ステージおきたま

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舞台作り続けて22年
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コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

お世話になれて一人前:『おもかげチャンチキ』総括③

2007-07-18 23:29:04 | 演劇

 演劇に必要なものは、役者と舞台と、そして、観客。『おもかげチャンチキ』の公演を観客という視点から振り返れば、いやぁ、ほんといろんな人たちにお世話になった。

 僕が無理矢理押しつけたチケットを熱心に売ってくれた置農寮職員のNさん、川西町長の原田さん、プラザ元館長の竹田さん。川西町芸文協事務局のK先生は、機会あるごとにこの公演の宣伝をして下さったとのこと。置農の定期公演を見て俄然僕の芝居に興味を持って下さったのがきっかけなんだから、こんな嬉しいことはない。プラザ職員の皆さんも、精一杯応援してくれた。これまでの公演で、プラザの窓口でチケット売れたことなんてなかったのに、今回は11枚も!売れた、いやいや、売ってくれたんだから、感謝、感謝だ。

 川西町商業協同組合の皆さんにも大変お世話になった。劇中でチンドンの口上で宣伝させていただいたが、果たしてそれで十分引き合ったかどうか?僕のご近所の老人クラブの方々もわざわざ来てくれた。あっ、忘れちゃいけない。高畠高校演劇部の皆さんもありがとう。そして、強制動員の置農演劇部もね。

 そんなこんなで、観客層はじっくりと芝居を見てくれる大人たちと高校生って組み合わせになった。もちろん主体は大人たち。観客数は残念ながら200人の大台にわずか届かなかったが、客席からの熱気は十分に伝わる人数だった。劇団ぬーぼーのM先生の、いい客層だね、のことばがとっても嬉しかった。

 そして、反響。公演後3日、見てくれた人たちの感想は概ね良好。まずは、勧めてくれた人たちの顔をつぶさずによかった。そして、菜の花座の評判も着実に上がったんじゃないだろうか。

 今回、応援してくれた人たちを大切にしたい。この公演で興味を持ってくれた人たちを大切にしたい。そういった人たちの輪が徐々に大き水輪となって、菜の花座は地域の中で成長していくのだと思う。多くの人たちからお世話になれて、菜の花座もようやく一人前になった。

 

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青年幸司が笑われた!:『おもかげチャンチキ』総括その2

2007-07-16 19:00:38 | 演劇

 昨日は場転とチンドンについて課題を書いた。今度は演技と演出についての総括だ。と言っても、この記事を読む人が皆、昨日の舞台を見ているわけではないしね、あのセリフ回しがどうの、あの場面での身ごなしがこうのと言っても意味がない。なので、昨夜の衝撃的事件?大袈裟だよ、について考えて見ることにする。

 青年幸司と熟年幸司が、ともに思いもかけない場面で笑いを取ってしまったってことなのだ。それもかなりの爆笑!いや、驚いたよ!演じてる役者はもっとびっくりしたことだろう。だって、かなりシリアスなクライマックスなんだよ。相方の千晴なんかショックで打ち上げで酒も飲めないほど!本当?ウッソ!

 まず青年幸司のシーンはこうだ。家出した女子高生をやっと見つけてみたら妊娠3ヶ月。母親から厳しく問いつめられた家出娘は、日頃の母親への反感から、幸司が子どもの父親だと口走る。突如ふられたぬれぎぬに幸司があたふたするという場面。ここでまず爆笑。うん、これはある程度想定内のこと。ただ、ここまで受けるとは思わなかったけど。さらに、教え子の嘘に合わせるべきかどうか悩む幸司。ここでも笑い。チャンチキの音を幸司だけに聞こえたという演出をしたつもりだったけど、これがまったく裏目に出てしまった。

 さあ、ここで、この爆笑問題を解かなくちゃいけない。

 理由のその一、観客がこのシーンの前に笑いのロックを外してたってこと。場転でやったチンドン屋の口上が馬鹿受けだったからね、お客さん、ああ、いいんだあ、この芝居大いに笑っても、って待ちかまえてたんだと思う。人間って、笑っていいんだと感じると、ほんの些細なことでも笑いたくなるものなんだ。

