キカクブ日誌

熊本県八代市坂本町にある JR肥薩線「さかもと駅」2015年5月の写真です。

橘川先生の講演会「地域を考える、町田から考える」へ行ってきました

2024年06月18日 | ☆学ぶ!


神奈川大学のエクステンション講座(公開講座)で、連続受講している橘川先生の講演会があるというので町田まで行ってみました。

神奈川大学の公開講座、春の5回シリーズは先週で終わったのですが、ちょうど6回目のような位置づけ。

主催は神奈川大学の同窓会町田支部(?)のようです。
だれでも無料で参加OKとの話だったので、お言葉に甘えて。

会場は@「町田ぽっぽ」という半分公共の場所のような施設、中庭に面してスタバがあっていい雰囲気です。
町田駅にはおそらく初めて下りたったのですが、ものすごくひとが多くて「都会!」というのが第一の感想。
講演の中でも、町田は古くから「交通の要衝」という話がでましたが、まさにそんな感じです。
















知らなかったのですが、この講演会は同窓会の会合の第2部のような位置づけだったようで、参加者の大半はその関係の皆さんの様でした。
・・・私なんかが来てしまって、なんかすみません。

橘川先生にも始まる前にご挨拶しました。
先生もさすがに私の顔を覚えてくださったらしく
「今日の話はね、先週までやってた話にだいぶかぶるところがあるんだよ。だから、もう聞いた話だなって思うと思うよ」
なんて、わざわざ前振りをしてくださったり。


講演の中で、渋沢敬三宅にあった「日本常民文化研究所」が、神奈川大学に移ったいきさつなどについても聞くことができました。
宮本常一の本でも読んだことのある「九学会連合合同調査」のことなども。

法学部の教授で政治思想が専門の橘川先生が、なぜ常民研の仕事をするようになったのか、のお話も改めてちゃんと伺えて有意義でした。
(わたしも、なんでなんでなろうと不思議に思っていたのです)

にしても、古文書を読むの先生の専門とも関係があったのかな?
こんど機会があったらそんな話も聞いてみたい。



そもそも神大のエクステンション講座で橘川先生の講座を受講するようになったのは、日本の政治思想「ナショナリズム」について興味があったから。
全く触れたことのない分野の話で、チンプンカンプンながらも面白いなと思いつつ受講していたのですが、だんだん回を重ねるごとに民俗学よりになってきて、あれれ?
小澤俊夫先生の「昔ばなし大学」も文学方面だと思っていたら、やっぱり民俗学だったし。

大学生の時に宮田登先生の授業も履修放棄してしまうほど、難しいと思ったのだけど、ここに戻ってきてしまってる感あります。

一周回ってやはりここに来るのか?
などと思うと可笑しい。

トイレを作って訴えられた三郎兵衛さんの話の続き

2024年05月25日 | ☆学ぶ!
3回目の授業がありました。
今日も 三郎兵衛さんの話の続きからです。
三郎兵衛さんは村でいろいろ 揉め事を起こす問題がある人だったそうですが、
のちのち時代が下ると「三郎兵衛」家ということになって名望家チックになっていくようです。

さて また時 国行けから見つかった 古文書で三郎兵衛さんの家の商売がわかります。


これは 曽々木の 三郎兵衛さんが、同じ能登半島の宇出津の人から
4人乗りの船を買った時の証文です。


さらに下の古文書は三郎兵衛さんがその4人乗りの船を今の山形県酒田沖にある 飛島 という島に冬の間 係留 しておくために 通行手形を求める 願い書 です。



下のは 古文書の資料はついてなかったのですが 翻刻された資料です。
三郎兵衛さんが能登半島から4人乗りの船で松前から若狭のあたりまで色々なものを運んでいたということが この 古文書から分かっているそうです。

この頃の三郎兵衛さんは 「組頭」 ということになっているようです。
トイレを作った人とは別人物かもしれません 代々 三郎兵衛を名乗っているのでしょう。


今日は 能登半島の時国家の話から、
佐渡の船登源兵衛家古文書、
さらに瀬戸内海の 二神島〜二神氏の古文書の話にまで及び、
古文書調査と考古学的な発掘調査を照らし合わせる話など、非常に興味深いものでした。




道にトイレを作って訴えられた男の話

2024年05月25日 | ☆学ぶ!
能登時国家にて発見された 古文書を使った授業を継続中です。

古文書を読む 授業ではないのですが、資料には 古文書がバシバシ と出てきます。




これは道にトイレを作って訴えられた男の話です。
江戸時代はなかなか 愉快ですね。

【参考】


この授業はこの愉快な話がメインではなくて、「水呑百姓だ 頭振りだ 貧農だ」と思われた人たちがどれだけ 豊かな経済活動をしていたか という証拠の古文書という文脈で登場しています。

この道にトイレをはみ出して作って訴えられた三郎兵衛という男は、
身分こそ農地を持たない 「頭振」ですが、お金はたくさん持っていたらしいです。



奥能登時国家の古文書「えんじろう文書」の話を聞く 神奈川大学公開講座

2024年05月16日 | ☆学ぶ!
先日からまた 神奈川大学の公開講座を受講し始めました。
これまでも受講していた 橘川先生による「日本を知る」という講座です。

