Days of taco

やさぐれ&ヘタレtacoの日常と非日常

とてつもない詩情

2007年09月19日 | 映画など
三池崇史監督『スキヤキウエスタン ジャンゴ』を見る。
おそらくいまの邦画界最高のキャストとスタッフで、
本気で遊んでいる映画だなー、という気がする。
映画は冗談としか思えない内容だが、
作っている人たちの本気度が迫ってきた。



ゴールドラッシュに群がる
平家と源氏の争いに、ひとりのガンマン(伊藤英明)が現れる。
構図としては『用心棒』(あるいは『荒野の用心棒』)そのもの。

この映画は出ている俳優を楽しむべきだ。
平家のボス・平清盛(佐藤浩市)と、
源氏のボス・源義経(伊勢谷友介)のコントラスト。
風見鶏のように立ち振る舞う保安官(香川照之)などなど、
キャラ立ちまくりの登場人物たち。そのアンサンブルが楽しめる。

ちょっとびっくりしたのが石橋貴明。
あれだけテレビの垢にまみれた人でも、
ちゃんと映画の中の人物として
生き生きとしているのが、楽しい。

極めつけは桃井かおり。
映画を見た人ならわかると思うが、
本作の主役はこのお姐さんだ。格好良すぎる。
なぜこれまで、この人にアクションをさせなかったのだろう。
長いキャリアを誇るこの大女優の
新たな代表作と言ってもいいかもしれない。

※以下、ちょっとネタバレです。
(というか、シネフィルにしかわからないかも…)












この映画はウエスタンだが、ラストに雪が降る。
僕のシネフィル的記憶によると、
雪が降るウエスタンには、駄作はない。傑作揃いだ。
『殺しが静かにやってくる』しかり。
『ギャンブラー』しかり。
『ペイルライダー』しかり。
『グレイフォックス』しかり。
ウエスタンで雪が降ると、
とてつもない詩情があふれてくるのだ。





コメント (2)
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