泡 盛 日 記

演劇人(役者・演出家)丹下一の日記です。

要するにただ鈍感なだけか?

2010-01-14 13:31:12 | 丹下一の泡盛日記
 かみさんは今日は大学。一緒に起きて駅におくる。
 今日もお部屋で事務仕事。

 ランチに友人のかみさんが教えてくれたキャベツてんこ盛りトースト。目玉焼きを載せる。旨い。
 寒いのでチリペーストをかけてみたが、今日はあまり美味しくない。からだが言っていることに従っていれば大丈夫。トルコのインスタントスープと一緒に食べる。
 
 子供のころ自分でも情けなくなるくらい貧弱で脆弱なからだだった。
 18歳で劇団に入ったころも身体訓練についていくのは厳しかった。
 だから、いつも自分は一番弱いグループであると思い込んでいた。
 もっとも山登りは一人でなら続けることができるようになっていたので、すでにある程度からだは出来上がってきていたのだろう。
 それにもうがんがん飲んでいたし♪

 25歳の頃、ヨガに出会って劇的に変化した。からだも考え方も。
 だが、いつも「自分が一番弱い」という思い込みがどこかに残っているらしい。

 というのもプレイバックシアターの世界にいると「強いエネルギー」という言葉をよく頂戴するが、どこか信じられないのだ。
 1995年から本格的に海外公演をはじめたが、あちこちでみる外国の舞台は、みな力強かった。
 そして、その力強さと自分たちが持つ彼らにはない繊細さの往還を持とうと考え、ある程度までは成功したと思っている。

 先日、カリフォルニアに住む年上の女優からメールをもらった。
 一昨年プレイバックシアターの舞台でご一緒し自宅の稽古場に泊めてもらった彼女は、元々は演劇人で自分の劇団も持っていた。
 彼女いわく「なんて強いエネルギーをもった俳優だろうってあなたのことを考えていた」。
 うれしい言葉だった。

 彼女と一緒に立ったオークランド公演終了後、客席にいた友人(こないだ名古屋に来てくれたC)のところに行ったら何人もの観客に囲まれて握手を求められた。
 彼らは口々に「おまえはすごい」とか「素晴らしいエネルギーだ」と褒めてくれた。アメリカのお客さんはこういうところがありがたい。素直に喜んだ。
 
 そして先日アジアで、あるダンサーとエチュードをしているときに言葉は同じだが逆のことを言われた。
 「あなたは虎。ものすごく強いエネルギーを持っている。わたしは怖い。一緒に立っていて、あなたのエネルギーにつぶされるような気持ちになる」。
 以前、心がけていた「強さと繊細さの往還」ができていない証拠のような言葉だ。
 自分としては「そんなに強いかなあ?」という気持ちもないわけではない。(自分からみると彼女もかなり強いエネルギーを持ってるんだけどなあ)
 だが、自分が認めているダンサーの言葉を受け入れないわけにはいかない。
 要するに鈍感なだけか(-_-)
 「弱い自分」から変化したくて走り続けてきたら何かを置き忘れてきたのかもしれない。
 ああ、こんなときは稽古がしたい。

 
コメント
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