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ステージおきたま

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コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

どっちも追いこみ!「置農子どもミュージカル2012」&「菜の花座第25回公演」

2012-03-16 23:54:28 | 地域文化
 追いこみだ!菜の花座の『カフェバンバ』は25日、置農食育子どもミュージカル『アーダ・コーダと魔女ナンダ』はそれから四日後29日が初演だ。どちらも時間がない。なのにやるべきことは山積みだ。

 子どもミュージカルは、試験が終わってようやく今週から本格的な制作にかかった。年々装置もかぶり物も衣装もレベルアップして、装置は裏表のパネルが8枚、かぶり物も10数個、衣装など20点近くを作ることになっている。前年並みってことが我慢できない性格だからどうしても無理に無理を積み上げる形になってしまう。それでもなんとかやり遂げてきたってことは、毎年、毎年の積み上げが効果を発揮して、全体の技術的な質が向上しているってことだ。

 しかし、こんな無茶が押し通せるのも、高校生ならではだ。試験明けからは、連日朝9時から夕方6時までのフルタイム操業を続けている。せっかく休みになったって言うのに、毎日いつも通りの登下校、それでも文句を言わずに頑張っている。まずは基礎トレ1時間、その後役割に分かれて物作り、最後は全員が集まって歌の稽古、ざっとこんなハードなスケジュールで頑張っている。決して楽ではないが、29日の初演はなんとか間に合うことだろう。いや、当然、間に合わせなくちゃなんない。いざとなったら、夜だってあるし。

 一方の菜の花座だ。まず全員が集まった日が未だにない。昨日は最初の通し稽古ってことだったが、結局、夜勤やら残業やらで3名が欠席、出てきた役者も2人が体調不良ということで、通しどころか、部分稽古さえままならなかった。出てくるのが当たり前の高校演劇からはとても考えられない惨状だ。こんな調子でいくと、またまた台本は面白いけど、稽古不足!って評が投げつけられるかもな。どうすりゃいいの?

 こんなだらしない状況ではあるけれど、一人一人が多忙な実生活をやりくり算段して集まってくる、そのことの意義は忘れてはならないだろう。仕事を終えて、1日の疲れを自宅でやれやれと癒したい!そこを自分にむち打って稽古に集まってくる団員たち。その心意気を忘れてはならないだろう。アマチュア演劇は厳しい。十数人の人間が貴重な時間を振り向けつつ作る舞台は拙くとも輝いている。でも、それは観客にはわからない。見る側にとっては、舞台で演じられるものがすべてだ。セリフを噛めば、なんだだらしない。間延びしたなら、やれやれ稽古が足りないよ!こっちは金と時間を払ってんだから、とこうなる。この痛烈な目に晒されるからこそ、やり甲斐もある。そう、だから、やってやる!と、決意を固めつつ、明後日からは一週間すべて稽古日となる。さてさて、この追いこみ、どこまで効を奏することやら。



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拍手万雷!演歌ショー初日

2012-03-11 23:55:26 | 地域文化
 やっばり置農演劇部、本番に強い!

 どうなることかって心配はした。でも、きっと上手く乗り切ってくれるだろうとも楽観していた。やっぱりなぁ、本番は強いよ。前日稽古でほとんど真っ白だったセリフがなんとか形になってるもの。わすが40分ほどのリハーサルで、出はけもそつなくこなしたもの、昨日渡したMC原稿もほぼ自分のものにしてたもの、初めて踊る曲もまずは見破られなかったもの。

 新チームになって最初の演歌ショーのステージだった。それものっけからハイジアパークのホールで120人を越す観客を前にしてだ。今回は、例年と違い、2年生がきわめて少ない。主体となるのは1年生と言っても間違いでないくらいに手薄だ。ということは、従来の出し物を演じるにしても、ほとんどが初出演ということになる。大切な役やダンスも1年生を大抜擢した。しかも、この間卒業式や学年末テストでほとんど稽古できない有様でのこの公演だった。

