町田康「餓鬼道巡礼」読了
本書は平成29年に幻冬舎文庫より発刊されたものです。
先日、大量に本を購入した折り、勢いでこんなものも買ってしまいました。町田康のしょーもないエッセイは、何年も前に卒業したつもりだったんですが、、勢いというのは恐ろしいものです。
で、やっぱりどうでもよかったですね。どうでもいいので内容にはふれませんが、解説の平松洋子氏、ふざけているのか、はたまた大真面目なのか、なかなか面白い解説をしています。その語彙の豊富なこと。ちょっと引用してみましょうか。
<雑木林を背負って立つラーメンショップ、その名も「天願屋」を舞台に繰り広げられる「矛盾まみれのラーメンショップ」から「静謐なラーメン」まで7編、混沌の中に身を投じ、さんざん翻弄されたあげくの、一杯のてんがんラーメンとの邂逅。その過程で微に入り細をうがって描写し尽される「私」の心の動きは圧巻というほかなく、しかも孔雀の羽を一枚ずつ広げるかのように華麗かつ繊細きわまりなく、一語一文、呆けたように息を呑む。>
うまいもんです。この解説を読めたことで、まぁよしとしますか。