「オバマ大統領が
ヒロシマに献花する日」
読書の秋の5冊目は、「オバマ大統領がヒロシマに献花する日」です。
この本は、共同通信社でアメリカ等を担当し、現在はジャーナリストの松尾文夫氏の著書(小学館101新書・8月8日初版発行)です。
松尾氏は、戦後60余年、未だに日本とアメリカ、そして中国、韓国などアジアの国々との間でくすぶる、戦争責任、戦後賠償をめぐる「歴史」問題。いま「歴史和解」のために何が必要なのか。日本とアメリカという国のすれ違いを描いて、第52回日本エッセイスト・クラブ賞を受賞した方です。
この本は戦後50年の節目の年(1995年)に、ドイツと英米の間で行われた鎮魂と和解の儀式「ドレスデンの和解」に着目した松尾氏が、「日本版ドレスデンの和解」が出来ないかケジメを求めてドイツやアメリカに行き、例えば「ドレスデンの和解」にかかわった方や、東京空襲をした副操縦士との対面などを通じ可能性をさぐる内容となっています。
そして著者が出した結論は、日本の首相が真珠湾攻撃の現場アリゾナ記念館に「真珠湾の花束」を献げ、アメリカ大統領が「広島の花束」を献げる「相互献花」の実現である。
今、日本では、この実現を求める世論が高まって来ていると思われますが、その提唱者である著者が、なぜ、この「結論」を得るに至ったか、その理由の中に新たな外交の姿勢が見えてくる気がしました。
一読をお勧めします。
「日本ブログ村」のブログランキングに参加しています。クリックしてご支援をお願い致します。