またまたずいぶん間が空いてしまいました。
本国では、シャーロック3のDVDも発売になって、動画配信もあったりで日本の方でもずいぶん多くのファンがご覧になったことでしょうね。私は日本のamazonで輸入版が発売になるまで待つつもりです。
それまではあらゆる情報をシャットアウトして待機です。
では「バスカヴィル」に戻って、シャーロックの高速推理シーンの続きで~す。
<凡例>
赤文字:英語がよくわからない、解釈できない部分。
青文字:(私のとっての)新出単語
紫文字:感想、原作(正典)との比較など。
灰色文字:ト書き
日本語として滑らかにすることよりも、なるべく直訳して英語のまま理解したいと考えています。
SH:There is nothing wrong with me! Do you understand? You want me to prove it, yes? We’re looking for a dog, yes? A great big dog. That’s your brilliant theory. Cherchez le chien! Good. Excellent. Yes. Where shall we start? How about them? The sentimental widow and her son, the unemployed fisherman? The answer’s yes.
僕のどこも悪くない!分かったか?証明してほしいか?そうだな?我々は犬を探している、だな?ものすごく大きな犬だ。それが君の素晴らしいご意見だ。犬が鍵を握っている!そうだ。すばらしい。そうだ。どこから始めようか?彼らはどうだ?センチな未亡人とその息子、失業中の漁師か?答えはイエスだ。
Cherchez le chien:犬を探せ。フランス語ですね。調べてみると"Cherchez La Femme" という言葉に行き当たりました。意味は、Seek the Woman 女を捜せ。鍵を握るのは女だ。かな?chienは 犬 ですね。
JW:Yes?
イエスだって?
SH:She’s got a West Highland terrier called whisky. Not exactly what we’re looking for.
彼女はウエストハイランドテリヤを飼っている。ウィスキーという名前の。僕らの探している犬というわけではないな。
Not exactly って部分否定的な用法ですか???
JW:Sherlock, for God’s sake.
シャーロック、いい加減にしろよ。
SH:Look at the jumper he’s wearing, hardly worn. Clearly he’s uncomfortable in it. Maybe it’s because of the material more likely the hideous pattern. Suggests it’s a present. Probably Christmas. So, he wants into his Mother’s good books. Why? Almost certainly money. He’s treating her to a meal, but his own portion is small. That means he wants to impress her, but he’s trying to economise on his own food.
あのセーターを見ろ、彼が着てるヤツだ、ほとんど新品だ。明らかに着心地が悪そうだ。(着慣れていない感じだ?)おそらく、それは素材のせいか、もっとありそうなのは、あの悪趣味な柄だな。プレゼントされたものだということを示している。おそらくクリスマスの。ということは、彼が母親に取り入ろうといているのだ。なぜか?ほとんど確実に金だ。彼は彼女にご馳走しているが、自分の分は小さい。それが意味するところは、母親に気に入られたいが、自分の分の食事は安く上げようとしている。
worn:wearの過去分詞。擦り切れた、着古した。
hideous:ひどく醜い; 見るも恐ろしい,ぞっとする.
portion:一人前(の料理)
into ~ good books:~に取り入ろうとする
JW:Well, maybe he’s just not hungry.
そうだな、多分、腹がへってないんだろ?
SH:No. Small plate. A starter. He’s practically licked it clean. She’s nearly finished her pavlova. If she’d treated him, he’d have had as much as he wanted. He’s hungry, all right. And not well off. You can tell that from the state of his cuffs and shoes.
ちがう。小さい皿。スターター(前菜)だ。彼はなめたようにきれいに平らげている。彼女の方はデザートが終わろうとしている。もし彼女のおごりなら、彼も食べたいだけ食べてただろう。彼は空腹だ、よし。暮らし向きも楽じゃない。彼の袖口の様子と靴の状態から見てわかる。
practically:事実上、…も同然.
lick:舌でなめる
pavlova:果物と生クリームで満たされたメレンゲベースかカップから成るデザート
“How do you know she’s his mother?” Who else would give him a Christmas present like that? Well, it could be an aunt or an older sister, but mother’s more likely. Now, he was a fisherman. The scaring pattern on his hands is very distinctive, fish-hooks. They’re all quite old, now, which suggests he’s been unemployed for some time. Not much industry in this part of the world, so he’s turned to his widowed mother for help.
「なぜ彼女が母親だと分かる?」
ほかにどんな人があんなクリスマスプレゼントを贈る?よし、もしかしたら伯母とか姉とかという線もあるが、でもやはり母親というのが一番ありそうだ。さて、彼は漁師だ。彼の手の傷のパターンはとても特徴的、釣り針だ。傷はすべてかなり古いものだ。そして、それが示唆するのは、彼がある程度の期間雇われていないことだ。世界の中でこの部分には、あまり産業がないからな。だから、彼は未亡人である母親に援助を求めに来たんだ。
distinctive:特色のある
“Widowed?” Yes, obviously. She’s got a man’s wedding ring on a chain around her neck, clearly her late husband’s and too big for her finger. She’s well-dressed but her jewellery’s cheap. She could afford better, but she’s kept it. Sentimental. Now, the dog. Tiny little hairs all over the leg from where it gets a little bit too friendly. But no hairs above the knee, suggesting it’s a small dog, probably a terrier. In fact, it is a West Highland terrier called Whisky.
「未亡人だって?」
そうだ、明らかなことだ。彼女は男物の結婚指輪を鎖に通して首にかけている、明らかに彼女の死んだ夫のものだし、彼女の指には大きすぎる。彼女は身なりはよいが、アクセサリーは安物だ。もっとよいものを買えるはずだが、安物を持っている。感傷だ。次に犬。細かな毛が脚じゅうにくっついているところからみて、そいつは少々人懐こすぎるようだな。しかし、膝から上には毛がついていない、とすると小さな犬だ。おそらくテリヤだ。事実、それはウエストハイランドテリヤだ、名前はウイスキー。
“How the hell do you know that, Sherlock?” Because she was on the same train as us and I heard her calling its name. And that’s not cheating, that’s listening. I use my senses, John, unlike some people. So, you see, I am fine. In fact, I’ve never been better. So just leave me alone!
「いったいどうしてそんなことが分かるんだ?シャーロック?」
なぜなら彼女は我々と同じ列車で、僕は彼女が犬の名前を呼ぶのを聞いたんだ。それはズルじゃないぞ。聞いたんだ。僕は五感を使うんだ、ジョン。他の人間とは違う。だから分かっただろ、僕は平気だ。実際に、これ以上良くなんてなったことがない。(=これ以上ないくらいに平気だ。 ってこと?)だから、ほっといてくれ!
JW:Yeah, OK. OK. Why would you listen to me? I’m just your friend.
いいよ。わかった、わかった。ちょっと話を聞いてくれよ。友達じゃないか。
SH:I don’t have friends.
僕には友達はいない。
JW:No. I wonder why?
そうだ。どうしてなんだろうな?
あちゃー!!
言ってしまいましたね。
I don’t have friends.
これは言っちゃダメでしょの台詞ですね。
つい口が滑っちゃったのかな?
ジョンのことは既に友達だと思ってたはずですが、このときは言葉として認識してなかったのかしら?で、今までの習慣どおり「友達はない」って言ってしまったのかな?
高速推理には正典ホームズの使った方法がいろいろと出てきて、楽しいですね。袖口とか、靴とかを見るのは常套ですし。