キカクブ日誌

熊本県八代市坂本町にある JR肥薩線「さかもと駅」2015年5月の写真です。

死を呼ぶ暗号で英語-16 「事件は一人で解決する」

2012年12月20日 |   └─和訳「死を呼ぶ暗号」
ここ、脚本にかな~り無理があると思ってるシーンの一つ。
スーリンの部屋に忍び込むシャーロックです。
台詞を読み解いたら、少し納得できるでしょうか?



(スーリンの部屋の前)
SH:It’s been here since Monday. No-one’s been in that flat for at least three days.
(電話帳を見ながら)それはここにずっとあった、月曜から。誰もあのフラットにいないんだ。少なくとも3日間は。

JW:Could have gone on holiday.
休暇で出かけているのかも。


SH:Do you leave your windows open when you go on holiday?

君は休暇で出かける際に窓を開けたままにしておくのか?

JW: Sherlock!
(SH不法侵入)シャーロック!

(スーリンの部屋に入るシャーロック)
SH:Whoa! Someone else has been here. Somebody else broke into the flat and knocked over the vase, just like I did.
うわっ。(と花瓶を倒す)誰か別の人間もここにきた。誰か別の人間がフラットに押し入って、花瓶をひっくり返した。ちょうど僕がやったのと同じように。

knock over:ひっくり返す、びっくり仰天させる

JW:Do you think maybe you could let me in this time? Can you not keep doing this, please?
今回は、俺を中に入れてくれてもいいんじゃないかと思わないか?こういうことをやり続けるのはよくないね。

※おそらく、皮肉を込めまくった婉曲表現なんだと思うけど、回りくどすぎてよくわからなくなってしまった・・


SH:I’m not the first.
僕が一人目じゃないんだ。


JW:What?

何?

SH:Somebody’s been in here before me.
誰かが来てるんだ。僕の前に。


JW:What are you saying?
何て言ってるんだ?

SH:Size eight feet. Small, but…athletic.
サイズ8の足。小さいが、でも..逞しい。

athletic:〈体格が〉スポーツマンらしい,筋骨たくましい.


JW:I’m wasting my breath.
呼吸を損してる=言うだけ無駄。


SH:Small, strong hands. Our acrobat. Why didn’t he close the window when he lef…? Oh, stupid, stupid! Obvious. He’s still here.
小さくて、強い手だ。我々の軽業師は。なぜ窓を閉めなかったんだろう?彼が出て行くときに...?ああ、バカだ。バカだった。当然だ。まだここにいるんだ。

acrobat:軽業師,曲芸師.


JW:Any time you want to include me…
俺を仲間に入れる気になったらいつでもいいぜ。

SH:John! John!
(襲われるシャーロック)じょん! じょーん!

JW:Oh, I’m Sherlock Holmes, and I always work alone because no-one else can compete with my massive intellect!
僕はシャーロックホームズ。そして、仕事はいつも一人で進める。なぜなら、他には誰も僕の素晴らしく大きな知性に拮抗できるものはいないからな。

compete with:拮抗する、競り合う、太刀打ちできる

(格闘の後、道に出てきて)
SH:The um, milk’s gone off and the washing’s started to smell. Somebody left here in a hurry three days ago.
あの、ミルクは悪くなってたし、洗濯物は臭いだしていた。誰かが急いでここを出て行ったんだ。3日前に。

gone off:(12) 〈食品などが〉悪くなる; 腐る.
washing:洗濯物


※洗濯物はいいとして、冷蔵庫に入れといたミルクが3日留守にしただけで腐るかな?電源入ってたら3日じゃそんな変化ないと思うけど。テーブルに出しっぱなしならわかるけど。


JW:Somebody?
誰か?

SH:Soo Lin Yao. We have to find her.
スーリンヤオ。彼女を見つけなければ。


JW:How exactly?

具体的にはどうやって?

※ここ感嘆文じゃないから「ずいぶん厳密だな!」じゃないですよね。省略多くて難しい。



SH:We could start with this.

これから始めることもできる。

※このcouldはどういうことでしょう?婉曲?仮定法?


JW:You gone all croaky. Are you getting a cold?
すっかり声がかすれてるな。風邪ひいたのか?

croaky:しわがれ声。カエルとカラスの鳴き声のように


SH: I’m fine.

大丈夫だ。



このシーン、シャーロックがスーリンの家に忍び込む根拠が希薄すぎて、痛恨。
電話帳が置かれたまま&窓が開いてる、これだけの根拠で、なぜ不法侵入を?

それと、スーリンが組織から身を隠しているのに、チャイナタウンに住んでる(しかも組織の店のすぐそば)のも、ものすごく不自然。
もちろん、他にもいろいろ不自然な点はあるけど、(なぜかジョンが銃を持ってることとか、フラットで発砲してるのに通報されないとか)それらは、ホームズ物語を現代に翻案するにあたってのやむを得ない部分で、そこはぜんぜん気にならないのですが、この「死を呼ぶ暗号」のスーリンがらみのところは気になります。

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