ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

本物は本物だ!

2007-02-12 22:34:26 | 演劇

 ブロードウェイ ミュージカル 『シカゴ』を見た。ちょっと恥ずかしいけど、ブロードウェイの本物、実は初めて!シアターテレビではよく見てるけどね。別に恥ずかしかねえさって?まっ、普通ならね。でもね、私、ミュージカル創ってる人だから、えっ、本物見てもいないで、ミュージカル、ミュージカルって騒いでるわけ?演劇部の部員から責められそ。まあ、仕方ないよね、お初はお初なんだから。

 で、感想ですが、・・いいねえ!さすが!本場もんだよ!の連続だった。ミネラルウォーターのように素直な気持ちで、見てよかった!来てよかった!!!びっくりマーク三つだね。映画の『シカゴ』も感激極めつけだったけど、これは同じものにして同じものにあらず。さすがブロードウェイだ!と、しつこい同語反復で、感嘆しきりだ。

 違いのその一。まず、ダンスが生身だ。当たり前だ!映画はカメラワークや編集でいいとこ取りできるけど、舞台はそうはいかない。すべて見えてるからね。例えば、ヴェルダ役、映画のキャサリン ゼダ=ジョーンズのセクシーさは、絶対DVD買うぞってほど、ぞくぞくものだったけど、今回の人はさすが、ダンスで見せていたものね。あっ、と言わせるような振りはではなかったけど、きっかり決まる体の動きにはもう、これだよ、これって心の中で喝采してた。

 次は、ロキシーハート。これはもう、まったく別物だった。コミカルな役作りはレニー・ゼルウィガーなんか断然超えていた。映画は格好良さとか、セクシーを売りにしていたけど、あっ、これはこれでとってもいいんだけどね、でも、このミュージカルの魅力は軽妙洒脱さなんだってことが舞台見て、しっかりわかった。で、今回のロキシーハートはコミカルな持ち味をしっかり伝えていた。人形振りの上手さなんて、もう、涙が溢れて止まらなかった。

 最後に演出。これは、諸手万歳で見てました。普通、ミュージカルは歌やダンスの後に、拍手が起こるけど、この舞台では歌がないのに、拍手がわき起こったからね。(エイモスの退場シーン)演出の勝利だね。その他でも、これは演出に拍手だって心で言いながら、何度も拍手した。だいたい、舞台中央に大きく階段状にオケピ(オーケストラピット)をセットして、おいおい、どうすんの演技エリアないじゃない、って、正直、幕開けの時は心配した。うん、これはきっと、オケピは奥へ引っ込んだりするんだ、さすが、日生劇場、仕掛けが大きい、なんて、先回りして考えたりしていたが、結局、最後までそのまま、つまり、ダンスと演技は、オケピの前、奥行き2.5間×7間?だけ。ところがね、オケピの中央に出はけの口があったり、役者がバンドうまくあしらったり、両袖の回転するスチール製の梯子を上手く使ったりして、狭い空間を巧みに使い切っていた。その他にも工夫いろいろ。でも、ここでは言わない。いつか、拝借してやろって思ってるからね。法廷シーンの陪審席の作り方、吊りものの照明をダウンして、一列に並んだ役者の顔を下から当てたり、おっと、言ってしまった。もう、ヘェー!やるー!チクショー!の連続だった。

 舞台ってやつは、ああいう限られた空間の中で、しかも生身の人間が眼前で演じるものなんだって、こと。そして、そんな、めちゃくちゃ制限された条件を大逆転していくには、演出の冴えってものが、もう絶対必要なんだってことを、ズシーンと教えられた舞台だった。最後のまとめ。あんなミュージカルが創りたい~~~~~~!と、夢は大きく!!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする