キカクブ日誌

熊本県八代市坂本町にある JR肥薩線「さかもと駅」2015年5月の写真です。

宮本常一の父親の10の教え

2016年01月13日 |   └─宮本常一
民俗学の旅 (講談社学術文庫) amazonへ
宮本常一
講談社


以下の10か条は、宮本常一の著作(上記の「民俗学への旅」など)にあるのですが、まだ10代の宮本少年が初めて家を出て大阪へ勉強しに行くという時(まだその時点では、どの学校で勉強するなど具体的なことは決まっていませんでした)に、父親から渡された言葉だそうです。父親は、農家の生まれで学校にはろくに行かず、農家だけでは食べていけないので出稼ぎをして方々に出て行っていた人で(フィジーへも行ったらしい)、その経験からこのような言葉が生まれてきたらしい。まるでフィールドワーカーのようなその視点、また合理的で時代の先を見るかのような言葉に圧倒されます。


宮本常一は生涯この言葉を大事に旅をしていたのだそう。

私たちにも生かせる言葉がたくさんありますね。





一、汽車へ乗ったら窓から外をよく見よ、田や畑に何が植えられているか、育ちがよいかわるいか、村の家が大きいか小さいか、瓦屋根か草葺か、そういうこともよく見ることだ。駅へついたら人の乗りおりに注意せよ、そしてどういう服装をしているかに気をつけよ。また、駅の荷置場にどういう荷がおかれているかをよく見よ。そういうことでその土地が富んでいるか貧しいか、よく働くところかそうでないところかよくわかる。

二、村でも町でも新しくたずねていったところはかならず高いところへ上ってみよ、そして方向を知り、目立つものを見よ。峠の上で村を見おろすようなことがあったら、お宮の森やお寺や目につくものをまず見、家のあり方や田畑のあり方を見、周囲の山々を見ておけ、そして山の上で目をひいたものがあったら、そこへかならずいって見ることだ。高いところでよく見ておいたら道にまようようなことはほとんどない。

三、金があったら、その土地の名物や料理はたべておくのがよい。その土地の暮らしの高さがわかるものだ。

四、時間のゆとりがあったら、できるだけ歩いてみることだ。いろいろのことを教えられる。

五、金というものはもうけるのはそんなにむずかしくない。しかし使うのがむずかしい。それだけは忘れぬように。

六、私はおまえを思うように勉強させてやることができない。だからおまえには何も注文しない、すきなようにやってくれ。しかし身体は大切にせよ。三十歳まではおまえを勘当したつもりでいる。しかし三十すぎたら親のあることを思い出せ。

七、ただし病気になったり、自分で解決のつかないようなことがあったら、郷里へ戻ってこい、親はいつでも待っている。

八、これからさきは子が親に孝行する時代ではない。親が子に孝行する時代だ。そうしないと世の中はよくならない。

九、自分でよいと思ったことはやってみよ、それで失敗したからといって、親は責めはしない。

十、人の見のこしたものを見るようにせよ。その中にいつも大切なものがあるはずだ。あせることはない。自分の選んだ道をしっかり歩いていくことだ。

YOKOの好きなもの羅列

(順不同)地図、河岸段丘、保存樹木、宮本常一、縄文時代と日本の古代、文明開化と江戸時代、地方語、水曜どうでしょう、シャーロック・ホームズ、SHERLOCK(BBC)、陳昇、John Mellencamp、Kate Bush、イ・スンファン、カンサネ、1997年以前の香港映画、B級コメディー映画、SNL、The Blues Brothers、台湾、旅行の計画、イタリア、エステ、宮部みゆき、ショスタコーヴィチの交響曲5番、森川久美、のだめカンタービレ、くまモン
台湾旅行一覧 ただいま64回
海外旅行一覧 ただいま123回?