Days of taco

やさぐれ&ヘタレtacoの日常と非日常

とてつもない詩情

2007年09月19日 | 映画など
三池崇史監督『スキヤキウエスタン ジャンゴ』を見る。
おそらくいまの邦画界最高のキャストとスタッフで、
本気で遊んでいる映画だなー、という気がする。
映画は冗談としか思えない内容だが、
作っている人たちの本気度が迫ってきた。



ゴールドラッシュに群がる
平家と源氏の争いに、ひとりのガンマン(伊藤英明)が現れる。
構図としては『用心棒』(あるいは『荒野の用心棒』)そのもの。

この映画は出ている俳優を楽しむべきだ。
平家のボス・平清盛(佐藤浩市)と、
源氏のボス・源義経(伊勢谷友介)のコントラスト。
風見鶏のように立ち振る舞う保安官(香川照之)などなど、
キャラ立ちまくりの登場人物たち。そのアンサンブルが楽しめる。

ちょっとびっくりしたのが石橋貴明。
あれだけテレビの垢にまみれた人でも、
ちゃんと映画の中の人物として
生き生きとしているのが、楽しい。

極めつけは桃井かおり。
映画を見た人ならわかると思うが、
本作の主役はこのお姐さんだ。格好良すぎる。
なぜこれまで、この人にアクションをさせなかったのだろう。
長いキャリアを誇るこの大女優の
新たな代表作と言ってもいいかもしれない。

※以下、ちょっとネタバレです。
(というか、シネフィルにしかわからないかも…)












この映画はウエスタンだが、ラストに雪が降る。
僕のシネフィル的記憶によると、
雪が降るウエスタンには、駄作はない。傑作揃いだ。
『殺しが静かにやってくる』しかり。
『ギャンブラー』しかり。
『ペイルライダー』しかり。
『グレイフォックス』しかり。
ウエスタンで雪が降ると、
とてつもない詩情があふれてくるのだ。





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邪悪なレトリックを駆使する男

2007年09月18日 | 邪悪なT君
昼飯を食おうと、
仕事場近くのコンビニに行く。
…と思ったが、その近くにできた
100円ショップをのぞいてみる。
すると…。

いなりずし(4個入り)100円+税


とあるではないか。おお、安い。
思わず手を伸ばそうと思ったが、
堕落してしまうのではないかと自粛。
いつも行くコンビニにきびすを返すのだった。
そこでは…

いなりずし(3個入り)200円+税


なんということだ。この格差。
仕事場に戻り、邪悪なT君に話したら、

「4個入り100円のほうを買えばいいじゃないですか~。
200円のと食べ比べても、
2倍まずいってことはないですよ。
うひょひょひょ」

と高笑いをするだけだった。
邪悪なT君の鋭い指摘と分析。
確かに、200円のは、
100円のやつの2倍うまいってことはないよな、
と納得する僕。

このとき、すでに僕は邪悪なT君の術中にはまっていたことに
気づいていなかった。時すでに遅し、である。



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エスケープ・フロム・ワーカホリック

2007年09月17日 | 日々、徒然に
今日はテープおこしのあと、原稿を書く。
昨日は久しぶりに休みにしたので、
面白いほど仕事がはかどる。

たった一日休んだだけなのに気力がみなぎる感じ。
やはり、休まないと駄目だ。
メリハリが大切、オンとオフの切り換えが必要。
──これまで散々言われてきたことだが、
いざ、実行してみると、面白いほど効果的だ。
実際、一日まるまる休むのは7月以来かも知れない。

だから、言う。というか、書く。
僕の周りにも、休みなど全く取らず、
仕事ばかりしている人が多いのだが、
その人たちに向けて──。

休め!
1日ぐらいどうってことないさ。
いいから、休め!
これは命令だよ。ホント!

