博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『墨攻』

2007年02月12日 | 映画
今日は宣和堂さん主催の『墨攻』鑑賞オフに行ってました。

趙国に攻められようとしている小国梁を救うために、墨家の革離が単身梁城に赴き、梁の人々とともに国を守ろうとするという大筋は小説版・漫画版と変わらないのですが、范冰冰演じる女将軍・逸悦らオリジナルキャラが登場したりと、細かい部分は原作とだいぶ異なっております。

一番のキモとなる攻城戦はまあまあ見応えがあったものの、それ以外の部分がどうも納得しかねる所の多い作品でした。以下、この作品のツッコミ所を挙げておきます。

○革離が梁城に到着した数分後に趙軍も到着

趙軍が迫るまで革離が梁の民衆に訓練を施すシーンとかがあるのかと思いきや、そんな暇も与えられず、すぐさま趙軍がやって来てしまいます。あまりのタイミングの良さに思わず笑ってしまいそうになりました。このあたり、展開がちと早すぎやしないでしょうか……

○女将軍・逸悦が革離に迫るシーン

逸悦は革離に好意を抱いているという設定なのですが、范冰冰が演じている割には色っぽい所が無いなあと思っていたら、城内の小屋の中で革離と逸悦が二人っきりになったところで、「墨家は何かというとすぐ兼愛と言うけれど、あなたは本当の愛を知らないわ」とか言いながらいきなり服を一枚ずつ脱ぎ始め、革離に迫っていきます。

で、彼女が上着の下に着ていた服が『プライド 小魚児与花無欠』や『封神榜』で彼女がしていたような肩出しルックなのですが、この作品でも必然性もなくそんな格好をさせられるとは(^^;) 范冰冰が古装篇に出演したら必ず肩出しルックをしなければならないという決まりでもあるんでしょうか……

○自分の人生に思い悩む革離

革離が狭い小屋の中で一人三角座りをしながら自分の生き方に思い悩むシーンがあるのですが、戦が始まって散々犠牲者も出たところで今更悩まれても……

○気球に乗って城内に侵入する趙軍

衣装とか兵器とかそれなりに時代考証にこだわってるはずなんですが、何でまた気球とか突飛なものを出してきますか(^^;)

○オチ

ラストの展開は小説版とも漫画版の梁城編とも異なっているのですが、最も納得がいきかねるのが映画版のオチでした(-_-;)

あと、BGMが無駄に格好いいなあと思ったら、川井憲次氏が音楽を担当していました。『セブンソード』からこのかた、中国のアクション作品では引っ張りだこですね。
コメント
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