ステージおきたま

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コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

長過ぎだぁ、3時間超なんて!『予兆 女たちの昭和序奏』

2018-03-27 08:44:19 | 菜の花座

 やっと書きあがった。構想浮かぶに1か月、書き始めて1か月!ようやく最後までたどり着けた。大まかな筋を立てて、話しを進め、新しいシーンに行き会うたびに、そのデティールを探し回るやり方、なんだかここまでたどり着けたのが奇跡のようにも感じる、って大げさだって。でも、ラストだって、ずーっとずっと頭の中でこね回して、はっと思い着いたのは、ぎりぎり前日!よくぞ舞い降りてくださった、台本の神様!感謝だぜ。

 さぁ、後は印刷だけだぁぁ!っと叫びたいんだが、どっこい、ここからがまたまた難事業。伸びに伸びた文字数をズバリ、ばさりと切り落としていかにゃならんのよ。そうそう、ダイエット作業だ。

 だってなぁ、第1校、51277字だもの。もちろん、最長記録だ。上演したら間違いなく3時間は超過するだろう。休憩入れて、3時間半!はぁぁぁぁ?そんな芝居誰が見んのぉぉぉ!お客さん飽きて、途中で寝るか帰るかどちらかだぜ。せめて2時間45分程度には圧縮しないと。チケット販売の責任者菜の花座営業部長にも、きつく言われた。面白くしてくださいよ、長過ぎはダメですよ!って。ごもっとも!

 書き上げたぁなんて、祝杯上げちゃいられない。さっそく切除手術開始。冗長な部分、比較的不要なやりとり、詰まらないセリフ、こんな基準を掲げて半日かけて、削りに削った。で、49498文字!すげぇぇぇ、1700文字も削ったぜぇ!ってそれ自己満足だって。100キロ超の肥満体が3キロ落とせたって大喜びしてんのと同じだぜ。あっ、これだって当人にゃ偉大な成果か、ごめん。でも、こっちの目標は、スリムにスレンダーに搾り上げることなんでね。

 なんたって、こんなに長くなっちまったか、てえと、その理由は二つ。一つは、昭和初期の時代風潮をできるだけ描きたいってこと。例えば、当時新発売の駄菓子あんこ玉のこととか、飛来した飛行船ツェッペリン伯号のこととか、当時先端的な女性専用マンションのこととか、へぇ、そういう時代だったんだって、ことを知って感じて欲しい、それが一つの落とし穴。

 もう一つ、満州事変を境に一気になだれ込んで行った戦争礼賛の世論、それにあらがう若き女性記者たちの必死の防衛戦を克明に描きたかったこと。死の美化の問題、満州と日本人、戦争と女、ジャーナリストの使命、こういった様々な課題に正面から議論を吹っ掛ける女たち。だから、どうしたって長い。場面の設定を工夫して、議論のための議論にならぬよう工夫は凝らしているのだが、見る人によっては、あくびが出る、居眠り必定。多分、7割方?!

 テンポも良く、身近な話題でどんどん進む前半は面白いし楽しい、だから、これ以上切りたくない。かと言って、議論だらけの後半だって、ここが書きたかったことなんだから、削りたくはない。

 うーん、弱った。印刷の所要時間を考えれば、残された時間は2時間!そう、こんなもん書いてる暇があれば、ダイエットトレーニングに励めよ!ってことなんだ。

 やっぱり、後半の議論、討論、集中審議部分を落としていくしかないだろうな。でもなぁ、削りたくはないんだよなぁ。女たちの凛々しく決然と対峙する姿。その論陣の鋭さ!おっと、どさくさ紛れに自画自賛か?こんな風に生きたいと思ってるからね。今の時代に重なる部分も大いにある。そこが何よりの狙いだったんだから。

 なんて、うじうじと悩んでいても始まらない。論点は削らず、議論の一部をそぎ落として行こう。よりスリムにすぱっと切り取る鋭利なセリフに変えて行こう。やるだけやって、それでもだめなら、そん時ゃ、もうそれで行く。だって、作者がこれがいい!これがベストだ!って確信してるんだから。飽きる人にはごめんなさいだ。

 それにしても、3時間の芝居なんてプロじゃそう珍しいものじゃないだがなぁ。田舎の劇団じゃそうもいかんのさ。なんたって、お客様は大切だから。

 

 

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