 僕の目から見れば、まあなんとかすり抜けられたかってところだったが、お客さんには大いに喜んでもらえた。一つは、高校生の若さ、力を惜しまず精一杯演じきる、その熱気と汗に共感してもらえたこと。この点、この新チームは手抜きしたり、気を抜いたりしない。そこは何より大切なところだ。その誠実さで稽古と舞台を重ねれば、もっともっと上手になるに違いない。

 コントが馬鹿受けだったことも嬉しい限りだ。大幅にメンバーが替わった旧作も、要所を固めた2年生の進化もあって大いに観客を引きつけ続けていた。新作コント『狙いは婆さん』はもっと大当たりだった。2人の婆さん役者、大いに楽しんでもらえた。2人の持ち味がこの台本にぴったり合っていた。

 MCも今回は台本をしっかり準備した。単に曲の紹介だけでなく、演劇部の日常や内輪ネタなどを面白おかしく取り込みながら曲をつなぐように作った。進行役の生徒も堂々生き生き台本を生かし切って随所に笑いを引き出してくれた。MCでの笑いは場を和ませる。これも今回の大きな収穫だったと思う。

 そうそうもっと大きな喜び、それは着付けの先生が、わざわざ手伝いに駆けつけてくれたこと。お願いしたいのはやまやまだったけど、会場まで来てくださいとは言いかねていたのに、先生の方から電話をくださり、駆けつけていただけた。それも帯や半襟なんかいっぱい持って!お陰で、着付けの方は万全だった。今回初めて振り袖着た生徒も見事に決まっていた。

 震災で1年お預けになっていたこの公演、どうやら無事に済ますことができた。次は4月の末、新曲もしっかり仕込んでさらに充実の演歌ショーにしていこう。で、次は子どもミュージカル、3月29日が初演。実質10日間ですべてすべて仕上げなくてはならない。連日9時~18時で強行突破するしかない。まただ立ちもやってないし、ものもほとんど作ってない。って、歌だって上がってきていない。だからダンスも当然まだ。まだまだづくしのここから一気に初演まで、できるのか?本当に?

 できるさ、きっと!だって本番に強い置農演劇部だから。

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『マドローム★紅ダリ』デビュー!

2012-03-01 23:49:17 | 地域文化
 『マドローム★紅ダリ』売りまっせ、米織観光センターで!おっと、勢いで関西弁になっちゃった。

 米織観光センターは、言わずと知れた置賜随一の物産館。国道13号の高畠町糠野目地区に位置し、観光シーズンには観光バスがひきも切らず押し寄せる、物産館の老舗だ。その米織観光センターで『マドローム★紅ダリ』が常時販売されることなった。

 事の起こりはやっぱり米粉コンクール優秀賞受賞。大きいね、こういうのは。でも、受賞したからすぐに話しがあったってことじゃないところが、今回のお話しのミソだね。

 お話しは、商品開発担当のFさんから来た。Fさん米粉コンクールの授賞式兼米粉フェスタにも当然のこと、参加されていた。当初、『マドローム★紅ダリ』の受賞は高校生の強み、話題作りと思っていたそうだ。ところが、その一週間後に行われた『おきたま食の力』シンポジュームで試しに『マドローム★紅ダリ』を10個買って帰ってスタッフと試食してみて驚いた。これは凄い!商品になると直感してすぐに置農に電話を入れてくれたってことなんだ。

 嬉しい!素直に最高!!高校生の製品を話題ではなくその品質で評価してくれた。こんなに素晴らしいことはない。

 実は、『おきたま食の力』シンポジュームの試食では、参加者からほとんど見向きされなかったんだ。わんさか集まった人たちは試食タイム開始とともに、雪崩をうって奥田シェフや太田シェフ、さらには有名料亭のブースに殺到。いや当然だよ、それは。でも、お目当て食べた後でいいから、高校生のものだって試食して欲しかった。なのに、参加者の8割方は紅大豆本舗を素通り、声をからして呼びかける高校生を無視!冷てぇぇぇぇ!

 高校生に温かい救いの手を!なんて懇願するつもりは毛頭無い。ただ、食べてみて欲しかった。味わって判断して欲しかった。高校生のスイーツ?そんなん、どうせたいしたことないべ。それはないだろってて悔しい思いを感じていたんだ。

 それは、前週の「春待ち市」でも経験済みのこと。若いお母さんたち、まったく!まったく!まったく!高校生の商品に興味示さなかったな。この差別感はいったいなに?若い母親層ってブランド意識が濃厚なんか?

