落合淳思『甲骨文字に歴史をよむ』(ちくま新書、2008年7月)
基本的に甲骨文字・甲骨文の読み方のみ解説していた前著に対し、今回は甲骨文を史料として殷代の社会や歴史などを読み解いていこうという主旨。殷王の系譜はその時々の都合によって変化していたのだといった著者のこれまでの研究成果が盛り込まれたものとなっています。
白川静が漢字の字源から呪術性を読み取る傾向を批判したり、夏商周断代工程は文献の記述をベースにしているという点で日本の皇紀の制定と似たり寄ったりだとか、中国で2005年にその内容が発表された板方鼎を偽銘と断定したりと、ラディカルな主張が目立ちます。
ツッコミ所も無いわけではないですが、ここではひとつだけ。最初の方で殷代政治史を継続的に研究しているのは著者1人だけというような記述がありますが、何ぼなんでももう1人ぐらいはいます(^^;) 政治史にこだわらなければもうちょっと増えます。どっちにしろ日本では数えるほどしかいないのは確かなんですが……
基本的に甲骨文字・甲骨文の読み方のみ解説していた前著に対し、今回は甲骨文を史料として殷代の社会や歴史などを読み解いていこうという主旨。殷王の系譜はその時々の都合によって変化していたのだといった著者のこれまでの研究成果が盛り込まれたものとなっています。
白川静が漢字の字源から呪術性を読み取る傾向を批判したり、夏商周断代工程は文献の記述をベースにしているという点で日本の皇紀の制定と似たり寄ったりだとか、中国で2005年にその内容が発表された板方鼎を偽銘と断定したりと、ラディカルな主張が目立ちます。
ツッコミ所も無いわけではないですが、ここではひとつだけ。最初の方で殷代政治史を継続的に研究しているのは著者1人だけというような記述がありますが、何ぼなんでももう1人ぐらいはいます(^^;) 政治史にこだわらなければもうちょっと増えます。どっちにしろ日本では数えるほどしかいないのは確かなんですが……