 理由その二、役者が実際に置農高の先生だったってことも含めて、役者の持ち味が笑いを引き出した。置農演劇部の生徒全員集合だったから、彼らには現実の先生と役柄の幸司が見事にオーバーラップしたんだろう。それと、やっぱり彼のほのぼのとした雰囲気は大きいよ。彼自身は、いたって真面目にやってるんだけど、どこか外れていておかしいそんなキャラクターが笑いを引き出した。青年幸司については、まっ、こんなところだろな。

 次ぎに熟年幸司の笑いだ。これも、役者の人柄が大きい。だって、熟年幸司を演じたのはチンドン屋の口上で大いに湧かせた役者の二役だったからね。それに、彼も置農の先生なんだ、それも人気者の。さらに、地域でもかなりの有名人。そんな彼が、若い娘に抱かれたんだから、ついつい笑いが起きてしまったんだろうね。あと、抱かれたときの彼の首の傾け方が、いかにもぎこちなく滑稽だったこともあるな。必死で泣きの演技をしていた相方にはとんだ迷惑だったよね。

 でも、このシーンは演出としても、かなり無理があるなと感じてたことも事実。十分な言葉のやりとりが無いまま、相方の女性が感情を高ぶらせていく。ここはかなり難しいと思っていた。だから、女優には何度もダメだしをして稽古してきた。でも、幸司の方のリアクションが重要だったんだ。幸司も相手の気持ちを受け止めて感傷的になっていく演技をしなくてはならなかった。それを役者も演出も見落とした。だから、彼女が抱きついたのが唐突に見えて笑いを誘ってしまったんだろう。

 と、書いてきて、やっぱり昨日の芝居『おもかげチャンチキ』見てない人には、まるでわからないものになってしまった。ええ、そこで、結論は無理矢理一般論に戻って、

 一、笑いは役者のキャラクターによるところが大きい。

 二、地元芝居は、何気ない事でも笑いが起こるから要注意。

 三、観客の笑いのロックが外れていたら要注意。

 でも、笑った後ですぐにシリアスなセリフに食いついてきてくれたから、そんなに気にすることはないってことかもしれないな。まっ、投げ銭が飛んできたようなもんだ、有り難く笑いのおひねりを頂戴しておこうよ。

 

 

 

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御礼!公演終了

2007-07-16 00:19:27 | 演劇

 菜の花座第16回『おもかげチャンチキ』なんとかかんとか、終わりました。ご覧いただいた皆さん、応援して下さったみなさん、ありがとう!!

 改めて、大変な舞台だった。何がって?まずチンドン屋でしょ。それに場転の大がかりなこと。これまでの菜の花座の苦手分野がぎっちりだものね。

 特に場転は前日のリハーサルからしか稽古出来ないからね、ほんと、辛かった!!今までなら、一度立て込んでしまえば、後は芝居だけだったのに、なんと、芝居の中で大がかりな転換が二度もあるんだもの、昨日の舞台稽古は、ほとんどすべて場転の練習だった。芝居なら生き生きする役者たちが、もう完全にメロメロになってしまった。

 チンドンも今までを越える試みだった。できれば劇団員全員がなんか楽器ができるようになってほしかったんだけど、う~ん、得意不得意あるからなぁ。でも、チンドン屋に関しては、やって良かった。小松の人たちにも、菜の花座を認知してもらえたしね、地域とつながる最初の一歩になったと思う。これ、ほんと貴重だ。

 今回、いつになく観客も多かったし、何より、熟年層がたくさん来てくれた。これからの菜の花座の目指すべき道が、おぼろげながら見えてきたって感じだ。これからも、地域に密着しつつ、地域の地平を越える芝居を作って行かなくちゃ。そのためにも、チンドン屋菜の花商会は力になるよなあ。

