博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『絶代双驕』

2007年01月04日 | 映画
『絶代双驕』(楚原監督、傅声等出演、1979年、香港)

古龍の同名小説の映画版です。序盤でまず小魚児と花無欠の兄弟が離ればなれになった事情が超特急で語られます。移花宮宮主は客人となった江楓に思いを寄せていたが、江楓は宮主の侍女の花月奴と相思相愛となり、駆け落ちして双子の兄弟を産みます。ところが江楓の使用人の江琴が宮主に二人の居場所を密告し、二人は宮主に殺されてしまう。残された双子のうち花無欠は宮主が引き取り、小魚児は江楓の義兄弟である燕南天に引き渡し、十八年後に二人の兄弟を殺し合わさせることにした。燕南天は小魚児を連れて悪人谷に逃れるが、谷に住まう十大悪人の襲撃によって植物人間にされてしまい、小魚児は悪人たちによって育てられることに……

で、十八年後に小魚児は悪人谷から脱走することになるのですが、その後の展開が脱線だらけで、小魚児が花無欠と出会うのが映画全体の半分を過ぎたあたり、更に小魚児兄弟の仇である江別鶴(江琴)が出て来るのが3分の2を過ぎたあたりです。このまますべてがウヤムヤのうち完結するのではないかとドキドキしながら見てましたが、最後はきれいに締めてくれました(^^;)

ドラマ版『PRIDE 小魚児与花無欠』と最も異なるのは十大悪人の設定ですね。ドラマ版では十大悪人と言いながら結局五人しか存在しないのに対し、こちらでは悪人谷でくらす五人組以外にもメンバーが存在しているという点と、ドラマ版ではみんな悪人面しながら根は善人であったのに対し、映画の方ではマジもんの悪人になっている点です。小魚児の命と宝物のどちらを選ぶかと言われたら、迷わずお宝の方を取るような連中ばかりです(^^;) 最後は燕南天の隠したお宝をめぐって同士討ちをし、裏切りに次ぐ裏切りを見せてくれます。

取り敢えず傅声は期待通りにコミカルな演技を見せてくれるので、傅声ファンなら見て損はないと思います。
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