ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

お遍路グッズ、着々

2015-07-06 15:21:37 | 演劇

 菜の花座にシニアメンバーが加わっていいばかりだが、中でも目に見えて改善されているのは、衣装や小道具の手作りだ。以前だったら、あり合わせのもので済ませるとか、ネットで安物買うとか、古着屋覗くとか、自分らで作ろうって意識はまるでなかった。技術もなけりゃ時間もない。仕方ないって言えば仕方ない。でも、衣装って本当は演出の要求に合わせて手作りするものだと思うんだ。置農演劇部だって、本当に下手くそながら、精一杯ミシン動かしていたし、衣装さんはそのことに誇りを持っていた。しかし、菜の花座は・・・・

 その点、シニアはやっぱり年の功、なんとかかんとか作ってしまうから凄い。ミシン得意って人がいるわけじゃない。好きでみんなの分まで引き受けちゃうなんて奇特な人もいない。自分の衣装は自分で縫う、作る、これが原則になっている。衣装係の仕事は、デザインを決め、サイズに合わせた型紙を作り、作り方を調べてみんなに伝えること。後は、一人一人頑張る。

 今回のお芝居は『お遍路颪』、当然だけど、お遍路さんが登場する。それも7人も。お遍路衣装・小道具、上から菅笠、白衣、和袈裟、手っ甲、脚絆、わらじ、金剛杖、けっこういろいろあるもんだ。流行のお遍路のこと、ネット通販ですべて揃う。でも、総額・・万円也!これは貧乏劇団菜の花座には到底手が出ない、というより、そんなのに金出すの無駄!って締まり屋感覚がシニア女優人の常識だ。だから、作れるものは自ら作る。借りられるものは、安く、できれば無料で借りる。それでも無理なら、安売りを探す、とこういう順序になっている。

 和袈裟は、畳屋さんから畳の縁布をもらって手作り。それもひもの結び方までネットで調べて本格を追求している。金剛杖は工作用の丸材をそれぞれ身長に合わせて切って作る。白衣、手っ甲、脚絆、それに、困民蜂起衆になるときの白鉢巻き、白たすきも、衣装係、小道具係の指示のもと、一人一人が手作り。

 なんでも作っちゃうこの積極性、ミシンだってこの際覚えてまうこの適応力、ぜひ若手に身につけて欲しかった。だから、スタッフとして若手をサブに付けたつもりだったんだけど、残念ながら技術の伝承は達成できなかった。じゃんじゃか自分やっちゃうから、シニア。

 なんでも手作り、とは言っても、わらじは・・・・作って作れないことないだろうけど、昔の手業講習会じゃないんだから、手に入るもんなら借りて済ませたい。そこで、思いついたのが、地域おこしグループ主催のわら細工講習会。あの教え手の爺ちゃん先生なら、安く作ってもらえるんじゃないか?問い合わせの結果は、地区公民館にたくさんあるからそれ使っていい、って、やったね!

 さっそく借りてきて、履き方の稽古。実際履いてみて、驚いたのは、指先はほとんどわらじから飛び出すってことだった。知らなかった!下駄なら鼻緒に相当する部分が先端に着いているから、それを親指と人差し指の間に入れれば、指先は前につんでる。これで歩けば、指先は直に地面に接するわけだ。こりゃ昔の人、指先、かなり固かったんだろうな。まっ、本番は足袋も履くことだし、それが本式ならそれで行くしかないだろう。締め方もなかなか難しい。研究熱心なメンバーから手ほどきを受けながら、全員、履き心地を確かめた。

 これでどうやらお遍路は片がついた。後は、装置だなぁ!これは、先日、数名の男性スタッフで現地視察、アイディア交換を行って、それを装置担当が形にすることになっている。さあ、こちらはどんな手作り装置になることやら。

 

 

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