Willow's Island

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憂国のラスプーチン

2011年08月15日 05時51分28秒 | 

 元・外務省の情報分析官である佐藤優氏が原作を書いた「憂国のラスプーチン」という漫画を読んだ。「偽計業務妨害」の容疑で逮捕された佐藤氏自身と「疑惑の総合商社」とまで呼ばれた鈴木宗男氏をモデルとした登場人物が登場しており、彼らの正当性を訴え、検察や外務省の悪辣さを指摘する、という内容だ。漫画としては随分変わったものだが、これがなかなか面白い。あの高橋留美子先生も絶賛しているほどだ。
 書かれている内容は佐藤優氏の他の著書と共通しており、鈴木宗男氏が立派な政治家として描かれている。私は鈴木宗男といえば「いかにも汚いことをやっていそうな政治屋」というイメージしかなかったが、佐藤氏によるとそれはまったく違うようだ。むしろ逆に、日本のことを常に考え、北方領土返還のために、懸命にロシアとのパイプをつなごうとしていた国士、として扱われている。もしこれが本当なら、私もマスコミのイメージ操作に騙されただけ、ということなのだろうか?
 それとは逆に検察は、おそろしく理不尽で自己中心的で、正義を追求する気などかけらもないもの、として描かれている。佐藤氏によれば、検察はいったん「起訴するぞ」と決めてしまえば、それを覆す証拠があろうとなかろうと関係なしに被疑者を卑劣なやり方で追い込み、証拠の捏造さえ辞さず起訴に持ち込む、とのことだ。そして起訴さえできれば、裁判所ではほぼ100%有罪が確定する、という。
 佐藤氏の訴えることは本当なのだろうか? 果たして彼は信用できるのか? 私にはよく分からないが、検察については、厚生労働省の村木という局長を起訴するために証拠FDの改ざんまで行った、という事件が昨年実際に起こっている。そうなると、まったくの嘘ではないのかもしれない。さらにあのFD事件はもしかして氷山の一角にすぎず、検察全体であのようなことが日常的に行われていた、という可能性もある。だとすると、日本の司法制度はまったく機能していない、ということになる。

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