youtubeで仏教講座をずっと拝見している佐々木閑先生がお話しされるらしい。鎌倉円覚寺の「夏期講座」。
第86回ということは‥‥。昭和10年から開催されているのだそうです。
6/4(土)の会をオンラインで受講しました。
横田南嶺管長のお話はもちろんですが、法政大学総長だった田中優子先生の江戸文化と仏教のお話は初めて聞くことばかりでとても面白かったです。
佐々木先生のお話は「仏教がなんのためにあるのか」というようなテーマで、だんだん私もそういうことが実感できる年齢に近づいてきていると思いながら聞きました。
翌日曜日。
夫と何となく「鎌倉にでも行く?」という話になり、朝ごはんとコーヒーをもって8時前に家を出ました。
北鎌倉駅で降りて、8時から開門している「円覚寺」へむかいます。
夫が「南嶺さんは今の時間何をしてらっしゃるんだろうね?」
なんていいます。「何の時間なんだろうねぇ」なんて返して、はっと思い出しました。
「今日も夏期講座やってるんじゃん!いま南嶺老師のお話始まるところだよ!」
とはいっても、アクセス権を持っていないので参加することはできませんけどね。のんびり境内を歩きましょう。
緑がどんどん濃くなっています。
拝観料500円を払って、中に入るとすぐに、こんな祭壇が。
何だろうとおもって近づくと、
猫の写真。
円覚寺の愛猫「しぃちゃん」が先月20日に亡くなったそうです。
いつもインスタグラムなどで見ていましたが、ここで見かけたことはありませんでした。14歳だったそうです。
位牌もあり、こころづくしのお祭りがされてました。キャットフードが備えてありました。
しぃちゃんは(私も知ってるくらいですから)人気者だったみたいで、隣にいた女性が「亡くなったんですねぇ、知らなかったけどなんだか導かれるようここに来ちゃいました。不思議です」なんておっしゃってました。
あとで円覚寺のサイトを見たら、管長自らしいちゃんのお葬式を執り行ってる様子が載っていました。
アジサイはこれから見ごろでしょうか。
夏期講座は方丈で開催中。
いつもなら自由に方丈見学できますが、今日は入れません。
入り口で案内していたお坊さんに
「きのうはオンラインで受講しました」なんて話をしました。
コロナの前は何百人と聴講者があったそうです。(その前は何千人と詰めかけてぎゅぎゅう詰めだったそうです)
「庭の方に回るとすこしお声が聞こえますよ」
などと言われたので、あとで回りましょう。
ここが大方丈の庭。
庭の端に立っていると少しお声が聞こえてきます。
が、内容までくっきりとではありません。
「南嶺老師のお声だなぁ」と思う程度。
夫も老師のファンになってるのか私より熱心に耳を澄ませていました。
雰囲気を味わえたことで満足ですね。
境内散策を続けます。
清浄な空気、濃い緑、鳥の声に心が洗われます。
去年明月院へ行ったときにおぼえた名前
「イワタバコ」
たくさん咲いていました。
ほかのところであまり見たことがないのですけど、あちこちになるのかな?
こちらは「ユキノシタ」。
これも崖にしがみつくようにたくさん咲いていました。
円覚寺を開いた北条時宗廟「仏日庵」
売店で「しぃちゃんファイル」と南嶺老師のお言葉の冊子(なんと99円)を買いました。夫は南嶺老師揮毫の竹しおりを買ってました。
蓮のツボミみたいに見えるのは、SNSをフォローして投稿することでもらった粗品です。円覚寺さんはネットに力を入れていらっしゃる印象です。
円覚寺を出るころには、入場者が列をなすように増えてました。
やっぱり人気のお寺ですね。
もう一か所くらいどこかに寄ろうか?
でもだんだん暑くなってたので、近いところで、「東慶寺」へいってみましょう。
「駆け込み寺」として有名ですが「花の寺」ともいうのだそうです。
何が咲いているかな?
むこうに階段がありその上に山門。
あそこから中に入れは「縁切り」が認められたのでしょうか。
追手が来ても、かんざし1本、草履片方でも投げ入れれば認められたとか。
東慶寺は大きなお寺ではないので、境内も狭く、少しの人でもいっぱいになった感じになります。
去年来た時に「一眼レフカメラでの撮影は禁止」と注意書きがありました。
今年は「写真撮影だけ、散策だけが目的の入山はお断りします」と書かれていました。「ここは信仰の場です。まずは本堂にお参りしてください」とも。
おそらくマナーの悪い人たちがいるのでしょう。
私たちがいる間も、大きなカメラを持ったオジサマが植込みの奥まで入って花の写真を撮っていてお寺の人に注意を受けていました。
1年前に来た時もそんな風景をみたことを思い出しました。
私たちも、まぁ「散策」です。
信仰の場をお邪魔しないように、まずは本堂へお参りしました。拝観料程度のお賽銭も。
そして蔵のような松ヶ岡宝蔵へも行き、聖観音立像を拝みます。
境内には梅の木がたくさんあり、ボランティアの人たちでしょうか、竹の棒で苦心しながら梅の実取りしていました。
奥は墓地になっているようです。
相当な古さもあり、苔むす石や大木たちの作り出す空間はよく知る墓地とは全然違う落ち着きを感じるところでした。
あるお墓に、横浜でおなじみの「ガス灯」がありました。
ちょっと妙な取り合わせ。
気になって足を止めると下の方に「勝烈庵」のプレートが。
勝烈庵の先代か先々代の社長さんは、横浜の古いものを保存することに尽力された方で、お店の前にもガス灯がありますが、よくよく調べてみるとその方々のお墓のようでした。(他所様のお墓にズカズカ入れないようなこんな時、スマホカメラのズーム機能は便利ですね)
全然知りませんでしたが、東慶寺は著名人のお墓もたくさんあるところなのですね。
円覚寺、建長寺の管長だった釈宗演がこの東慶寺の住持になった関係で、慕う人たちがたくさんここにお墓をつくったらしいです。
(その場でネット検索して調べました。)
和辻哲郎たか西田幾多郎とか、野上弥生子夫妻、小林秀雄とか。
「洞窟の頼朝」の前田青邨の筆塚。
東慶寺をひらいた「用堂女王」の墓(やぐら)の隣にあったのが釈宗演の墓。
(用堂女王は後醍醐天皇の娘)
ここは歴代の円覚寺管長さんはじめ、お坊さん、尼さんたちのお墓もあるようで、この一帯はお寺が管理しているのか、同じ野の花(紫苑?)が手向けられていました。
いつまでも入たいと思うような墓地でしたが、お昼前には帰りましょうということで、鎌倉を後にしました。
大河ドラマで興味も新たに出てきたのですが、ほかの人も同じように考えるので(笑)中心部の方はすごい人でしょうね。朝早めの行動でまた鎌倉散策したいと思います。