先日 第1回目だったのですが、 資料として配られたのが 奥能登の時国家(ときくにけ)の襖の下張りから発見されたという古文書でした。
第1回目ということもあり、能登の震災のことから先生の話が広がっていきました。
橘川先生は もともと政治学者だと思っていたのですが、 神奈川大学に置かれている常民文化研究所の仕事もされていて、所長までなさったということです。 その常民文化研究所の 研究調査の中に奥能登の時国家の古文書を調べるというものがあり、網野善彦さんと一緒にずっと調査をされていたのだそうです。

網野善彦といえば、以前に「日本の歴史を読みなおす」 という本を読んで、大変感銘を受けていたわたくしです。

そもそも 網野善彦さんを知ったのは 「宮本常一の忘れられた日本人を読む」という本を読んだのがきっかけでした。
歴史に対する見方が非常に面白くて。

この「日本の歴史を読み直す」 という本については、このブログに書いたことがあったかもしれません。日本の社会のあり方について、これまで私たちが常識として思っていたようなことが、実はそうではないんだ!と、根底から覆されるようなことが書いてあります。

その1つがこの奥能登の時国家の古文書の調査から分かったことです。

つまり、 「百姓」は「農民」のことではないという発見です。

  百姓≠農民

私たちは「百姓」って聞いたとき、江戸時代の年貢に苦しめられているような、村の中にいる農民の姿を思い浮かべます。(少なくとも私はそうでした)
それは、これまで、教科書や歴史の常識としてそのような理解でずっと考えられてきたからなんですけれど、それが この奥能登の時国家の古文書の中から見つかった資料によって、百姓≠農民の突破口が開かれたというお話です。

最近はテレビの歴史番組などでも、そういう話を聞くこともあり、網野善彦さんの研究の成果が現れてきてるのだなぁと感じています。

百姓≠農民 
が、完全に浸透しているわけでもないでしょうけど、大多数の人はそんなことに興味もないでしょうしね。


今回の橘川先生の講義で一番びっくりしたのが、この証拠になった古文書のひとつ(「円次郎文書」 と言うんですけど)を発見して 網野さんに見せたのが 橘川先生ご本人だったということです。

へーーーーー!!

私は講義を聴きながら、秘かに大興奮していました。


えんじろうもんじょ
「日本の歴史を読みなおす」にも載っています




 





概要を良くまとめてくださってる記事がありましたので引用します。

出典:日本史をかきかえた網野善彦の原点「時国家」(輪島市町野町)
藤井満 note 2024年4月15日
https://note.com/fujiiman/n/n3801c7465674

 1952年、言語学・民俗学・考古学など九学会連合による能登半島総合調査が実施され、民俗学者の宮本常一らが時国家の古文書を借りていったが、宮本が属する常民文化研究所が窮乏化し、その文書を返却できなくなった。「能登に古文書がないのは、常民文化研究所と上杉謙信のせい」とまで言われるようになっていた。
 常民文化研究所は1982年に神奈川大に招致され、それから13年間、網野善彦は文書を返却するために全国をまわった。その過程で網野は1984年に時国家にやってきた。
 時国家では襖をはりかえるとき、以前の襖紙を保存していた。網野はそれに注目する。
 蔵などに保存されている公的な文書史料は、「百姓=農民」という考え方にもとづき、年貢の額などが記録されているが、農民以外、とくにあちこちをわたり歩く人びとの史料はほとんどない。
 公的な文書史料によると、1735年には輪島の町の総家数の71%は頭振(あたまふり)や水呑だった。頭振とは、金沢藩領の無高の農民を意味し「水呑百姓」と同様、一種の蔑称だった。
 ところが、上時国家などにのこされた襖紙文書には、大庄屋である時国家が、貧乏人であるはずの「頭振」から借金をしていたことがわかった。
 輪島は当時、漆器やソーメンの産地としてにぎわっていた。そんな町の7割が頭振・水呑なのは、輪島塗やソーメン、廻船業など非農業的な生業が隆盛をほこり、田畑を所有する必要がなかったからのだということがわかってきた。輪島の年貢の税率が88%という記録があるが、「われわれは別の方面でもうけるから、それでいいですよ」ということだった。
 そして時国家は昔ながらの封建的大庄屋ではなく、北前船(廻船業)や炭焼き、塩田、鉱山、金融業などをいとなむ総合商社のような存在だった。上時国家は北前船を4隻所有し、その船がサハリンまで行っていたことも襖下張文書であきらかになった。
 こうした発見から網野さんは、「百姓」とは農民だけではないことを確認し、コメの石高で豊かさをしめす江戸時代以来の固定観念を否定し、中世社会が、たんなる「稲作社会」ではない多様性をもっていたことをあきらかにしていった。



講義自体は、そのことを先生が自慢するのが主眼ではなくて、
以下に我々が歴史を見る際に、先入観にとらわれているか。
その先入観を打ち砕くには、地道な資料の研究しかないのだ、というお話でした。

でも講義の時間は、時国家のある奥能登の被害が甚大だということとか、古文書研究の思い出話などで占められていたので、次回に持ち越しです。
次回も期待!