 さて、いよいよ、舞台の総括だ。

 まず、場転が下手だ。たしかに大変な場転だったけど、あそこまて゛時間がかかるかい?一人一人が、舞台の全体構造を理解してないから、照明点いたら、スタッフか残ってた、なんてことになるんだ。菜の花座はほとんどが役者だから、こういうことになるんだよね。役者って、本質的に身勝手だもの、自分に関わる部分しか関心ないからね。

 つぎ、チンドンの稽古が足りない。舞台にかける以上、それなりの仕上がりにしなくっちゃ。もっとも、僕もドジってしまったので、偉そうには言えない。もっと一人一人が、楽器や音楽を楽しめることが、大切なんだよね。

 ともかく、課題がたくさん見つかった。これを一つ一つ解決して、9月の舞台には完璧な芝居を見てもらいましょうか。リベンジだよ、リベンジ!!チンドン屋もお芝居も精一杯、仕上げて行こう。

 さて、9月21日、プラザ演劇祭に参加します、同じ『おもかげチャンチキ』で。そこまで、どれだけ積み上げて行けるかなぁ。そんな成長過程をじっくりご覧いただきたいですね!!幸司も成長し、菜の花座も一皮むけたと感じた。

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来ましたよ!ボンボが!!

2007-07-12 00:42:44 | アート・文化

 心配してたんだぁ!ボンボ、本当に届くのかって!なんたってボリビアだからね、ラパスだから。 

 初めての個人輸入体験だったんだ。インターネットの海外ショップ、しかも地球の裏側だよ、本当に品物届くのか?詐欺じゃないのか?粗悪品が来るんじゃないか?途中で壊れたりしてないか?遅いよ、遅い!3週間で届くって書いてあったのに。あぁ、もし、失敗したら生徒たちにどう話そうか?いやいや、失敗談の方が話しは面白いか、でも、15000円は痛いよなぁ、なんて、もう、めったやたらと、心配したんだ。

 それが、今日届いたんだボリビアの民族打楽器ボンボが!!じゃじゃーん!

 ごめん、疑ったりして、思ってた以上にきちんとした荷造りがしてあった。そして、品物はと言えば、う~ん、ちょっとしくじったかな?やけに軽いんだよ。やっぱり実物確かめないとなぁ。なんか、音の響きも鈍いんだ。太鼓の皮がリャマだかなんかの毛付きの皮なんだ。これが音をぼわーん、ぼわーんと締まり無くしてしまってんのかな?ちょっとがっかり。

 って、感じたのは僕の認識不足だった。太鼓って張りをきつくすると音が出るってこと、とんと忘れていた。上下ロープで張ってあるんだけど、それをきつく張るための皮の締め具を見落としてた。ああだ、こうだ、いじくっていて、ようやくそれに気がついた。その締め具でロープをYの字形に締め上げると、なんとなんと、いい音するじゃないか。ちょっと重ためだけど、ずしーんと腹の底に響き渡る音!アンデスの山並みを渡る太鼓の音だよ。

 で、どうして、ボリビアくんだりから、直輸入を試みたかって言うと、話しは、スルドの失敗なんだ。詳しくは本ブログ『失敗!ネットショッピング』を見てほしい。結局、わざわざ買ったスルドはでかすぎて、チンドン屋には使えず、何としても、その代用品が必要だってことになった。なんせ、ゴロス太鼓は何処探しても手に入らないのでね。

 そこで、頑張ったよ、ネット検索。あっちこっち見て回るうちに、ボリビアのボンボって太鼓が、使えそうだって分かった。でも、日本の楽器店のサイトじゃ軒並み売り切れやら、べらぼうに高価。嘘だろ?5万円なんて!半ば諦めかけたところでたどり着いたのが、ボリビアモールって言う海外ネットショップだったってわけ。

 いやあ!安いんだよ。日本の楽器店で5万円で出ていたものが、なんと、7000円なんだから。送料を含めても13000円程度。こりゃ、買わない手はないぜ。3週間で届くなら、なんとか、本番にも間に合うだろうってことで、注文しました、バチ日本も含めて。お金送りました、15000円。で、その結果が今日、ほくほく顔に決着したっていうことなんですよ。いやぁ、良かった!!

