昨年末、豊橋でだしの講座を行った際、
私が「八丁味噌」という言葉を何回か使いました。
講座が終わった時、一人の男性が
「どうも腑に落ちないのだが、
それは本当に八丁味噌なのか?」
と質問してきました。
彼曰く、
「八丁味噌と名乗っていいのは、
カクキューとまるや、この2社のものだけではないのか?」
【画像お借りしました カクキューさんの八丁味噌】
【画像お借りしました まるやさんの有機八丁味噌】
私の認識が間違っていたのか?
年末年始は、時間を見つけては八丁味噌について調べていました。
で、わかったことをまとめてみます。
1 八丁味噌は豆味噌の一種である
私が普段使っているお味噌は、大豆+米麹+塩 でできています。
八丁味噌は、大豆+豆(大豆)麹+塩。
つまり米麹や麦麹を使わずに、大豆のみから作られています。
詳しい製法については、こちらをご覧ください。
2 発祥の地が大事
江戸時代、岡崎城より西へ8丁離れていた八丁村(現在の岡崎市八帖町)で
主に作られていたことから、八丁味噌と呼ばれました。
その岡崎市にある二大老舗が、カクキューさんとまるやさんなのです。
3 名称について
2006年に地域団体商標制度がスタートしたのに伴い、
カクキューさんとまるやさんは「八丁味噌」を商標出願しました。
しかし、愛知県内には同じ製法で豆味噌を製造している業者が存在しているため、
商標登録設定には至っていません。
そして、「八丁味噌」という名称は裁判所の判断により、普通名称とされています。
ということは、法律上は伝統的なその製法で作られた豆味噌ならば
「八丁味噌」と名乗っても問題はない・・・ということになるのですが。
私は、まさにその「広義の八丁味噌」説を取り入れた上で
二大老舗が存在するという解釈だったのですが、
八丁味噌の由来に基づけは、
岡崎市の二大老舗以外は認めないという
冒頭の男性の発言になるのでしょう。
お隣の愛知県の伝統調味料を
深く考えずに使っていたことを反省するとともに
改めて学ぶ機会を与えていただいたことに感謝いたします。