博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『葉問』

2009年01月03日 | 映画
近所の量販店で甄子丹(ドニー・イェン)主演の『葉問』と陳凱歌監督の『梅蘭芳』のDVDをゲット。取り敢えず『葉問』から鑑賞。

舞台は1930年代の仏山。黄飛鴻以来の武術のメッカとして知られるこの地にあって葉問は最強のカンフーマスターとして知られていたが、彼は敢えて武術館を開いて弟子を取ろうとはせず、商売で平穏に身を立てようとしていた。しかし日本軍の侵攻はそんな彼の暮らしを一変させることとなり……

ということでドニーさんが詠春拳の達人でブルース・リーの師としても知られる葉問を演じ、彼の伝記映画という体裁になっています。しかし序盤で彼がかわいい奥さんや子供とともにシャレた洋館で幸せに暮らす富豪として描かれているあたり、どこまで信用して良いのやらという気が(^^;) ドニーさん、調子に乗りすぎですよ!

で、日本の将軍で空手の達人の三浦をどういうわけか池内博之が演じております。Wikipediaを見ると一応柔道が特技ということでアクションシーンもそれなりにこなしてますが、この若さで将軍というのはイマイチ説得力がありません。これは千葉真一か倉田保昭あたり年を食った武打星が演じるべき役柄だったのではないかと……

内容については短い間尺でよくまとまっていると思いますが、いつもの香港映画だと終盤で葉問が友人の工場に乗り込んでいる間に妻子が日本軍に殺され、復讐のために彼が三浦のもとに乗り込むという展開になってしかるべきなんですけどね。葉問の遺族が制作に関わっていることもあって、このあたりは自由に変更出来なかったということでしょうか。

また、葉問が武術家の「武徳」を問題にしたり、ドラマ『李小龍伝奇』につながるような要素が見られるのも注目ポイントです。それで彼が仏山から香港に逃れて数十年後、本作ではこんな感じだったのが……



『李小龍伝奇』ではいい具合に老けてこんな感じになっちゃうわけですね(^^;)

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