資料には、百田尚樹氏の「日本国記」なども用意されていました。
ちらっと読んだだけでも「うへ~っ」と思う文章。

先生のお話は、歴史は「物語」で語ってはならず、 資料に当たらなければならない 証拠を固めていかなければならないという話 でした。
自分に都合よく、物語にするのが上手い人の口車にのせられていくのはとても危険ですね。

◆先生の昔の記事
古文書は嘘をつくことがある それでも事実に迫ることはできる
神奈川大学名誉教授 橘川 俊忠
現代の理論 DIGITAL 2018秋号



2024年能登地震
時国家の母屋がこの地震で倒壊してしまったそうです。
橘川先生によると、段ボールに数百箱の古文書が保管されていたそうです。

◆関連記事
奥能登の歴史「捨てないで」 膨大な古文書、震災で消失危機 「上時国家」8500点下敷き
中日新聞 2024年4月14日



今年度のNHKラジオ古典講読が楽しみ~名場面でつづる「源氏物語」

2024年04月23日 | ☆学ぶ!
4月、本屋にNHKの教育講座のテキストがずらりと並んでしますね。
中学生のころから「基礎英語」とか語学講座のテキストを何度買っては挫折したことか!(笑)

最近は、NHKのテキストを買うことはほとんどないのですが、先日コーナーに行ってみてたら、発見がありました。
教育テレビの「3か月でマスターする世界史」
毎週木曜日です。
アジアから見た世界史、世界文明や世界宗教など、新しい視点でとてもワクワクします。


そして、ラジオも新しい番組が始まりました。
今年度の古典講読は、島内景二先生の名場面でつづる「源氏物語」。
今年の大河どらまが紫式部だからかもしれませんね。

一昨年だったかの古典講読が、島内景二先生の「紫式部日記」だったのですが、この先生の話し方がとても聞きやすくとってもファンになったのです。(そのあと本も買いました。このブログにも書いたはず)

島内景二先生再登場!今年は52回にわたってこの源氏物語をやるそうです。たのしみ~~
まだ1回しか聞いていませんが、なんと第1回は「湖月抄」と森鴎外の話からです。引き込まれます。
番組は聞き逃し配信がネットでも聞けるんですよ




NHKは今年は源氏物語関連の番組多くて、別の番組「カルチャーラジオ 文学の世界」でも13回シリーズで、林望さんの講演の番組もあって面白かったのですが、林望先生の話し方は、内容盛りだくさんで早口でちょっと聞き取りに難しいところ有り。録音の問題かもですが、ラジオなので、聞き取りにくいのは大変です。去年の古典講読が万葉集だったのですが、その担当の先生も早口で聴きとりが大変でした。


島内先生はゆっくりしゃべってくれるので、私に合います。


日本人とは何者なのか

2023年12月22日 | ☆学ぶ!

このNHKの番組よくまとまっていて面白かった。
ヒトゲノムが解明されて以降、遺伝子研究はものすごいスピードで進歩しているようですね。

日本人のルーツについても、古代人の骨からDNAを採取する機会が増えていること(技術の進歩もあるのでしょうね)と合わせ、これまたどんどん進んでいるみたいで、ワクワクです。


これまでは、
日本の先住民=縄文人に、弥生人=渡来人(稲作や鉄を持ってた人々)が合わさって今の日本人につながる、という「二重構造モデル」 がスタンダードでしたが、最近の研究ではさらに詳しい遺伝子解析が行われ、

縄文人+弥生人+古墳人 という「三重構造モデル」が最先端のようです。
古墳人というのはざっくりしすぎですが、古墳時代と言われるあたりに大陸などからいろいろな種類の人々が、かなりの人数で日本列島にやってきて定住したということらしい。
日本の弥生時代以降、ユーラシア大陸ではいろいろな文明が勃興し、大きな帝国もできたり、戦乱が絶えなかったことを思えば、いろいろな人々が戦乱を逃れ、日本列島までたどり着いたと考えても不思議はないですね。



さて、今月まで神奈川大学の社会人講座で
「日本を知るとはどういうことか」という講座を受講していました。

私たちがなんとなく心に思っている「日本人」って何だろう?
という素朴な疑問から受講してみました。

法的には日本人=「日本国籍保持者」でしょうけど、ここではそういうことではなくて、

・主に日本語を使う日本文化の担い手としての日本人
・日本民族(なんてものがあるのかな?)
・むかしから日本列島に住み続けてきた人間集団としての日本人

というような意味合いでの「日本人」のことらしいのですけど、
定義すらとても難しい。

柳田国男、津田左右吉、宮本常一、網野善彦

授業はこれら4人の学者の研究や思想を通じて、日本とは何かを知るってどんなこと?という話を聞きました。大きなテーマでまったく学びの入り口に立っただけで終わっちゃった感があったのですが、とても面白かったです。

そんなわけで私としてもずーっと興味のあるテーマなのですが、

「日本は万世一系の~~~」とか「ヤマト民族の大和魂」とか「日本人の伝統的思考」とかって聞くとなんだかちょっとそれホント?と違和感を感じることもあり、じゃぁ私は何者なんだろう?という問いに、科学の面から答えてくれるものとして遺伝子研究は面白いなと思うのです。


日本は太平洋という大海原の手前の列島で、6~7万年前にアフリカを出たホモサピエンスがいろいろなところで文明文化を作りながら移動してきたなかでの一種の「どんつき」なんでしょうね。ヒトが日本にたどり着いたのは3万年前ごろ。それが気候的、地理的条件により、大陸と隔絶されたり交流したりして今の日本列島に住む私たちにつながっているわけなのですが、その太古の様子がわかったら楽しいですね。

よく「島国根性」と卑下することもあるし、島国だから「日本は世界でも珍しい単一民族国家」と言ってみたりするうっかり政治家とかもいるほど、均質な人々が住んできたと思いがちです。

