

種まきから3週間、育苗イネは順調そのものだぜ。やっぱホワイトシルバーの威力だな。ヒトメボレなんて、びっしり緑の芝生だ。シートはぐるのが遅れたコシヒカリはまだ黄色っぽいが、徐々に色が上がって来てる。そう、今年は苗床土、ボカシの割合増やしたからな、追肥の心配必要なし、病気の兆候もなく正解だったな。
ただ、プール張るのに古いビニール使ったのは、分かっちゃいたけど、失敗だった。7つのプールのうち、3っつは水が駄々洩れ、朝夕時間をかけて注水せにゃならん。プール1枚に10分近く!とても見守っちゃいられないから、近くで小屋作り作業なんかしながら、時間見計らって次のプールへホース移動、なんてせわしない思いをしている。
でも雨で外仕事が無理となると、どうしよう?そうか、ハウス内でSNSとかネットニュースのチェックで時間をつぶすか。コンテナひっくり返した椅子に座って、ネットタイム。
そうだ、野菜苗にも水をやらなくっちゃ。まず、トマト、元気溌剌、花なんかも着き始めて、もう山盛りの大盛況だぜ。
芽が出ねえぞ、って文句言ってたサターンとか桃太郎も出遅れながら、精いっぱい追走してるしな。
スイートコーンは1回目畑に移し終えた。残り8本は新たに芽が出て来たものと一緒に植える予定だ。全部植え切ると60本以上になる。凄い、収穫時は保存作業に追われるぞ。
プリンスメロンは、イネ育苗後、このハウス内で育てるんでそれほど本数はいらないんだが、これ、よく生るし、甘み香り絶品なんで、欲しい人にはおすそ分けしようってことで、株分けしたから、ほれ、20本以上だぜ。
早生の栗カボチャ他、中生、晩生は伯爵、紅爵、雪化粧の3種、伯爵の発芽がいまいちで残念だったが、まっ、たっぷり半年分とれるだろう。
今年初挑戦の丸ナス育苗も思いの外、簡単かつ順調。こっちはすでに買ってしまった人が多いらしいので、1ポット2~3本出た芽は株分けせず間引きした。ごめん。
そして、里芋。順調に発芽した後、ちょっと生育は停滞気味かな?
まっ、暖かさが大好きなやつだから、夏に近づけば勢い盛り返してくるだろう。
イネや野菜たちの元気に育つ姿見て今日も1日気分爽快で過ごせるぜ。
ほれ、水もたまったようだしな。
卵は物価の優等生、よく言われてるよなぁ。ほんと、何年経っても値段上がらないもんな。いやぁ有難いよ、助かるよ、よっぽど経営努力してるんだろう、日本の養鶏凄い!なぁんて。
そう、確かに徹底的な合理化でこの低価格は維持されて来た。とことん無駄を省くことで成功してきた。
うむ?合理化?無駄を省く?鶏って動物、動物の飼育で合理化、何よ?どうすることよ無駄を省くって?
家畜飼養の経済効果って、簡単に言っちまえば、食わせた餌がとれだけ肉や卵になるかってことなんだ。与えたものがすべて畜産物になれば、効率最高!だけど、工場ラインじゃないから、そんなの無理に決まってる。だって、生き物だからな、動物たちは。生きてる以上、血液流れるし、排泄するし、動き回るし、交尾はするし、・・・卵産んだり、牛乳出したり、肉を蓄えたりするばかりじゃない、当然だよな。
で、飼育の合理化、効率化てのは、その卵産むって行為以外は無駄って見なすわけよ。交尾?いらないいらない、卵は無精卵でいいんだから。雄?役に立たないからひよこのうちに殺処分。運動?それが卵になんの関係ある?不必要に餌食いつぶすだけだろ、動けぬように狭いケージに入れろ。でも不健康で病気になるだろ?だったら、薬飲ませとけ。黄身が黄色くないと卵と卵売れんぞ。わかった、餌にカロチン色素入れちまえ、ほぉら、オレンジ色の健康卵の出来上がり!
確かになぁ、とことん合理してきたぜ、日本の養鶏は。どうやったら工業のように効率的に生産できるかを目指してね。見事な企業努力!ってもんだ。胸張って最先端技術!ってうぬぼれてたら、おっと、世界はまったく正反対の方向に進んでたんだ。
アニマルウェルフェア、家畜といえどもできるだけ快適な環境で育てようって流れだ。動物をとことん搾取するんじゃなくて、おすそ分けをいただくって考え方だ。ヨーロッパじゃかなりの速度でこの飼育法が広がりつつある。放し飼い、自然に即した餌の供給。当然、小規模の養鶏。
上の写真は我が家で役立っている卵3種だ。
右上は生協だけど草とかの緑餌をやらない飼い方(生産者の変なこだわり)、左は一般的なケージ飼い、そして、下は、友人の草も食べさせてる庭先卵だ。見た目でも歴然だし、何より味が違う。
そりゃ手間はかかる、経費もかかる、価格も上がる。でも、人間が家畜たちも含めて自然と折り合いをつけて暮らして行くには、良いものを大切に食べて行くって暮らしぶりが必要になってくるんじゃなのかなぁ。
日本は、いつの間にか、暮らしぶりでも最貧国になっちまってるってことだよ。
最初の切り返しから10日、そろそろ2回目切り返そうか。
水分もちょうどよかったようで、積んで1週間目には表面を糸状菌が覆い、中も微生物の増殖が進んでほんわか湯気が上がり暖かかった。よしよし、上手く行ってるぞ、この先、何度かの切り返しを忘れないようにしなくちゃな。
ハウスも小屋もすべて冬支度完了で、ついそちらに行く機会が少ないから、しまった2週間以上切り返してない!なんて、よくあるんだよ。特に雪に降り込められちまうと、つい億劫で、気づいた時には発酵下火になって、温度下がってる、なんてことも多いんだ。
しかし、今年は冬前に積めたからね、常にボカシに意識が回ってる。いいよ、いいことだ。
ビニールを剥ぐってみる。ありゃ、表面に数匹のウジ虫発見!まぁな、暖かいからなぁ、まだ、家の中じゃハエが飛び回ってるくらいだもの、ボカシなんて最高の御馳走だから、ハエたちにとっちゃ。水分多いと卵産み付けられやすいんだ。ほら、発酵で上がってきた水蒸気がビニールで遮られて湿り気多過ぎの個所を作ったんだ。
なぁに、心配するこたぁないぜ。一緒にひっくり返してかき混ぜてやりゃいいのさ。中心部は50℃以上の発酵熱だから、卵やウジも生きてられない。発酵熱が収まって来たとしても、いよいよ本格冬仕様!寒さで死に絶えるしかないんだ。丁寧に上下、周囲をかき混ぜて、塊は手でほぐす。
去年も、いや、今年の春先だが、破れ小屋から雨が吹き込んでて、一部ぐちょぐちょに濡れてそこにウジが発生した。神さんは大騒ぎしたけど、使用の際には篩ったり、土や燻炭と混ぜたりしたら、まったく問題なかった。
まして、冬前だぜ。まして、完全修復した旧鶏舎内だぜ。
しっかり切り返しを重ねて、発酵を進めれば、ウジが生き延びる環境はなくなるさ。
まだ、11月。雪が積もるまでには半月はあるだろう、その間、2、3回は切り返せる。5回もこまめに手を入れてやれば、豊かな土のようなボカシ肥料の完成だぜぇ!
良いボカシが良い苗を育てる。健康な苗が立派なイネに育つ。まずは、来年の米つくり、しっかりと一歩を踏み出せたってことだ。