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拉致問題で北朝鮮への制裁一部解除

2014年07月06日 06時11分54秒 | 時事

 政府の説明によると、北朝鮮の設置した「特別調査委員会」とやらが実効性があるので、とかいうことで制裁解除が決定されたらしい。確かに、北朝鮮で「党や軍など全機関を調査できる権限を持つ」組織が作られたということは、今までにない動きであり、多少は真剣さを感じるような気もする。では、これで拉致問題が解決に向かうのかというと、私は懐疑的だ。
 今までさんざん「拉致問題は解決済み」と言ってきた北朝鮮が、いきなり努力らしきものを見せ始めたということは、それだけカリアゲ君らが追い詰められている、ということだ。中国からも見放され(実際に中国は北よりも韓国を重視するようになった)、日本と関係改善をしなければ、経済的にどうにもならない状況にまで来ているのだろう。
 じゃあそこまで追い詰められているなら、特別調査委員会を作るなどというまどろっこしいことをせず、小出しにでも拉致被害者を返していけばいいことではないか。もし本当に日本に返せるような拉致被害者がいるのなら、そうしているはずでは? そう無理してまで拉致被害者を日本に返さないだけの利益が、北朝鮮にあるとも思えない。今さらばれて困るような北朝鮮の「国家機密」なんてものも、まるで考え付かない。もし重大な軍事機密等があったとしても、それを拉致してきた日本人にアクセスさせるはずもなかろう。
 なぜ拉致被害者をいつまでも返さないかといえば、やはり本当に亡くなっている可能性が高い、と考えざるをえない。しかも最悪の場合、北朝鮮が彼らを処刑してしまった、という可能性も否定できない。もしそうであれば、北朝鮮が今まで頑なに拉致問題の協議を終わらせようとしていたのも、何となく分かる。(あくまでも一つの可能性として、だが)
 拉致問題はこれからも解決しないし、北朝鮮との国交正常化も半永久的にありえない、と思われる。

以下、記事の引用
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140704/kor14070414350009-n1.htm
 政府は4日午前の閣議で、北朝鮮に対する独自制裁の一部解除を正式決定した。北朝鮮が拉致被害者の安否を再調査するために設置する「特別調査委員会」が、党や軍など全機関を調査できる権限を持ち、実効性があると判断した。北朝鮮は再調査に着手する方向だ。

 菅(すが)義偉(よしひで)官房長官は記者会見で「拉致問題は最重要課題だ。一日も早い解決に向け全力を尽くす」と強調した。さらに、北朝鮮が拉致被害者の安否を確認した後の手順について説明。日本政府は北朝鮮の通報に基づいて調査団を派遣した上で、拉致被害者と現地で面会し、被害者が生活する場所を訪問するとした。

 制裁解除の対象は(1)人的往来の規制(2)北朝鮮居住者らへの送金、現金持ち出しに関する届け出の規制(3)人道目的の北朝鮮船籍船舶の入港禁止-の3項目。人的往来の規制では、北朝鮮籍者の入国禁止▽北朝鮮船籍船舶の乗組員らの上陸禁止▽日本国民の北朝鮮への渡航自粛-などを解除する。

 ただ、北朝鮮が日朝協議で要求している貨客船「万景峰(マンギョンボン)92」の入港禁止措置は継続。北朝鮮への輸出入全面禁止措置や、国連安全保障理事会の決議に基づく制裁措置なども続ける。