今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

藤沢・遊行寺に「一遍聖絵」を見る

2015年10月12日 | 東京周辺

鎌倉仏教の1つ時宗(ジシュウ)の総本山である藤沢(神奈川県)の遊行寺(清浄光寺)に、『一遍聖絵』(国宝)を見に行った。
11/20までは、ここで全十二巻が展示され、それ以降はここを含めた県内3箇所に分散展示となるというので、前者の機会を選んだのだ。
遊行寺にはかつて訪れた記憶があるが、行って見たら記憶の風景とだいぶ違っていた(人の記憶なんてこんなもの)。

まず本堂の阿弥陀如来に参拝し、宝物館に向う。
晴天の休日とあって、宝物館の前には行列ができているが、それは覚悟の上。
なぜわざわざ藤沢まで並びに来たかというと、一遍上人に思い入れがあるからではなく、中世の絵巻物に描かれている人々の所作を見たいから(武家礼法の参考として)。

日本の絵巻物って、いわゆるモブ(群衆)シーンが多く、主題と関係ない人々の生活の姿が描かれているのが面白い。
モブシーンの伝統は手塚漫画や東宝の怪獣映画にも引き継がれていった。
中世の人々の姿を見て、まず気づくのは多くの庶民が裸足で外にいること。
しかも同じ体側の手と足を出して歩く。
それと庶民の女性はアフリカの女性のように、頭に荷物を載せて歩いている。
後の世の女性よりも、背筋がすらりと伸びて姿勢がよかったに違いない。 

国宝の実物を間近で拝めるのはありがたいが、より詳細に見るには、接近の限界がある。
単眼鏡を持って行ったが、焦点距離が遠すぎた(それに眼鏡着用なので使いにくい)。
次回から、名古屋宅にある視野を2倍に拡大できる望遠眼鏡(エッシェンバッハのMaxTV)を持参しよう。

2000円の図録は、絵伝のすべての部分を収録しているので、(研究室のScanSnapで)電子化してパソコン画面で拡大して見るために購入。

境内に出て、この寺の鎮守ともいえる本堂奥の宇賀神社に行く(右写真)。
小ぶりだが立派な社殿の前に立つと、良い霊気を感じた。
早速、「ばけたん」で探知すると、案の定「良い状態にあり、守り神の出現に期待」と出た。
ばけたんでの探知を続けてきたおかげで、自分の霊感がトレーニングされてきたのを実感する。

小栗判官の墓にも詣でた。
小栗判官といえば、先月泊った湯ノ峰温泉(熊野)ゆかりの人。 
それに一遍上人絵伝にも熊野三山それぞれの参詣の場があり、熊野は一遍にとっても重要な場所だった。 
思いがけず、先月の熊野の旅がここで補完された。

せっかくなので周囲を歩きまわった。
藤沢はJR東海道線と小田急が交差し、江ノ電が出る交通の要所だが、観光的には遊行寺以外なにもない印象。
最近は東海道の宿場街として観光アピールしようとしており、丁度「藤沢今昔まちなかアートめぐり」というのをやっていて、ちょっとしたポイントにアートがしつらえてあった。
交通は便利だから、魅力さえあればどんどん訪れる。
頑張ってほしい。