御厨貴編著『近現代日本を史料で読む』(中公新書、2011年4月)
明治から戦後にかけての政治家や軍人の日記の解題をひたすら並べている本ですが、日本近現代史をやってる人はこういう史料に日々向かい合ってるわけだなあと感心した次第。以下、本書の雑感。
○『植木枝盛日記』では、植木が交渉を持った100人以上の女性の名前が事細かに記録されており、どう考えても尋常ではないとのことですが、ならば日記に男色の相手を記録していた悪左府頼長の立場はどうなるのでしょうか……
○高松宮が薨去された後に突然発見された『高松宮日記』。扱いに困った高松宮妃は靖国神社の宮司に相談しますが、返ってきた答えは「何かあっては取り返しがつかないので焼いてしまった方がいい。」工工エエエ(´Д`;)エエエ工工.
○『高松宮日記』は結局紆余曲折を経ながらも高松宮妃の強い意志により刊行まで漕ぎ着けるわけですが、その一方で闇に葬られた史料もあるんだろうなと思った矢先に、『卜部亮吾日記』の記述から同じような感じで発見された昭和天皇の日記が闇に葬られていた(らしい)ことが発覚。
その他、『大蔵公望日記』が歌舞伎・新派劇のレビュー日記と化している件、『有馬頼寧日記』が野球のレビュー日記と化している件、「!」や「?」が頻出する『宇垣一成日記』、林銑十郎を目の敵にして彼のことをいちいち「土蜘蛛」「蜘蛛」と書いてる『真崎甚三郎日記』など、愉快なネタが満載です(^^;) 史料にここまでネタが盛り込まれているなら、研究してても楽しいでしょうね。
明治から戦後にかけての政治家や軍人の日記の解題をひたすら並べている本ですが、日本近現代史をやってる人はこういう史料に日々向かい合ってるわけだなあと感心した次第。以下、本書の雑感。
○『植木枝盛日記』では、植木が交渉を持った100人以上の女性の名前が事細かに記録されており、どう考えても尋常ではないとのことですが、ならば日記に男色の相手を記録していた悪左府頼長の立場はどうなるのでしょうか……
○高松宮が薨去された後に突然発見された『高松宮日記』。扱いに困った高松宮妃は靖国神社の宮司に相談しますが、返ってきた答えは「何かあっては取り返しがつかないので焼いてしまった方がいい。」工工エエエ(´Д`;)エエエ工工.
○『高松宮日記』は結局紆余曲折を経ながらも高松宮妃の強い意志により刊行まで漕ぎ着けるわけですが、その一方で闇に葬られた史料もあるんだろうなと思った矢先に、『卜部亮吾日記』の記述から同じような感じで発見された昭和天皇の日記が闇に葬られていた(らしい)ことが発覚。
その他、『大蔵公望日記』が歌舞伎・新派劇のレビュー日記と化している件、『有馬頼寧日記』が野球のレビュー日記と化している件、「!」や「?」が頻出する『宇垣一成日記』、林銑十郎を目の敵にして彼のことをいちいち「土蜘蛛」「蜘蛛」と書いてる『真崎甚三郎日記』など、愉快なネタが満載です(^^;) 史料にここまでネタが盛り込まれているなら、研究してても楽しいでしょうね。