でも、遺伝子から見た古代の日本は、現代日本からは考えられないくらい、言葉もごちゃごちゃ、文化もごちゃごちゃ、もしかすると肌の色など見た目もいろいろな人々が、あちらこちらに分かれて住み着き、混沌としていたかもしれないのだそうです。

ワクワク。





今、柳田国男の「先祖の話」という本を読んでいます。
(授業で取り上げられていたので)
その中に出てきた話にハッとしました。

私たちは、人が死んだら極楽浄土に向かって成仏する(浄土真宗?)とか、四十九日すんだら成仏。とかいうのですが、
それでもお盆になると先祖の霊が返ってくるから迎え火送り火するんです。
成仏してたら帰ってこないはずなのに、そこに矛盾を感じないで1000年くらい過ごしている。

ほんとですね。

仏教は日本人の深く浸透していたのかと思ったけど、仏教伝来以前(おそらく)の日本人の先祖霊のとらえ方を変えることはできてないのでしょうね。

面白い。
柳田国男は風習などに残るものをつなぎ合わせて、「日本とはなにか?」「日本人はどこから来たのか?」を探ろうとしていたのですね。




【おまけ】
「日本を知るとはどういうことか」講座内容メモ

日本国民である親から生まれ、日本国籍を持ち、日本人として育ってきた者で、日本とは何かということを十分に知っているかと問われて、確信を持って知っていると答えられる者はどのくらいいるのだろうか。知っているつもりだけであったり、知っているだけのわずかな知識をすべてだと勘違いしていたりすることはないだろうか。私自身について考えても、知っているかと正面から問われて、とても「はい知っています」とは答えられない。第一、「知っているか」とはどういうことを言うのかも明確には分からない。日本とされる地域の隅々まで行ったことがあるわけではないし、日本に住んでいるすべての人を知っているわけでもない。有史以来の主な出来事に限ってもどこまで知っているのか心もとない限りである。せめて、明確な方法意識をもって、知りうる限りの資料を集め、日本を知ることに努めた優れた先人の業績を解読し、日本を知るとはどういうことなのかを考える指針を伝えたいと思う。

講座日程
2023/10/07日本を知るとはどういうことか
日本を知るとは、現在日本とされている地域とそこで生きている人々の生活や過去の出来事のすべてを知り尽くすことでない。第一そんなことは不可能だ。だとすれば、何を知ることが重要なのか。まず、その問いについて答えるとともに、何故四人を選んだかを明らかにする
2023/10/14柳田国男の民族観・日本論・稲作農耕民を中心とした民俗研究について
柳田の民族問題についての考え方、国家観を探り、日本民族の起源や民俗の特性についての見解を分析する
2023/10/21前回の続き
2023/11/04津田左右吉の歴史学
津田の日本古代史・記紀神話研究の分析、「文学に現れたる我が国民思想の研究」が明らかにしたものは何かを検討する
2023/11/11前回の続き
2023/11/18旅人宮本常一が見た日本
稀代の旅人宮本常一は何を見ようとしたのか。宮本と調査・地域とのかかわり方について考える
2023/11/25網野善彦が見ようとした「非農業民世界」の問題
網野は、制度史・体制史ではない民衆を中心とした歴史像を提示しようとしたが、その歴史像は日本を認識することに対してどういう意味を持っているのかを考える
2023/12/02再度、日本を知るということはどういうことか、を考える。
多くの日本論・日本人論・日本文化論は、実感論的・経験主義的観点にとどまり、主観的議論に陥る欠点を免れていない。四人の研究業績を踏まえて、客観的に日本を知るための方法論の構築を試みる
講師紹介
橘川 俊忠
神奈川大学名誉教授
1945年生まれ。東京大学法学部卒業。専門は日本政治思想史。著書に『近代批判の思想』(論創社)、『歴史解読の視座』『日本の民俗学者― 人と学問』(以上、共著、御茶の水書房)、『奥能登と時国家研究編2』(平凡社)、『終わりなき戦後を問う』(明石書店)、『丸山眞男「日本政治思想史研究」を読む』(日本評論社)などがある。



「落語と昔ばなしの会」

2023年10月10日 | ☆学ぶ!


2019年から「昔ばなし大学」に通っていたのですが、コロナでオンライン授業に切り替わり、その後は同級生たちと会うことができなくなりました。そこで、有志でオンライン予習復習会などをZOOMでほそぼそ続けていました。

「そろそろ実際に集まってなにかしたいね」という声が上がり、私はきっと飲み会だろうと思って、気軽に「やろうやろう!」なんて手を上げたんですが…蓋を開けてみたら、何だがすっかり立派なイベントをやる話になっていました。

聞いてないよー(笑)


7人の有志で夏前から企画準備して、一度も集まることなく、先日本番を迎えました。

7人のうち、3人は昔話の語りをやります。
1人は落語家さんとの連絡係。
1人は会場と設備(高座)係。
そして、残った2人で音響(出囃子)、チラシ、めくりなどの準備を手分けしました。
私はチラシデザインとめくり準備をやりました。


会場は松戸駅からほど近い、天廣堂という中華レストランに併設されたギャラリテンセン。

定員50名、平日昼間のイベント、果たしてお客さんは来るのかしら??
プロの落語家さんを呼ぶので、お客さん来なかったらスタッフの持ち出しが増える……

と心配してましたが、なんのなんの、8.20の予約開始から一週間も経たないうちに満席の申込み!あとはキャンセル待ちをしていただくというなんともありがたい展開。

語りを担当した3人の方の人脈だったようですね。

当日までに、落語家さんに表敬の意味もあり、独演会へ行って一緒にお酒飲んだりもしました。落語家さんとしても、「昔話の会」って言われてもはよくわからないでしょうから話せてよかった。

また、落語家さんは会場の下見にも来てくれて、一部のスタッフと打ち合わせできたようでした(私は参加しませんでしたが)

当日は、3時間前に会場入りして、席の設営、高座やめくり台のセット、照明プランなど準備しました。

その後は、開場前で道案内とかもやったり。


おしゃれな会場です


照明の準備中


お店の前に貼り出されたチラシ
うれしいな!

