博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『ロビン・フッド』

2011年01月04日 | 映画
『ロビン・フッド』

時は12世紀末。イングランドのリチャード獅子心王に付き従い、フランスの城を略奪しながら十字軍遠征より帰還していたロビンですが、リチャード王の戦死のドサクサに紛れて軍より離脱。その時に殺害されたロバート・ロクスレー卿から郷里ノッティンガムにいる父親のウォルターに家宝の剣を渡すよう頼まれ、仲間とともにノッティンガムへと向かうことに。しかし思いがけずウォルター卿より息子の替わりになって欲しいと頼まれしまいます。

一方、兄リチャードを継いで王となったジョンは、乳兄弟のゴドフリーを重用し、母アリエノールや父の代からの老臣を遠ざけるようになりますが、実はこのゴドフリー、フランス王フィリップがイングランド征服のために送り込んだスパイで……

ということで、ロビン・フッド伝説に十字軍とかマグナ・カルタとか時代的に合いそうな要素を振りかけた、歴史好きにはたまらない作品に仕上がっています。

ロビン・フッド物に出て来るリチャード獅子心王と言えば、騎士の鑑ということで名君扱いされるのが普通なんですが、この映画では戦争好きのDQNな王様として描かれ、しかもDQNなまま序盤で戦死してしまいます。後で「やっぱり生きてました!」という感じで再登場するのかと思いきや、出番は本当にそこまででした(^^;)

で、通常悪役として描かれるジョン欠地王は本作でもやっぱり悪役です。最初から最後までブレのないDQNぶりを見せてくれます。途中で王としての自覚に目覚めかけるシーンなんかも出て来たりするのですが、それでもアホなDQNから脱皮して狡猾なDQNになったという程度です……

本作ではイングランド征服を企んでいるということになっているフィリップ尊厳王ですが、陰謀家タイプでいい所を見せてくれるのかと思いきや、結局はかばかしい所も無いままラストシーンでは涙目を見せてフランスへと退却していきます。史実では完璧超人に近い王様のはずなんですが、実にもったいない使い方です(^^;)

ラストの英仏両軍の戦いなどアクション・シーンに目が行きがちな作品なんですが、個人的には英仏両国王の三者三様ぶり(英国母后アリエノールも含めると四者四様か)が面白かったなあと思います。

コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 年末に読んだ本 | トップ | 『包青天之七侠五義』その6 »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (たぬきママ)
2011-01-04 23:51:22
いつも獅子心王は、結構美化され過ぎ(どこぞの赤ら顔の戦馬鹿同様)なので、多少あれでも、逆に史実に近いんですよね。
アリエノールのバイタリティは、羨ましいほどです。
あんまり史実考えずに鑑賞すれば楽しい作品なのでしょうか?

返信する
Unknown (さとうしん)
2011-01-05 19:43:14
>たぬきママさま
>あんまり史実考えずに鑑賞すれば楽しい作品なのでしょうか?

まあ、あんまり史実を突き詰めすぎると、そもそもロビン・フッドは実在の人物なのかという話になってきますし(^^;)
返信する
Unknown (川魚)
2011-01-17 23:35:49
ガキのころ、映画で見たディズニーかなんかのアニメでは、欠地王がやはり悪役で、最後に獅子王が出てきて話しがハッピーエンドになるんですが、このジョンが言うたひとこと「十字軍なんて愚かな戦いしよって」。

見終わって、二十年してからシビレました(笑
返信する
Unknown (さとうしん)
2011-01-18 18:11:41
>川魚さま
ディズニー映画だと、欠地王は完全な悪役になっているんでしょうが、それでいてそんなまともなセリフを吐くとは……
返信する

コメントを投稿

映画」カテゴリの最新記事