限界)。
消火器は、①出っ張っている安全弁を引き抜いて、②片手でホースの先を火元(≠炎)に向けて、③他の手でレバーを握る、の3動作で使える。

それといかに不合理な位置にあろうと、非常口の場所を頭にたたきこんでおく。
近くにいれば、煙の中をくぐってでも逃げることができる。

フロアでの避難は、直立せずに屈んで(四つんばいで)行動する。
そうしないとまっさきに一酸化炭素中毒になる(煙は上昇するので、天井から充満し、床面にきれいな空気が残るため)。
避難路に行けなくても、窓などの風上は一酸化炭素の濃度が一番薄い場所なので、そこを目指す(今回の死者は、風下にいた人たち)。

待合室での暇つぶしに、まずは消火と避難の脳内シミュレーションをやっておくとよい。
脳内に入れておけば、いざという時、半ば自動的に行動できる。