 新しい経験も積めたし、チンドン芝居『おもかげチャンチキ』にも間に合った。さっ、後は、本番の舞台で、この太鼓のおおらかな音色を満喫していただきましょうか!

 舞台は7月15日(日)午後3時開演、川西町フレンドリープラザだから、ってまたまた宣伝しちまった。

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小学生にどう見せる?食育ミュージカル!

2007-07-09 22:22:43 | 暮らし

 置農食育ミュージカル『”いただきます”見つけた!』の、7月連続公演の初日が終了した。これから2週間の間に全部で5回の公演だ。その初回、今日は高畠町二井宿小学校が会場だった。

 ここは食農教育の先駆者伊沢良治先生が校長を務める学校。なんせ、給食で出す野菜の60%を自給してしまうという、とんでもない学校なんだ。学校で自給だよ。地域自給なんかではない。子どもたちと先生が田畑を耕して、自分たちの食べる分は自分たちで作ってしまおう、という凄い取り組みを実践中なんだ。そんな小学校だから、置農食育ミュージカルの公演を気軽に引きうけくれたってわけだ。

 部員たちの出来はまずまずだった。本当に、このキャストは安定している。どの芝居も何度やってもぴったり同じ時間で終了するからね。勘が良いというべきか、融通が利かないというべきか、反応が固いというべきか。いやいや、悪くは言うまい。演出の指示を忠実に守る役者たちってことだ。ありがとう。

 さて、今回の舞台はその几帳面さが、やや裏目に出たかなといった感じだった。お客さんいじりで、せっかく良い感じで乗ってきているのに、それを台本のままに流してしまっていた。お客いじりは、相手の反応を見て、臨機応変に対応しなくちゃならないのに、それができない。う~む、固い!

 完全に小学生相手の公演ってこれが初めて。小学生って質問したりすると素直に真面目に答えてくれるってことに思いが至らなかった。例えば、ご飯って答えさせるところ、ほとんど全員がご飯って大声で答えてくれたのに、台本にあるからって、お米って答えた人もいたよね、なんて言っちまってた。だれも、米なんて答えてないんだって。ここらのアドリブが次回の課題だね。

 それと、もっともっと質問コーナーを作るべきだった。授業と同じことだよ。相手を参加させること、答えさせること。間違いならもっといい。とんちんかんな答えを足がかりに、突っ込んでいく、これが教室を、いえいえ、会場を一体感で包み込むこつだった。忘れたよ、公演も授業も同じこと、相手を乗せることが大事なんだ。次の川西町犬川小学校の公演ではぜひ、これをやってみよう。

 そんなこんなで、も一つ子どもたちを乗せきれなかったけど、反応自体は決して悪くなかった。1時間10分もかかる長い舞台なのに、頭があちこち動く子も、下向いてる子も、居眠りしてる子もほとんどいなかった。笑うべきところでは、そこそこ笑ってくれたしね、歌になるとぐぐっと身を乗り出すのが感じられた。ほんと、素直で探求心強く、学ぶ意欲の高い、そして、忍耐力のある素晴らしい子どもたちだった。さすが、二井宿小学校ってところだ。

 さて、今日のも一つの目玉は、テレビ局が3社も来たってことだ。NHK、YBC、それと米沢のケーブルテレビだ。どの社もさわりだけ撮すなんていい加減なことをしないで、最初から最後までカメラを回していた。そんな3台のカメラに囲まれても、役者たちは動じない!びびらない!すくまない!終われば、たんたんとインタビューに応じていた。いやー、成長したもんだよ。素晴らしい。数多くこなしてきたことの成果なんだろうな。

 この自信にさらに、一回一回新しい演技を付け加えて、さらに質を高めていければ、もう、まったく言うことはないんだけど。まっ、これは演出の僕の課題ってことだろうね。現時点で決まっている公演はこれから7回。今日が6回目だから、まだ半分も消化していない。ってことは、まだまだ、良くなるぞ!もっともっと面白くしなくっちゃ!!

 

 

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