週刊文春で連載されていた
内澤旬子さんの「ストーカーとの700日戦争」が終了。
毎回、戦慄させられる箇所があり、
ストーカーという犯罪の闇におののくばかりというか。
交際相手と別れようと思ったけれど、
その男がストーカーで、別れたあとも
執拗にまとわりつき、メールやLINEで暴言や罵倒の数々。
さらに2ちゃんねるに誹謗中傷の書き込みをして、
内澤さんの住処にまでやってこようとする描写は、
まさにホラー小説を読んでいるような気分。
でもこれはノンフィクションなんだなあと。
ストーカーは依存症の一種である。
相手への愛情、そして依存が高ければ高いほど、
拒絶されたり別れを切り出されたりすると、
それまでの気持ちがいきなり反転して
怒りと憎悪に変わってしまう。これはやっぱり病気なのだろう。
だからストーカーは精神科での治療が必要であり、
ただ刑務所にぶち込むだけでは更生しないという。
殺傷沙汰で捕まるのでなければ、どんなに悪質なストーカーでも
2、3年で出所するだろうし、再犯率も高いという。
しかもその再犯する相手は、
かつてのストーカー被害者であることがほとんどだという。
これは怖い。
ストーカー規制法は施行されているにしろ、
とても被害者を守るものではないという。
こうした状況はまだまだ知られていない。
そういう意味で内澤さんのこの連載の意義は大きい。
きっとこの連載をまとめたものが
内澤さんの新刊になると思うのだけど、
本来なら、移住した小豆島の話とか、
飼っているヤギのこととか、
最近始めたという狩猟のことなどを
ゆるゆると書いた本が読みたいとファンは思うのです。