初めてこの水羊かんを見たのは、
いえ、正確に言ったら、この水羊かんではありません。
冬に食べる水羊かんを初めて見たのは、
NHK連続テレビ小説「まれ」のワンシーンですから、能登が舞台ですね。
お正月の食卓で、ヒロインが水羊かんをおいしそうに食べていました。
夏ではなく、真冬に水羊かんを食べることも驚きでしたが、
一人分の大きさにもびっくり!! (@_@。
でも、今年の2月に福井の水羊かんをいただく機会があり、
すっきりした甘さ、つるっとしたのどごし・・・。
これは、一人分があの量でもペロリといけると納得しました。
「もう一度食べたい!」と思っていたら、
福井の野菜&だしソムリエのお仲間が送ってくださいました。
改めていただいてみると、すっきりした甘さとのど越しに加えて、
黒糖のコクもじんわりと伝わってきます。
福井の水羊かんは、砂糖とあんを寒天で固めて作るのは同じですが、
水分を多くしてやわらかく作るのが特長なのだそうです。
そのため福井の冬水ようかんは水分が多く、
糖度が低くなっています。(33~34度。通常の練り羊羹は66~70度)
糖度が低いということは、保存が効かないということ。
つまり、常温や夏のような気温ではすぐに腐敗してしまいます。
大正時代から食べられていたというこの水羊かん。
冷蔵庫も普及しておらず、流通も発達していなかった当時、
福井の冬の気温(0℃~10℃)は、
この水羊かんをいただくのに適していたのでしょう。
食品製造の技術も進み、冷蔵技術も進んだ今の時代なら、
この水羊かんを夏に作ることも可能なのでしょうが、
これを冬にいただくということが
大切に守り続けたい食文化なのだと思います。
ごちそうさまでした。(*^-^*)