そして、部屋の整理をしよう。
仕事場もキレイにしよう。
少しずつでいいから、さ。







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サエない男の子たちに捧ぐ

2007年09月16日 | 映画など
マイケル・ベイ監督『トランスフォーマー』を見る。
肩の凝らないものを見ようと思って決めたのがこれ。
そしたらあまりに肩が凝らない映画なもんだがら、
ついつい居眠りをしてしまった。
ただ、居眠りしたからといって、つまらないわけではない。


Transformers(2006)

飽きさせない展開。的確な編集。
必要最低限の人物描写。ひたすらスピーディーな物語。
2時間を超える映画なのだが、一気に見せるパワー(寝たけど)。

CGを駆使した映画だから、
今まで見たことのない映像を見せてほしいと思う。
しかし最近は、すっかりこうしたCG映画にも慣れてしまい、
かなりのデザイン的な面白さや演出の妙がないと、
なかなか厳しいのではないかと思う。
この映画の場合は、
金属生命体が変形(トランスフォーム)して、
縦横無尽に暴れまくる場面に乗れるか乗れないか。そこに尽きる。
マイケル・ベイの演出は剛球一直線。
ひねりもなければ、メリハリもない。全編見せ場で突っ走る。

ウォシャウスキー兄弟や、サム・ライミ、
ティム・バートン、そしてスピルバーグといった類の監督たちの
趣味性やテクニックをマイケル・ベイに期待してはいけない。
おおよそ、シネフィルには相性の悪い監督だと思う。

シネコンでポップコーンを買って、
デートムービーとして見る映画とも言えなくもないが、
幼稚で馬鹿騒ぎしているだけの映画であり、
この映画をネタに、
ちょっと彼女と知的な会話をしたいと思っている人には不向き。

アニメが好きで、サエなくて、勉強もスポーツも駄目で、
モテたためしのない男子高校生が3人で見に行くのがベストな映画だ。
言ってみれば、大槻ケンヂの『グミチョコレートパイン』に出てくる
主人公の男の子たち。ああいう子たちのための映画である。

マイケル・ベイの映画は、必要だ。
サエない人生を送っている男の子(僕は大人だが)にとって。









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ロード・トゥ・ボストン

2007年09月15日 | 日々、徒然に
朝、M歯科に行く。
マスク姿の先生(たぶん美人)が、
「今日は1時間ぐらいかかりますからね」
と言いながら、僕の歯を削り始めた。

どうも歯の根っ子にある炎症をやわらげるために、
根っ子まで穴を開け、そこから薬を投入するとのこと。
延々と僕の歯はグリグリとえぐられ続けるのだった。

隣にいた患者が恰幅のいい親父で、
「明日からアメリカ行くんだけどさあ」
としきりに先生(たぶん美人)に話しかけていた。
「へえーいいですねえ」と相槌を打ちながら、
僕の歯をえぐり続ける先生(たぶん美人)だった。

「ボストンだよ、ボストン~」と隣で治療を受けながら
ボストンに行く自分を強調する親父。
「ボストン行く前に、ちゃんと治してくれよな」
先生(たぶん美人)が苦笑したかどうかは、
マスクに隠されて分からずじまい。

親父の治療が終わったあとも、
僕は延々と歯をえぐられるのだった。






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胃弱仲間には入れてあげません

2007年09月13日 | たまには音楽でも
安倍首相辞任とな。
しかも「胃腸の病気」で入院するらしい。
http://www.excite.co.jp/News/politics/20070913112500/20070913E10.044.html

僕も胃弱だが、
あまりシンパシーを感じないなあ。
胃が痛くなるということは、結構いい人なのかもしれない。
お人好しなところもあるみたいだし。

唐突だが、胃弱といえばニッキー・ホプキンス。
というか、彼はクローン病なのだが。



「夢見る人」という、ニッキー・ホプキンス唯一のソロアルバムは、
ジョージ・ハリソンをさらにか細くしたような彼のボーカルが、
儚く、優しげで、いつ聞いてもほっとする。
ジョン・レノンの「ジェラス・ガイ」や
ストーンズの「アンジー」のピアノで有名な人だが、
クローン病で胃腸の痛みにさんざん悩まされた人らしい。
そんな虚弱体質なミュージシャンと、ドタキャン辞任をした我が国の首相。

胃腸が悪い人といってもさまざま、ということか。
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魂は細部に宿るというが

