ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

日本の農産物が最高!って勘違いしないように

2022-02-26 11:41:38 | 農業

 卵は物価の優等生、よく言われてるよなぁ。ほんと、何年経っても値段上がらないもんな。いやぁ有難いよ、助かるよ、よっぽど経営努力してるんだろう、日本の養鶏凄い!なぁんて。

 そう、確かに徹底的な合理化でこの低価格は維持されて来た。とことん無駄を省くことで成功してきた。

 うむ?合理化?無駄を省く?鶏って動物、動物の飼育で合理化、何よ?どうすることよ無駄を省くって?

 家畜飼養の経済効果って、簡単に言っちまえば、食わせた餌がとれだけ肉や卵になるかってことなんだ。与えたものがすべて畜産物になれば、効率最高!だけど、工場ラインじゃないから、そんなの無理に決まってる。だって、生き物だからな、動物たちは。生きてる以上、血液流れるし、排泄するし、動き回るし、交尾はするし、・・・卵産んだり、牛乳出したり、肉を蓄えたりするばかりじゃない、当然だよな。

 で、飼育の合理化、効率化てのは、その卵産むって行為以外は無駄って見なすわけよ。交尾?いらないいらない、卵は無精卵でいいんだから。雄?役に立たないからひよこのうちに殺処分。運動?それが卵になんの関係ある?不必要に餌食いつぶすだけだろ、動けぬように狭いケージに入れろ。でも不健康で病気になるだろ?だったら、薬飲ませとけ。黄身が黄色くないと卵と卵売れんぞ。わかった、餌にカロチン色素入れちまえ、ほぉら、オレンジ色の健康卵の出来上がり!

 確かになぁ、とことん合理してきたぜ、日本の養鶏は。どうやったら工業のように効率的に生産できるかを目指してね。見事な企業努力!ってもんだ。胸張って最先端技術!ってうぬぼれてたら、おっと、世界はまったく正反対の方向に進んでたんだ。

 アニマルウェルフェア、家畜といえどもできるだけ快適な環境で育てようって流れだ。動物をとことん搾取するんじゃなくて、おすそ分けをいただくって考え方だ。ヨーロッパじゃかなりの速度でこの飼育法が広がりつつある。放し飼い、自然に即した餌の供給。当然、小規模の養鶏。

 上の写真は我が家で役立っている卵3種だ。

 右上は生協だけど草とかの緑餌をやらない飼い方(生産者の変なこだわり)、左は一般的なケージ飼い、そして、下は、友人の草も食べさせてる庭先卵だ。見た目でも歴然だし、何より味が違う。

 そりゃ手間はかかる、経費もかかる、価格も上がる。でも、人間が家畜たちも含めて自然と折り合いをつけて暮らして行くには、良いものを大切に食べて行くって暮らしぶりが必要になってくるんじゃなのかなぁ。

 日本は、いつの間にか、暮らしぶりでも最貧国になっちまってるってことだよ。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『スパイの妻』戦時下の抵抗... | トップ | ここは力示さないと!戦争は... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

農業」カテゴリの最新記事