博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『包青天之一 狸猫換太子』

2007年01月27日 | 中国古典小説ドラマ
実は『少年楊家将』を見終わってから『碧血剣』のDVDが届くまで何となく手持ちぶさたで、年末に上海新天地で買った『包青天之一』を見始めたのですが、あまりの面白さに『碧血剣』が届いても見るのがやめられず、結局一区切りつくまでと『碧血剣』と平行して見てました(^^;)

『包青天之一』には「狸猫換太子」「双釘記」「紅花記」「九道本」の4つのエピソードが収録されていますが、今回鑑賞したのは「狸猫換太子」全7話です。

李妃と劉妃はともに宋・真宗の妃であったが、劉妃は李妃の方が先に太子となる皇子を出産したのが気に食わず、側近の宦官・郭槐に命じて皇子と狸の死体(タイトルにある「狸猫」とはヤマネコの意ですが、ドラマでは狸のように見えましたので、狸ということにしておきます。)を取り替えさせ、李妃が妖怪を産み落としたと真宗に信じさせ、李妃を陥れる。郭槐は更に李妃を亡き者にしようとするが、彼女は密かに難を逃れた。一方、李妃が産んだ皇子も宦官の陳林によって密かに救い出され、皇族の八賢王に預けられて、更に後には真宗の後を継いで仁宗皇帝となった。

李妃が民間に逃れてから二十年。彼女は開封府尹の包拯が清廉潔白で頼りがいのある人物であると知り、「狸猫換太子」の一件を訴え出ようとするが、彼女の義理の娘である梅娘が八賢王の伯父で女好きの趙国棟に攫われ、彼女自身も相国寺で鉢合わせた劉妃・郭槐に捕らえられてしまう……

このエピソードでは本来仁宗の養父である八賢王と仁宗お付きの宦官・陳林が善玉として包拯をサポートし、劉妃と郭槐が悪玉になるはずなのですが、包拯が八賢王の伯父である趙国棟を婦女誘拐・暴行の罪で処刑してしまったことから八賢王と陳林の怨みを買い、彼らの根回しによって開封府尹の地位を追われ、逆に包拯と郭槐が同郷人で昔からの知り合いであることから、郭槐が仁宗に包拯の復職を嘆願するといった具合に、ちょいと話に捻りが加えられています。開封府尹を免職になる時に包拯が今までの事件を回想するシーンがあるのですが、彼が思い出すのが尽く押し切り刀で悪人を処刑する場面なのが何とも微笑ましいです(^^;)

郭槐は粘りに粘って仁宗から包拯復職の勅命を得ることに成功しますが、李妃が南侠の展昭によって助け出され、包拯のもとに匿われていることを知ると、復職の勅命を無かったことにして彼を免職に追い込もうとします。ここから包拯がどう劣勢を挽回していくかは本編を見てのお楽しみです。なお、このエピソードでは錦毛鼠の白玉堂も梅娘の従兄弟という設定で登場しますが、展昭に食ってかかってうっかり悪人を逃してしまったり、梅娘の気を惹こうと目を離した隙に李妃が攫われたりと、まるで良い所がありません(^^;)
コメント (4)
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