満員のお客様です。
コロナやインフルが流行ってルンで心配してたのですが、なんと当日キャンセルゼロ!ありがたい!



落語は「死神」をリクエストしていました。
というのも、もともと三遊亭圓朝が作ったこの「死神」という演目は、グリム童話に同じ話があるのです。「名付け親になった死神」。
今回はせっかく昔話と落語と一緒に聞ける機会になるので、この2つを聴き比べたら楽しいのでは?という話になったのでした。

落語の世界では話がかぶるなんてやらないと思うんですけど、無理を聞いていただきました。

イーゼルを使っためくり台です。
昔話の方は、お話のタイトルを書きました。


2時間のイベントはあっという間に、盛況のうちに終わりました。
撤収して軽く慰労会。

スタッフと立川キウイ師匠。
誰も真ん中の椅子に座らない変な構図。


高座に使ったテーブルでお菓子で慰労会(反省会)

その後、階下の中華レストランで夕食食べて帰りました。松戸の食材をたくさん使った高級中華コースでした。

デザート3品。
松戸のレモン使った愛玉子(オーギヨーチ)松戸のかぼちゃを使った月餅。

久しぶりにリアルイベントで沢山の人に会えて楽しかったのでした。
勉強はもう卒業してるんですけど、誰かと何かを作り上げるって楽しいですね(色々大変なことはあったんですけどね)


小田原北条氏の独自文化にワクワク!

2023年08月01日 | ☆学ぶ!
 8月が始まりました。
 昨夜久しぶりに雨が降って(しかも大変な雷雨)少し涼しくなりました。とは言っても朝の気温は27°c、蒸し蒸ししてます。

 神奈川大学の公開講座で通っていた 考古学の講義も先週で全5回が終わりました。
 縄文、弥生、古墳、律令、戦国と、
5つの時代を取り上げ、神奈川県に残るそれらの時代を代表するような考古学資料、 遺跡などの研究の最先端のお話が聞けてとても興味深かったです。講義の後、実際に遺跡を訪ねると一段と楽しめます。これからも訪ねる 楽しみが増えました。 神奈川には 神奈川 独自の傾向 もあるとわかって それも非常に興味深いものでした。

 私がよく知る九州や、学校で習ってきた近畿とはまた違う「関東」の独特の歴史に触れることができました。鎌倉幕府がここに置かれたのも意味があったのだなあと思いますし、江戸が日本の中心になってその後ずっと中心であり続けてるというのも、 そう考えてみると面白いことだと思います。



 最終回は小田原北条氏が作った小田原 文化について、小田原城の発掘調査報告を交えてのものでした。
 「御用米曲輪」という城内に残る北条氏政の館跡の発掘が進んでいるようで、そこから非常に興味深いものが色々と発見されています。庭園が切石で作られているというのがとても興味を引かれました。奈良、京都の時代から日本の庭園は自然をそのまま持ってくるということが 大原則で石は自然の石のまま配置することになっているのに、この庭園には石をきれいに切って(しかも五輪塔などの石塔の再利用) 池を作っているというのです。他に例がなく、どこから来たのか全然わからないそうです。ここにも関東の文化の独自性があるのかもしれませんね。


切り石敷きの庭園


 わずかに 類似の例が熊本城にもあるという話でした。 あ!それはあの「地図石」のことでは?最後に質問したら そうだということでした。ただ、地図石は庭園の中にあるものではないので、同じものとは言えないから小田原とのつながりはわからないという話でした まだまだこれから研究が楽しみですね。


熊本城の「地図石」


〔神奈川新聞の記事〕
戦国時代の池跡確認 石材をリサイクル 御用米曲輪発掘調査/小田原

小田原市「史跡小田原城跡 御用米曲輪」

資産運用セミナーに行ってみた

2023年07月06日 | ☆学ぶ!



気がつけばわたしも現役引退まで10年を切ってしまう年になりました。
老後の資金について考えないではいられません。

数年前に「老後2000万円問題」って言うのありましたよね。

それ以前から、お金のことは考えていました。貯金しても金利はつかないし・・・お金のことって学校でも教わらないし、なかなか人にも相談しにくい。(きょうだいに証券会社勤めがいるんですけど、そんな話一度もしたことないし)

最近は政府も資産運用を推進する構えだし、まわりに情報も増えてきたと思いますが、はたしてどれが良い情報なんだろう?
分からないことがいっぱいです。

そんななか、今通っている大学市民公開講座に、資産運用セミナーが登場しました。無料なのが気になるけど、大学の講座だからそれなりに公平な立場の話がきけるのではないだろうか?

