旬刊・上原直彦 「浮世真ん中」の内『おきなわ日々記』」アーカイブ版

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花盛り・琉球舞踊会その③

2010-10-21 00:20:00 | ノンジャンル
 放送屋という仕事柄、舞踊家の友人知人が少なくない。
 さる日。実になんとなく訪ねた女性舞踊家の道場。丁度、弟子のひと稽古つけたばかりの彼女は、コーヒーを馳走してくれた。ひとしきり世間ばなしをしているうち、目の前の小道具台に置いてあった「八重瀬の万歳」など、武士の道行き舞踊に用いる、フシのある竹で作られた杖グーシを取って、背中のカユミを掻いた。雷が落ちたのはその時だ。
 「何ということをするのですッ!小道具には、舞踊家の“魂”が吹き込まれているのですッ!杖グーシは、孫の手ではありませんッ!」
 平謝りに謝ったのは言うまでもない。なにごとも素人は、玄人の“魂”に勝手にふれてはいけないことを思い知った。
 さて。大道勇著「琉球手帖=初心者から上級者までの琉球舞踊解説書」から〔舞踊家名簿〕の頁を開こう。流派・研究所・動徐・会等は五十音順。2009年10月現在の調べである。3週目の転載。
       
        踊り:高宮城実人
 
 ※玉扇会玉城盛義琉舞道場 二代目家元=玉城秀子<那覇市>
 *玉扇福珠会会主=玉城静江<宜野湾市>*玉扇紀綾会会主=嘉数紀美子<那覇市>
 *玉扇千志会会主=米須千加子<宜野湾市>*玉扇泉踊会会主=嘉数好子<那覇市>
 *玉扇希友会会主=金城順子<宜野湾市>*玉扇正竹の会会主=島袋正子<豊見城市>
 *玉扇俊栄会会主=矢上俊一郎<兵庫県神戸市>*玉扇会師範=知花由美子<那覇市>
 *玉扇会師範=上原房子<糸満市>*玉扇会師範=大浜多津子<那覇市>*玉扇会師範=當山喜子<那覇市>*玉扇会師範=仲村加代子<北谷市>*玉扇会師範=与座京子<那覇市>*玉扇会師範=島由美子<宜野湾市>*玉扇会師範=佐久川順子<宜野湾市>
 *玉扇会師範=山城愛子<うるま市>*玉扇会師範=比嘉光子<中城市>*玉扇会師範=鉢嶺初枝<糸満市>*玉扇会師範=大田守邦<那覇市>*玉扇会師範=瀬底栄子<南風原町>*玉扇会師範=上地美津子<読谷村>*玉扇会師範=池宮良子<宜野湾市>*玉扇会師範=屋良節子<沖縄市>*玉扇会師範=伊波善子<兵庫県尼崎市>*玉扇会師範=金城里美<大阪府大阪市>*玉扇会師範=前田雅子<兵庫県神戸市>*玉扇福珠会師範=東江裕吉<中城村>*玉扇千志会師範=米須千恵<宜野湾市>*ブラジル支部師範=金城節子。ブラジル支部師範=城間和枝。
 ※喜納の会二代目家元=伊波正江<那覇市>
 *喜津美の会会主=伊波キヨ<南城市>*喜利の会会主=西村利江子<南城市>*喜琉の会会主=中村志津子<那覇市>*喜納の会師範=関りえ子<神奈川県川崎市>*喜納の会師範=棚原礼子<宜野湾市>*喜納の会師範=長田えり子<西原町>*喜納の会師範=上原克代<宜野湾市>*喜納の会師範=盛根朝子<うるま市>*喜納の会師範=末吉四惠<那覇市>*喜納の会師範=大城美恵子<西原町>*喜納の会師範=島袋美子<南城市>*喜納の会師範=比嘉道子<中城村>*喜納の会師範=伊波 妙<西原町>
 ※煌扇会家元=又吉啓子<浦添市>
 *煌扇潤信の会会主=石嶺信子<読谷村>*煌扇会師範=高江洌繁美<うるま市>*煌扇会師範=安里ヒロ子<うるま市>*煌扇会師範=徳門初子<うるま市>*煌扇会師範=島袋廣美<うるま市>*煌扇会師範=新城久美<浦添市>*煌扇会師範=金城文子<沖縄市>*煌扇会師範=新垣江里子<沖縄市>*煌扇会師範=新垣麻理子<沖縄市>*煌扇会師範=平良ヨシ<沖縄市>*煌扇会師範=當山スエ子<宜野湾市>
 ※七扇会家元=山城洋子<宜野湾市>
 *七扇文の会会主=知名文子<宜野湾市>*七扇正乃会会主=岸本正子<八重瀬町>
 *七扇孝寿の会会主=平岡孝子<豊見城市>*七扇常乃会会主=大城常政<北中城村>
 *七扇輝京の会会主=伊波京美<那覇市>*七扇嘉雅の会会主=嘉陽則子<那覇市>
 *七扇恵の会会主=平田エリ<西原町>*七扇こねり会会主=上地美智子<糸満市>
 *七扇会師範=新垣桂子<浦添市>*七扇会師範=宮里禮子<宜野湾市>*七扇会師範=神谷清一<八重瀬町>*七扇会師範=浜川真由美<浦添市>*七扇会師範=宮城英子<南風原町>*七扇会師範=上原稲子<今帰仁村>*七扇会師範=安里明美<北中城村>*七扇会師範=平良初子<那覇市>
 *七扇会会主=伊野波礼子<那覇市>*七扇会会主=大城ハツ子<那覇市>*七扇会師範=糸満盛幸<那覇市>*七扇会師範=安谷屋朝子<豊見城市>*七扇会師範=久場幸子<金武町>*七扇会師範=大田多恵子<国頭村>*七扇会師範=比嘉一枝<うるま市>*七扇会師範=伊波文子<那覇市>*七扇会師範=堀川和美*七扇会師範=金城みゆき<南風原町>

 10月16日。
友人の母親が97歳の生れ年<寅>を迎え、恒例の「カジマヤー祝儀」をホテルのホール で盛大に催した。母親は紅型衣装を身にまとい、ちょっと足元はおぼつかなかったが、子や嫁の手を借りながらも、ひな壇に座した姿は、神々しさすら覚えた。
さらに感動的だったのは、75歳の長男夫婦を筆頭に孫たちに10歳の曾孫が揃って舞う「かじゃでぃ風」。しかも、地謡は歌三線・琴・笛・太鼓と、すべて子や孫や嫁・婿であること。特別に芸能一家というわけでもないが、それぞれが好きで身につけた1芸。強いて言えば、嫁が正式に舞踊道場に通っていて、小さな子たちは3ヵ月かけて特訓したのだそうな。
芸能は、公けの発表会や公演でなくても日常的になされている。

  【舞踊家名簿】10月28日号につづく。

 

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1 コメント

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Unknown (新垣峰子)
2011-06-23 01:08:22
上原さんのコメントに書くのはどうかと思いましたが
15年以上も気になっていましたので書きました。
玉扇会の仲村加代子さんと言う方は国場の出身で60代の方でしょうか?小学校は真和志小学校ではありませんか?
とてもVHSで踊りを見ました。その顔が私の小学生の時の同級生に似て名前も同じだし、とても踊りの上手な人でした。もし、誰かご存知でしたら教えて下さい。
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