関西電力高浜原発3.4号機の差し止め決定について(談話)
2016年3月9日 社民党幹事長 又市征治
1.本日、大津地方裁判所は、関西電力高浜原発3、4号機の運転差し止めを求めて滋賀県の住民が申し立てた仮処分について、差し止めを命じる決定をした。原子力規制委員会の新規制基準の審査に合格し再稼働した原発に対して初めての差し止め決定であり、また、稼働中の原発を停止させる決定としても初めてのことである。住民の不安や懸念を受け止めた画期的な決定であり、政府と原子力規制委員会、関西電力は、今回の差し止め決定を真摯に受け止めるべきである。社民党は、1月29日に再稼働した3号機の即時運転停止と緊急停止中の4号機の再稼働断念を強く求める。
2.活断層などによる地震の対策や津波対策も不十分であり、実効性ある多重防護体制もなく、使用済み核燃料の対策なども未整備のままである。いったん事故が起きれば、京都府や滋賀県等にも甚大な被害を及ぼすことは必至である。3月11日に丸5年を迎えるが、東京電力福島第一原子力発電所事故も収束せず、原因究明もなされていない。新規制基準自体が、東京電力福島第一原発事故の検証や原因究明も不十分なままに決定され、田中俊一原子力規制委員会委員長自信、基準合格は「安全を担保したわけではない」としている。昨年の夏も電力需要ピークも原発なしで乗り切り、その後も安定的な電力供給が続き、「電力不足」は発生していない。到底、高浜原発の再稼働を容認できる環境にはない。社民党は、原発再稼働を許さず、「脱原発」社会の実現に引き続き全力を挙げる決意である。
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