 まっ、そんなもんでしょ、世間の認識なんて、ってちょっとそっぽ向きつつイベントが終了しようって時に、Fさんの大量買いだったんだ。さすがだね。高校生なんて、って決めつけをせず、まずは食べてみる、この姿勢だよ。そして、信じるのは自分の舌だ。

 これまでも数々の品物を商品化してきたことだろう。売れるもの、世間が求めるものをどん欲に探し求める仕事をしっかりと続けてきたのだろう。そういう方だからこそ、高校生?なんて固定観念にとらわれず味見してくれた。そして、行ける!という判断をしてくれた。

 『マドローム★紅ダリ』は、米織観光センターの地産館で販売することになる。有機農産物や伝統食材やフェアートレードのチョコレートに伍して陳列される。光栄なことだ。しかも、この冬枯れの厳しい季節から置きたいと言っていただけた。それほどまでに評価してもらったら、何が何でも毎週50個、届けないわけにはいかんだろう。たとえそれが高校という場にそぐわないことであったとしても。

 紅大豆本舗、本当にお菓子屋さんになる。僕の責任はずしりと重い。でも、生徒たちは、忙しいよぉぉぉとぼやきつつも嬉々として製造にも対面販売にも精を出すに違いないのだ。それこそ、まさしく農業高校の教育だって思っている、絶対!

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今、始まる!『よみがえりのレシピ』

2012-02-27 18:29:30 | 地域文化
 在来作物のドキュメンタリー?うーん、大切な問題だってことはわかるよ、でもね、2時間??持つのかなぁ???って正直思ってマイカルのシートに身を沈めた。初めの話題は、在来キュウリ。授業の中で小学生に栽培指導、うーん、よくあるパターンだよな、置農紅大豆本舗だって小松小でやってるし。この調子だと飽きるかも、ってちょっと心配だった。時々挿入される音楽?音?にもどきっとして違和感あった。
 
 でも、次の焼畑栽培の様子を見て、そんな不安はぶっ飛んだ。知識としてはあったけど、茅場のような所に火を入れて作るんだろうって思っていた。なんと杉林を伐採してだものね。杉を切り出して、倒木を片づけて、ツタの根なんかを掘り起こして、十分に火が回るように朽ち葉や枝、灌木なんかを丁寧に積み重ねて、火入れの後も、裸足で歩けるくらいにするんだって話し、これは凄い!どんだけ手かけてんだ!しかも、その種はたった一人のお婆ちゃんが庭先の一坪ほどの家庭菜園で作りついていたっていうんだから。種を保ってきたお婆ちゃんの言葉がまた良い。「あるもの、なくすわけいかんでしょ」

 ただちゃ豆、甚五エ門里芋、山形赤根ホウレンソウ、金谷ゴボウ、雪菜、次々に紹介される在来作物、名前はまあ、ほぼ知っている。学校で食農科学ってもん教えてる身だから。でも、それを作っている人たちの思いを聞くのは新鮮だった。作りやすいわけでもなく、市場での扱いもなくなり、周りはどんどん栽培を止めていく、そんな中で、一人その種を守り続けてきた人たちの思い、それが「あるもの、なくすわけいかんでしょ」っていうことなんだな。長く作りつがれてきたものには価値がある、との信念。次の世代に渡さねばならないという使命感。種を守ることを生き甲斐だとまで言い切る老人たちの訥々とした語り口は、易々と過去を振り捨てて顧みない今の風潮を深く鋭く突いていた。

 この映画の主役はもちろんこの愛すべき在来作物たちとその栽培者たちなのだが、この野菜たちに日の目を当ててくれた山大の江頭先生とアル・ケッチャーノ奥田シェフの存在は大きい。そう、よみがえりのレシピを準備したお二人だ。学問的興味をはるかに超えて在来作物に惚れぬきひたむきに産地への日参を重ねる江頭教授。個性的な野菜たちの持ち味を斬新を超えて驚きのレシピに蘇らせた奥田シェフ。木訥な在来作物が2人の手で発掘され新しい味覚として立ち現れる。その調理方法のユニークさ、自由さ、どこまでも素材に寄り添おうとするシェフの姿勢。うわぁぁぁっ!喰いてぇぇぇぇ!って生唾のみ込みながら、感動していた。