さっそく申し込んで出かけてきました。
題して「初めての資産運用講座」。
投資初心者対象らしい。
初心者ってわけでもないけど、今まで一度もこういう勉強したことないから。


たっぷり2時間。
資産運用ってなに?というところから、株式投資のイロハ~債権の仕組みなどの講義でした。
けっこう手ごたえありました。
決して初心者向けではない。
周りを見回しても、投資経験豊富そうな人たちが出席している印象。

夜の開講だったし、若い世代をターゲットにしていると思われ、私なんかが行ってもいいのかな?と思ったのですが、むしろ高齢者の参加が多かった。いつもながら高齢者の向上心はすごいなと思います。

これまで本やネットで独学してましたが、こうやって先生の話を系統立てて聞くことができて良かったです。どんな分野でも、独学だと知識が偏る罠があるので、こういう「概論」をそれなりの立場の人から聞けるのはよいことです。初心者がまずおさえないといけない基本ポイントが何なのかよくわかりました。
PER、PBR、ROE、ROIなど、いつ見ても混乱する株価指標などの説明もありました。ムズカシイ!
他にもたくさん自分の知識にすっぽり抜けてる部分を補うことができました。


この話をせめて20年前に聞きたかったです。
いまは学校教育の中でも金融教育が始まるらしいですね。
うらやましい。

思い返せば、これまでにも機会もあったのです。
銀行主催のセミナーとか。
でも、ずっと避けてきました。そういうのは資産がうなってるお金持ちの世界の話だろうと。私なんかがいったらカモにされそうだな(笑)とか。

今からでも遅くはないでしょう。
老後人並みに暮らせるようにちゃんと勉強したいと思いました。

現代日本のナショナリズム 講座

2023年05月21日 | ☆学ぶ!
1年ほど前から受講している神奈川大学の公開講座 新しいシリーズが始まったので 行ってきました 今回は2ヶ月で6回の講座を受講します。





これまで12シーズンにわたって日本のナショナリズム 愛国心などについて 講義が行われてきたそうです。私が受講したのはポツダム宣言の頃から 三島由紀夫 まで 戦中戦後のナショナリズムについての各論ですが、これからはもう一度ナショナリズムについて 俯瞰してみようということのようです。

現代日本ナショナリズムの理論的再検討
〜グローバル化と自国第一主義の蔓延する世界において考える

第1回目の 今日は以下のようなテーマが発表されていましたが 例によって 冒頭はちょっと違う話から始まりました。

歴史観とナショナリズム
文明史観・唯物史観・皇国史観など「歴史観」とナショナリズムとの関係を整理する

ウクライナ 戦争の話です。
1945年8月15日生まれの先生は、バリバリの左翼 反戦主義者とおっしゃっています。
プーチンかウクライナへ侵攻したことが非常に ショックだったと話していました。 政治史の専門家として認識が甘かったと言わざるを得ないと。

プーチンは2022年の2月からウクライナに軍事行動していることを 「戦争」とは言っていませんでした。 それがこの5月になってようやく これが戦争状態であるということを認める発言をし始めたそうです。

これは日中戦争時の日本の理屈と非常に 似ている という話でした。 つまり 日中戦争が起こった 1936年当時日本はこれを 戦争とは言わず 日支事変とか 日華事変 という表現をしていました。 あくまでも 「暴支膺懲」(初めて聞きましたこの言葉)、警察的行動だと言うわけです。
80年以上経って この論理がまだ使われていることに考えさせられます。

スティーブンピンカー という人が
2011年に発表した「暴力の人類史」という 本には、人類の誕生以来 人々が殺人や暴力行為でどのくらい 死んでいったかということを 統計的にまとめられています。私も一昨年あたりに読んだのですが非常に面白い本でした。 この研究によれば 第1次大戦 第2次大戦でおびただしい人が亡くなったとされているものの、 実は人類の太古の歴史から見ると、残虐な行為によって死ぬということがどんどんどんどん減ってきているという結果がわかったそうなんです。

ピンカーの考察によると その理由として考えられるのは特に国家による法の整備が挙げられるということでした。 つまり国家による法の整備がなされる前は、殺し合いが日常的にあり 、諍い、戦争、殺人や処刑で死ぬ人が相対的に多かったということなのだそうです。
中世では処刑は町の広場で行われ(魔女狩りなど) 人々は処刑を見世物的に楽しんでいたとも言われます。
今ではちょっと考えられない感覚です。

また国家による法の整備と同時に 啓蒙思想により 人道主義が人々の間に芽生えたということも大きな変化ではないかとか。

しかし先生はこのピンカーの説も全面的に肯定はしていませんでした。 やはり ピンカーは歴史学者ではなく 心理学者であり、 統計的に これまでのものを処理しただけで 今後もそうなるかどうか、そのことが本当に歴史の真実であるかということは また別の話だと考えているようです。

歴史学にも歴史があり 1970年頃は歴史を学ぶには経済を学ばなければならないという風潮があり 経済から見る歴史ということがとても流行っていたんだそうです。 そして今は歴史に統計学を持ち込むのが流行っているのだそうです。



それから最近は 地政学がかなりクローズアップされています。テレビや雑誌 インターネット上でも時勢柄、地政学を云々する人たちが とても増えていますが、それについても先生は批判的でした。
地政学 すなわち 地理学と政治学を融合したものは 本来 軍事作戦上、どの地点を抑えれば有利になるかなどを考える手法であり、先生に言わせれば 「エセ学問」なのだそうです。