2007年09月13日 | 読んでいろいろ思うところが
村上龍の『半島を出よ』を読んでいるのだが、
そのあまりにも過剰な情報量に圧倒される。

内閣情報操作室に勤める鈴木という登場人物のもとに、
世界各国の新聞や雑誌から取られた書類が届くのだが、
その書類をひとつひとつ列挙する箇所がある。

・スンニ派、シーア派、クルドという国土の三分割が現実化したイラク情報に関するイギリス紙。
・フィリピンのイスラム武装ゲリラの研究が載ったマカオの新聞。
・プロスポーツ界を牛耳るロシアンマフィアの資金源がイスラエルにあるというイタリア紙の暴露記事。
・中国北東部の北朝鮮難民が自主発行している新聞。
・エジプトとサウジアラビアの過激派の統合を報じたカタールの新聞記事。
・ブラジルのハッカーに乗っ取られたアメリカの電力会社のホームページのプリントアウト。

などなど。すべて架空のものだと思うが、
これだけリアルな感じのする書類の列挙。
この書類、全部読みたいぞ、という気にさせるほどの迫力。
こういうところが村上龍という人の真骨頂という気がする。
私の小説は情報である、と確か発言していたような気が。
本編の流れとは関係のない箇所だが、そういう細部へのこだわりが
この作家の作家たるところだと思う。

個人的には、
北朝鮮難民が自主発行している新聞
っていうのを読んでみたい。


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罵倒も素敵な

2007年09月11日 | 無意味な考察
中島らもの『舌先の格闘技』を読んでいたら、
相手を罵倒する言葉でいちばん古典的なのは、

「お前の母ちゃんデベソ」

であるらしい。
いま、そんなことを言う子供っているのかな。
そういえば、

「おとといきやがれ」

って言わなくなったなあ(言ってたのか?)

「味噌汁で顔洗って出直してこい」

と言う上司もいないなあ(いたのか?)。

人を罵倒するにしても、
ボキャブラリーというものがなくなった気がする。
そういう言葉はもう落語の中でしか聞けないものかもしれない。

ちなみに、上記の『舌先の格闘技』には、
人を罵倒する言葉がいろいろと書かれている。

「脳だけ老衰になったパンクロッカー」
「アホの干物」
「オルメカ巨大石みたいなデカいツラ」
「失敗した福笑い」
「それでカメラぶら下げたら外国映画に出てくる日本人だ」
「押入れにまだ紅茶キノコひそかに隠しているような奴」
「肉っていったら鶏のスキヤキしか思いつかないような貧乏たれ」

などなど。素敵だ。
特に最後のやつ。一気呵成に口走ってみたいものである。
あと「~日本人だ」ってやつもいいなあ。



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こらえきれないこの気持ち

2007年09月10日 | やさぐれ男のつぶやき
ディズニーシーステーション駅。

今日の朝8時半。僕はこの駅の改札に佇んでいた。
こんな駅があるとは知らなかった。
周りにいる人は全員、
ディズニーランド及びシーに向かい、
僕はネクタイにスーツ姿でひとり、立っていた。

今日は浦安で取材ということで、
その取材先の最寄り駅がディズニーシーステーション駅だったのだ。
その駅にたどり着くには、
舞浜からディズニーリゾートラインなる線に
乗らなければならない。
Suicaが使えず、ちょっとキレる。

このディズニーシーリゾートラインは、
ディズニーランドやシーなどの施設をぐるりと廻るモノレールである。
モノレールの窓枠や吊革は、
ミッキーマウスを型どっているのに驚愕するが、
そりゃそうだな、と思いながら、乗る。

で、ひとりディズニーシーステーション駅に立っていた僕は、
今日の取材の編集者、C社のUさんと待ち合わせていた。
ほどなくして現れたUさんとタクシーにのり、
ファンタジーとはほど遠い、
浦安の海岸沿いに並んでいる倉庫のほうに向かうのだった。

取材自体はつつがなく終了し、
いろいろといい話も聞けたのだが、
このやさぐれた気持ちは何だろう?
自問自答しながら、仕事場に向かう僕だった。

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tacoは社会派

2007年09月09日 | 日々、徒然に
朝から原稿書き。夕方前にほぼ終了。
チョムスキーの本などを参考資料にしながら、
久々に頭の中は社会派モード。
権力に屈しないチョムスキーの男気にちょっと勇気づけられる。
アメリカほど言論の自由がある国はなく、
圧力があったとしても、他国の比ではないと。

日本はどうなのだろうか。
自由にものを言える国なのだろうか。
その前に自主規制して、窮屈な思いをしていないか。
そんなことを思いながら、原稿を書く。
最近、ちゃんと戦ってないなあ、と思いながら。


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