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池上彰さんがすばらしすぎる

2012年12月26日 06時15分12秒 | テレビ

 今年の総選挙特番(12月16日)でも、また池上彰さんがやってくれた。候補者に対する突っ込み、質問が容赦なさすぎて笑えるのだ(^^)。ネットでもすごい評判になっている。3年前と同様、テレビ東京には再放送やDVD化を望む声が殺到しているのだそうだ。池上さんが何を言ったのか、下記リンク先の記事に主なものだけをまとめてあるので、番組を見ていない人はぜひ読んでいただきたい。溜飲が下がること間違いなしだ。
http://biz-journal.jp/2012/12/post_1173_2.html
 あまりの評判に、池上さん自身がついにコメントを出したようである。内容は、以下のとおり。

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http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20121225-00000302-newsweek-bus_all
<略>
 ただ、党首や候補者への私のインタビューは、ジャーナリストとして当然のことをしたまでで、これに関する評価は面映ゆいものがあります。
 というのも、たとえばアメリカのテレビの政治番組なら、政治家に対しての容赦ない切り込み、突っ込みは当然のことだからです。
 日本なら「失礼な質問」に当たるようなことでも、平然として質問をしますし、質問を受けた側も、怒ることなく(怒ったら負けですから)、見事に答えます。そんな当然のことをやってみたに過ぎないのです。
 私の質問に対する政治家各氏の反応はさまざまでした。怒り出す人、論点をずらして反論を試みる人、他党の例を出して誤魔化そうとする人、絶句する人----。期せずして政治家の性格やレベルが浮き彫りになりました。
 こうしたインタビューが評価されるということは、逆に言えば、これまでの政治番組や選挙特番が、政治家に対して、厳しい質問をしてこなかっただけなのではないでしょうか。
「当選おめでとうございます。いまのお気持ちは?」レベルの質問をしていては、政治家の答えも容易に予想できます。聞かずもがなの質問。それでは「いい質問」ではないのです。
 まして、政治家に質問を投げかける側が、政治の勉強をしていなかったりするようでは、本質を引き出すことはできません。
 いまの日本の政治家に関しては、その質が低いのではないかと批判されます。それはその通りなのですが、政治家と真剣勝負をしてこなかった日本の政治ジャーナリズムにも責任があるのだと思います。
<略>
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 まさに正論である。日本において、ジャーナリズムは機能していない、ということだ。まともなジャーナリストは池上さんだけ、という状況はいかにも寂しい。しかし池上さんにしても、彼の立場が特殊だからこそ、ああいうことができたと言えるのではないか。フリーランスであり、無数の著作物によって高所得があり、なおかつテレビ局からは常に引っ張りだこ、という非常に強い立場にあることと無関係ではないと思われる。もし池上さんがNHKの、いち放送記者に過ぎなかったとしたら、それでもあのような質問、突っ込みをすることができたのだろうか? おそらくできなかっただろう。そこに、日本のジャーナリズムの問題がある。