大学で本来の専門の心理学の枠を使って、防災の授業をしている。
自分と家族の命にかかわる内容なので、何学部であろうと必須と思っているから。
単なる講義では意味がない。
防災行動を実践させる。
まず、自宅近辺の地盤、標高、地形、傾斜、河川までの距離と比高、土砂災害の危険箇所の有無を調べさせる。
居住自治体のサイトから、各種ハザードマップを見て、自宅あたりの相対的危険度(想定数値は参考値にすぎない)を把握し、
自治体の防災体勢、情報サービスを確認する。
ついで、自宅の耐震性、家具の補強などを調べさせ、自宅内の危険箇所と安全箇所(逃げ場所)を確認させ、
備蓄品や避難用品をチェックする。
「災害伝言ダイヤル」を試行させ、緊急地震速報の24時間受信体勢を整えさせ、消火器の配置と使用期限をチェックさせる。
防災センターに行って、震度7と消火器の使い方の指導を受ける。
消防署員を招いて、AEDなど救命救急法の指導を受ける。
レーダーナウキャスト、Xバンド、雨量・河川水位の実況サイト(主に国交省)を紹介し、
実況の理解と予想の仕方を教える(これが大事)。
最寄の災害拠点病院、避難所、防災設備等を把握させ、自宅から避難所までのルートを選定して、
実際に歩き、危険箇所のチェックをさせる。
災害が発生しそうな雨量、風速、震度の値を教え、自主避難を含む防災行動の基準とさせる。
つまり、自宅とその周辺の危険度を詳細に把握し、自分で避難判断できる情報を得させる。
気象警報や避難勧告などの公的情報に頼っていては、いざというとき自分の身を守れないからだ。
特に気象災害は実況(1~10分間隔)情報が命。
台風情報ばかりを全国ネットで延々と流すテレビは、台風の中心から離れた自宅周辺の危険に対してはまったく使えない
(データ放送部分なら地元の大ざっぱな防災情報がリアルタイムで得られる)。
携帯でき、いつでも(停電時でも)ネットに接続できるスマホ・タブレットが必須アイテムとなる。