トシの読書日記

読書備忘録

語り継がれる古典の味

2010-08-20 16:23:58 | か行の作家
ここのところ、ちょっと仕事も忙しくて、読書があんまりできないっすねぇ。しかも、このブログに載せるほどでもないような本なんか読んでしまってるので、(さぬきうどんのことを書いた、脱力系のふざけた本です)なかなか更新ができません。

ま、それはさておき…


小林信彦「名人――志ん生、そして志ん朝」読了



小林信彦による、古今亭志ん生と志ん朝の評伝です。主に志ん朝の方に重点を置いて書かれています。


落語は、好きなんですが、あまり聞く機会がないというか、積極的に聞こうとしてなかったですね。何年か前、立川志の輔の高座を生で聞く機会があったのですが、それが生落語、初体験でした。めちゃくちゃ面白かったです。

著者の小林氏は、志ん朝を相当ひいきにしていたようで、(志ん朝は9年前に63歳で亡くなっています)父である志ん生の芸を見事に継承して、さらに磨きがかかっていると、もう手放しのほめようです。たまにはこんな本を読むのもいいもんです。


最後の章で、夏目漱石の「我輩は猫である」を取り上げ、この小説がいかに落語的ユーモアとウィットに富んでいるかということを見事に解説していて、これも非常に興味深く読めました。


自分の中で、落語熱が高まったところで、早速レンタル屋へ落語のDVDを借りに走ったんですが、1軒は立川談志のが5本くらいあるだけ。もう1軒は全くなしという有様で、落胆して帰ってきたという次第。


ちなみに、毎週日曜日の深夜にNHKハイビジョンで「週刊ブックレビュー」の再放送が終わったあと、「ちりとてちん」の再放送をやっていて、これが今一番のテレビの楽しみになっています。




DVDレンタルが徒労に終わり、書店に寄って以下の本を購入


夏目漱石「吾輩は猫である」