「日本アカデミー賞」ノミネート作からもう2本。
「最高の人生の見つけ方」 2019年
ずいぶん前のハリウッド映画のリメイク。
吉永小百合と天海祐希の女性バーションになっています。
作品自体はまぁまぁ軽く楽しめる感じでした。が、せっかくの題材が十分料理しきれていないような感覚でした。前に記事にした、
私とどうも合わない整体師の先生が絶賛していましたが、やはり感性が私とはずれてるかな(苦笑)
エジプトには何のために行ったんだっけ?結婚披露宴のシーンは、キャストスタッフが内輪で楽しんでいるようにしか見えなくてちょっと興ざめ。ムロツヨシははまっていたけど、なぜあんなに忠誠心があるのかよくわからなかった。
そして最大のダメ出しはやっぱりタイトル。
あのタイトルを付けた段階で、「その映画を見ている時だけ、その時間だけまぁ楽しめる作品」の域を出る気概を捨ててると思います。
「最高の人生の見つけ方」というタイトルは、ジャックニコルソンとモーガンフリーマンが出ていた2007年のアメリカ映画の邦題です。原題は「The Bucket List」~バケツリスト~(死ぬまでにやりたいことのリスト)でした。センスのかけらもない邦題ですが、この作品が当たったので、
その後似たような邦題がいくつも誕生してへきえき。これは新しい映画なのに、このつまらない邦題みたいなタイトルを付けるなんて!神経疑う。
「アルキメデスの大戦」 2019年
菅田将暉主演。漫画が原作の戦艦大和建造費秘話(フィクションです)
小品としてみるなら面白いテーマだと思うのですが、戦艦大和のCGとか海軍将校たちの豪華おじさん出演陣など、「小品」とは言えない構造になってしまったんでしょうね。私の抱いてる小品的印象と大げさな劇中音楽がかみ合わなくて居心地の悪い鑑賞体験となりました。
あえて、大物俳優を起用しないで、戦艦大和のCGもなしで、くせの強い俳優さんたちを並べて低予算で作ったら、もっと面白かったんじゃないかなと思いました。主演は同じでいいです。(好きなので^^)
菅田将暉は、どんな役でも菅田将暉ですね。これはスターの印(以前はスターというより器用な役者さんでは?と思っていましたけど、何を見てもいつも同じにみえる)
それに対して柄本佑は役柄でどんどん変わって、いいですね。この二人を並べたのはよかったと思います。鶴瓶の扱いはちょっと浅かったな。もったいない。
それと紅一点のヒロインに魅力が…もっと誰かいなかったのか…
「タクシー運転手」 2017年韓国
1980年の韓国光州事件を扱った、隣の国の社会派映画。
2回目。(前は飛行機の中で見た)
もう40年もたつから、それなりに客観視できるってことで、「新聞記者」とは比べられないけど、相当エンターテインメントとして完成されている。
同じ俳優(ソンガンホ)主演の韓国映画「パラサイト」が今年のアメリカアカデミー賞をとったと聞いたけど、韓国映画のレベルの高さはすごい。
光州事件で市民に発砲した軍人たちもまだ生きてるだろうけど、この映画が韓国の4人に1人が見たような(動員数1200万人)大ヒットを記録しているとき、その人たちはどんな思いだったのだろうかなどと思った。
前に見た時には気が付かなかったけれど、光州が舞台なので、かなり方言がきこえた。年寄りも若い人も使ってたから全羅南道のお国言葉なんだろう。いわゆる標準韓国語とは違う響き。語尾に「~ライ」というのがついたりしてた。韓国語では方言のことを「サトゥリ」といって、やっぱり話題になる。この映画でもソウルから来たタクシー運転手が「方言もないしおかしい」と怪しまれる場面がある。もっと言葉がわかればもっと楽しかっただろうなぁ。
「怪しい彼女」 2014年韓国
これも以前飛行機の中で見た映画。「新聞記者」で主演の記者を演じたシムウンギョンが出ていたっけな~と思って、見返してみた。
全く別人のような演技。彼女は子役から活動していたそうだけど、すごい演技力デス。
70歳のおばあさんがあることがきっかけで50歳若返り、中身はおばあさんのまま、謎のお嬢さんになって大活躍するというコメディ。
いま日本にこんな口うるさいおばあさんいないよね。韓国では健在なのかな?
面白かった。
この休みに韓国映画を2本、日本映画を3本見たけど、圧倒的に韓国映画のほうが面白かった。(作品賞ノミネート作ばかりだったのに…)日本映画がんばれ。