夏目漱石が文部省派遣の英文学者第一号の留学生としてイギリスに渡ったというのは有名な話ですよね。当時、漱石は英文学いや文学と言うものを究めんと神経をすり減らしながら勉強していたんですよね。
で、その後の彼の思想や創作にただならぬ影響を残したと言える英国留学についてのゆかりの品々を集めた記念館がロンドンにあるのです。(にわか)漱石マニアとしては、是非行ってこなくては!
私設の記念館のためか、開館日時が細かく決まっていて、水土日のオープンです。
公式ホームページ
★閉館し、2019年場所を変えて再オープンしました。
(現在の場所はロンドンではなくサリー州だそうです)
(↓この情報はわたしの訪問時のものです↓)
所在地 :80b, The Chase, London SW4 0NG, United Kingdom
開館時間:2月~9月のオープン
水、土曜日(11時~13時 14時~17時)
日曜日(14時~17時)
最終入場は午後4時半
地下鉄の場合は、ノーザンラインの「クラパムコモン」駅が最寄です。
そこから徒歩10分くらいでしょうか?
バスなら、北側の「The Chase」というバス停が近いので、こちらもおすすめです。
ヴォクソールやチャリングクロスを通る77番や87番のバスが通ります。
クラパムコモンは公園です。
漱石はここで自転車の練習をしたのではなかったかな?
建物外観、ここの向かって左から2番目の家です。
お向かいが漱石の下宿です。
ロンドンで漱石が一番長く住んだこの下宿の壁には、著名人の住まいのあとを示す青いプレート(ブループラーク)があります。
日本人ではただ一人なのだそうです。
漱石先生も歩いたはずの道。
早速に中に入ります。
玄関にはほんの小さな名前が出ているだけなので注意が必要です。
玄関には幾つかブザーがありますが、記念館用のブザーを押します。応答があって鍵を開けてくれますので、2階へ。
漱石時代のクラパムコモン駅付近の写真、今とあまり変わりません。
漱石の英国滞在日記や手紙をもとに描かれた絵の展示がありました。
この絵がとても素晴らしかったので、この絵が使われた絵葉書を何枚か買って帰りました。
漱石の名前がある、イギリスの国勢調査!!これはじめて見ました。
漱石がイギリスにいたという公的な記録はこれだけなのだそうです。
漱石ゆかりのロンドン古地図。
下宿の位置やよく通った場所などが記入されています。
漱石時代の地図ですが、ほとんどいまとかわりませんでした。
漱石先生も「十二夜」をご覧になってました!
同時代のストランドマガジンがたくさん蔵書されてました。
一冊とってぱらぱらとめくると、果たして「バスカヴィル家の犬」の連載が!
この記念館の館長さんの恒松氏は熊本の崇城大学の先生をしておられるそうで、私が行ったときは熊本にいらっしゃるとのことでご不在でした。
奥様がご案内くださって、いろいろな質問にも丁寧に答えてくださいました。
漱石がここに住んでいたころにに聞いた「クラパムジャンクション」の信号の音。
よく本を買いに行っていた街のこと。
漱石時代このあたりがどんな風だったか。
地下鉄のこと。
どんなルートで市中へ出かけていたのか・・などなど。
そして、だんだん話は夏目漱石のことから離れて、ロンドンという町の話になり、旅行の話になりして、あっという間に時間がたってしまいました。
とても楽しいおしゃべりでした。
ありがとうございました。
ロンドンに行く日本人なら是非訪れていただきたい場所です。
留学生ならばなおさら。
ゲストノートには留学生の書き込みが多く見られました。
みな大なり小なり、異国での生活の孤独、学業の成果へのプレッシャーなど漱石先生に共感するものがあるようで、偉大な文豪もここロンドンでそのことに悩んだんだと言うことが慰めにも励みにもなっているようでした。
なるほど。
絵葉書
クラパムコモンから歩くとこの通りに入ります。
静かな住宅地です。