第二次世界大戦時 ヒトラーのナチス や 日本 でも 「生存圏」という言葉が登場しました。 今でも シーレーン などという言い方で、どこそこが 日本の生命線だなどと言います。地政学をいくら考えても 「なぜ戦争が起こるか」という理由はわからない、生存圏を設定してしまうそのものの見方が戦争を引き起こすのだというのが先生の主張です。


地政学は第二次世界大戦後 急激に学問の世界から消えていったんだそうです。なのに、なぜ今なぜそんな古いものを持ち出しているのだ??と。


さて この話もなかなか面白かったのですが ナショナリズムの話がまだ出てきませんね。

先生は続けます。 ピンカーによれば 1945年から ピンカーのその本が出た 2011年まで 長い平和の時代が続いている。 大国間の戦争はなく、 核兵器は使われず、 先進国がどこかの国に攻め入って領土を拡張したことは一度もなく、国際的に認定された国が消滅することもなく何十年も続いてきたと。

プーチンがウクライナに侵攻するまでは。


話を 2011年時点に戻して、 なぜこの長い平和が続いてきたかということも考察があります。

一番強い理由は 人々のメンタリティーの変化とのことです。 例えば 第二次世界大戦までは 狙撃兵が何人射殺したか、その数が多ければ多いほど英雄視され、自分も誇りに感じていたそうですが第二次世界対戦後は人を殺した兵士達は心に傷を負うという考え方が常識になってきます。また「戦争で人が死ぬことはコストだ」という考え方も浸透してきました。そのコスト意識があるために プーチンは総動員をかけずに 刑務所で服役している人々に声をかけて戦場に送り出しているわけです。 その段階で 人の命の 選別をしているということに問題が大有りですが。

反戦意識の盛り上がりも理由の一つです。
さらに経済的にグローバル化が進み 各国が相互依存する関係にあるというのも 大きな理由です。

だから先生もまさか プーチンが本当にウクライナ侵攻するだろう とは 直前まで思っていなかったというのです。歴史学者として自分の味方が甘かったと大いに反省をしているという話でした。

ピンカーは核抑止という理由も提示していたようですが、 先生はそれには懐疑的でした。


こんな感じで1回目の講義が終わりました。ナショナリズムの話は 次回からということになりそうです。

前回までの講義は ポツダム宣言、近衛文麿、南原繁、野坂参三、清水幾太郎、江藤淳、三島由紀夫などの文章を吟味する内容で結構難しかったのですが、 これからは 俯瞰する内容になるようなのでもうちょっとつかみやすくなるかな? 楽しみです。





社会人大学で勉強♪

2022年09月16日 | ☆学ぶ!
2021年春、みなとみらいに神奈川大学の新しいキャンパスができました。





いつも利用する駅などに「エクステンション講座」という社会人向けの生涯学習講座の案内が置いてあって、パラパラめくってみると、面白そう!
去年も一度申し込んだのですが、コロナで中止になってしまい。
今年またリベンジです。

単発の講座もありますし、ずーっと続いている講義もあるようです。

受講しやすい開講日とか、オンラインで受講できるかとか、受講料とか、いろいろ条件を考えて、政治思想の講座を1つと、横浜の歴史の講座を1つ、それに横浜の街づくりの講座を1つ受講することにしました。

●神奈川大学大学院歴史民俗資料学研究科主催講座
 -日本ナショナリズムの解剖学11 日本ナショナリズムの現在
 -日本ナショナリズムの解剖学12 現代世界の中の日本ナショナリズム
●横浜を歩く(Ⅱ)
●「都市デザイン」って何!?-新旧関内編-



生涯学習講座だからか、私の選ぶ講義の傾向なのか、受講者は高齢者が圧倒的です。皆さんの向学心は素晴らしいですね。わたしもこの歳になってようやくこういうのに参加してみようと思ったくらいなので、若いうちは目に留まらないものなのかもしれません。(それに平日の昼間開講だったら参加できないし)


先日、「横浜を歩く」という横浜の歴史を学ぶ講座のフィールドワーク(街歩き)に参加しました。根岸森林公園の馬の博物館と一等観覧席の遺構を見学し、最後は中華義荘(地蔵王廟)を見て回りました。

参加者30人くらい。
平均年齢70歳くらいかな?もっと上かも。
コロナなので、野外でもみんなマスク。おしゃべりも非推奨なので、みんなで黙々と1時間半歩いて見学。

私にとっては普段散歩している場所でしたが、でもやっぱりこういうグループに参加して歩くのは別の発見もあり、楽しいものでした。













今後も『横浜を歩く』『「都市デザイン」って何!?-新旧関内編- 』
という講座で、それぞれ1回ずつ街歩きのフィールドワークがあります。
季節もいいから楽しみ。

政治思想の方の講義(『現代世界の中の日本ナショナリズム』) は、勉強したことのない分野で難しいのですが、大人として知っておかないとなぁと思う分野なので、ぼちぼち勉強していこうと思います。

この神大のエクステンション講座に出席すると、その日は図書館が使えるというのもポイント高いのです。
みなとみらいキャンパスの図書館はそれほど大きくはないのですが、新しくてピカピカで、本も新規購入されたものが多くて気持ちよく使えます。9/20までは夏休みらしく、利用者が少ないのもありがたかった。通常授業になったら混むのかしら?