 お二人の力で、今ここによみがえりのレシピが整えられ、この映画スタッフのお陰で、素晴らしいメッセージとして発信された。でも、映画のコメントにも出た通り、今も山形から、日本から次々に在来作物が消えていっている。その流れは変わっていない。ここに登場した在来作物たちは幸せものたちだ。奥田シェフとの出会いがあった。だが、アル・ケッチャーノでの消費量で救いきれるわけはない。もっともっとその土地の食に密着した形でその素材が取り込まれなくてはならない。かつて、その地に欠かせぬ漬け物であったり料理であったりしたように。地域の食文化として再度その地位を確保出来たとき、初めて在来作物たちはよみがえりのレシピを手にするってことだ。

 地域地域に細々と伝えられる在来作物、真のよみがえりを準備するのは、その地にあってアイディアをひねり出し、工夫を重ね、努力を積んでいく食のコーディネーターたち、つまり、料理人や食品開発担当者などになるに違いない。で、僕も紅大豆に関わる人間として、その末の末の末の末席にあるってことだ。頑張んなくちゃ!ってやる気をこの映画からもらった人、少なくないと思うな。

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おきたまで食は力となるのか?

2012-02-24 22:25:25 | 地域文化
 「おきたま食の力」シンポジュームに紅大豆本舗の生徒ともども参加した。
 シンポジュームは元酒田ル・ポットフーの太田シェフ、アルケッチャーノの奥田シェフ、それと吉亭の若社長、進行は山新の置賜支社長が担当した。話しの内容は三人三様、聞き応えがあった。中でも奥田シェフのユーモアあふれるお話しには聞くべきものが多かった。料理人が地域の食材生産者とつながることで、地域が元気になっていく道筋を、雨が降ると桶屋が儲かる式の展開で楽しく語ってくれて、納得!生産者と金銭関係を超えて手を取り合う姿勢に、かつての有機農業運動の提携が生かされているなと感じた。
 置賜にも有望な食材が多数あるという指摘にも力付けられた。ただ、庄内人は外食が大好きで、ランチタイムのレストランはどこでも女性たちで満員という話しには、はてさて置賜ではどうか?と少し悲観的な気分なった。置賜はやっぱり上杉鷹山様のお膝元、質素倹約の土地柄だからね。庄内のようにはいかんだろう。
 でも、会場は太田シェフや奥田シェフの話と料理によだれを流す人たちで超満員。試食会の開始時など、凄まじい勢いでなだれ込み、殺気すら感じたほどだった。試食では両シェフの料理の他、地元置賜の料理人の腕に撚りをかけた逸品が提供され、参加者は心ゆくまで楽しんでいたね。
 置農は、紅大豆本舗とMOTTAINAIプロジェクトチームが参加し、「マドローム★紅ダリ」と「エコ地鶏」を試食に提供した。残念ながら、今回の参加者は高校生にはあまり関心が無く、見向きもしてくれない人が多かった。やっぱ、名前には弱いんだよね。高校生ってだけで、初手から問題にしない、こういう態度ってどうなんだろう。これは、先週の春待ち市でも感じた。子ども連れのお母さんたち、高校生なんか端から相手にしなてくれなかった。まっ、それは仕方ない現実で、そこから出発するしかない。
 ただ、参加した業者さんたちは、イベントの終了間際、大勢試食してくれて、美味しい、美味しいと賞賛してくれた。中には10個も買ってくれる人なんかもいて、有り難いとともに、とっても嬉しく感じた。こういう機会をたくさん積み上げて、製品は名品になっていくのだろう。
 「マドローム★紅ダリ」、来週は置賜総合支庁の課長会で試食したいってことで注文をいただいている。ありがとうございます。皆さんも、ぜひぜひ、ご利用、ご利用!

 

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