昔ばなし大学の勉強もここにこもってしてみたりしました。


40代までは、勉強というと語学が一番にきましたが、
だんだんと興味の先が変わっていきますね。


世界のチャイナタウン研究 山下清海先生

2022年03月08日 | ☆学ぶ!


いつだったか本屋さんへ行ったら、こんな風に「横浜中華街」という本が平積みになっていました。「世界に誇るチャイナタウンの地理・歴史」とあっては、読まないわけにはいかないでしょうと、買ってきました。
横浜中華街の近所に住まう身としても、
一瞬とはいえ、地理学徒だった身としても。

面白すぎて一気読みしました。

この著者、何者????
と思って調べたら、人文地理の先生でした。
山下清海先生。
教育大、筑波大、秋田大、東洋大、筑波大ときて今は立正大学にいらっしゃるらしいです。そして、この春退官されるそうで、最終講義の案内がHPに載っていました。

この本おすすめ!!2021年12月に出たばかり。
(グルメ情報はないけど)

中国台湾香港関係が専門のジャーナリスト野嶋剛 さんの書評



全くの部外者ではあるのですが、お願いして最終講義を聴講させてもらいました。幸いオンラインで聴講可能でした。
(平日昼間だったので仕事を休んで参加しました)



私が横浜中華街に興味を持ち始めたのが、ここへ引っ越してきた2年前からなので、まったく不勉強だったのですが、山下先生は修士の院生だったころからチャイナタウンをフィールドに地理研究をされてきた方でした。

横浜中華街はもちろん、いまホットな「池袋チャイナタウン」(このなまえは山下先生が命名したのだそうです)や世界中のチャイナタウンをフィールドワークされていて、論文だけでなく、読みやすい著作もたくさんおありなのだそう。


というわけで、図書館でいろいろ借りてきて読んでいます。

チャイナタウンといえば、私が行ったことのある外国にはほとんどチャイナタウンがありました。サンフランシスコも行ったし、ロンドンも。ローマで入った土産物屋さんが華人だったので中国語で話をしたのも懐かしい思い出。

東南アジアはシンガポール、クアラルンプール、ペナンはチャイナタウンというか、華人人口が多い町だったし。
タイやベトナムでは、チャイナタウンの印象は薄いけど、中華な店があるのは当たり前だと思っていた気がします。
チャイナタウンという街を形成していなくても、グアムやサイパン、フィリピン、でも華人の経営する店には普通に行ったしね。

そう、アフリカのアンゴラに住んでいた知人が「日本食の店はないけど中華の店はあって、親切にしてもらってる」と言っていたのも思い出します。

華人のパワーはすごいな~。
なんて思っていたのですが、その土地その土地で華人の流入には時期の違いや出身地域の違いがあることを知りました。


日本の中華街は広東系が多い(横浜中華街は老舗は広東料理ばかり)。
アメリカも。イギリスも。
東南アジアは、福建と広東と海南。
でもフランスは仏領インドシナ出身の華人が多くてベトナム風の中国料理。
オランダはインドネシア出身の華人が多くてインドネシア風とか。
韓国は山東地方の人が多かった。そして韓国の中華料理と言えば「ジャージャー麺」。

よく考えてみたら、いろいろ違うんだなぁ。
そして全世界的に新しいチャイナタウンは、中国の改革開放以後の人々で形成されて、出身地もまた変わってきているのだそう。

旅行や生活の中で触れてきたことなので、興味深く読みました。
もうすこし深追いしてみようと思います。


   





今を生きるための「お経」講座

2022年01月31日 | ☆学ぶ!
隣町珈琲さん主催イベントに久しぶりに出かけてきました。コロナ禍になって自分自身も色々自粛してたけど、釈徹宗先生の講座が始まると聞いては、出かけないわけには行かないと思って。

とは言うものの、テーマは「お経」かぁ。(前回は数年前の「宗教学入門講座」)
面白いのかしら??信仰寄りの話かなぁ…それだと私の興味とは、ずれてるかなぁ…などと多少の不安はあったのですが、杞憂でした。
「お経」の成立の歴史的な話や、仏教とは何かとか基本的な話もたっぷりで、とっても面白く聞くことができました。

今の私にピッタリでした。




現在相愛大学の副学長もなさってる釈先生、講座の前には相愛大学出身の音楽家さんによるミニコンサートもありました。

オーボエとピアノ。
オーボエの音がとっても好きなので得した気分でした。





今回は第一回ということで「ダンマパダ」でしたが、ダンマパダを読む時間より「お経とはなにか?」の話が多めでした。



広くなった隣町珈琲。
グランドピアノもおいてあり、店主の平川センセイの個人蔵書(面白そうな本がいっぱい)もずらり。駅からも近くなったし(最寄り駅は中延、荏原中延)コーヒー飲みに行って本をパラパラするのも良さそう。

移転に際しては私も微々たる額ですが喜捨したんです。(喜んで捨てる?)私の名前も掲示されてマシタ。



隣町珈琲のある中延商店街。
アーケードになっています。
今どんどん商店街から姿を消している家具屋さん、荒物屋さん、文具屋さん、布団屋さん、家電屋さんなんかも頑張ってて応援したくなる感じ。


生活雑貨が何でも揃うあらもの(金物)やさん。包丁も研いでくれるらしい。

仕出し屋さん。渋い。

工房がついてる家具屋さん。
家具の修理も頼めるし、まな板も削ってもらえるんだそうです。近所にほしいお店ですね。



次回(涅槃経)も予約しました。


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