Days of taco

やさぐれ&ヘタレtacoの日常と非日常

僕は数学ができない

2006年08月21日 | やさぐれ男のつぶやき
なんだか、山田詠美の小説みたいだが、
高校生の頃、数学がチンプンカンプンで、
赤点の連続だった。数学ができないだけで、
人生が終わったかのように感じた高校時代の僕。

そんなときに見た映画、『高校大パニック』。
監督は石井聰亙(共同監督として澤田幸弘)。

 高校大パニック(1978)

進学校の落ちこぼれ高校生が、
「数学できんとが、なんで悪いとや」
といいながら、数学の教師を銃で撃ち殺す。
そして、女子学生(浅野温子)を人質に学校に立てこもる。
そこには、社会に対する怒りとか、肉親に愛されない悲しみとか、
そんなものはいっさいなく、
ただ、勉強ができない。
先生から認められない。
友人からも馬鹿にされる。

そんな単純な怒りで、教師を撃ち殺す。
ストレートな衝動から爆発するバイオレンス。

高校時代の僕は、
まさに、これは自分のために作られた映画だ、と思った。
そして石井聰亙という監督を心に焼き付けた。

『狂い咲きサンダーロード』『シャッフル』『逆噴射家族』。
怒りと衝動に満ちた、これらの映画群に魅了され続けた。

そして、今日、その石井聰亙監督と会った。
雑誌の取材で、ライターのS君とカメラマンのYさんと共に。
その場で、僕は自分がプロだということを忘れ、
「僕は、高校のとき、数学ができなかったんですよー」と訴えた。
49歳にしては、ものすごく若く見える監督は、
僕を見て、苦笑していた。
迷惑ですよね、そんなこと言われても…。
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『ドラえもん』『アンパンマン』に匹敵する面白さ

2006年08月20日 | 映画など
『ゲド戦記』を見る。
巷ではいろいろ言われているようだけど、
正直な感想として、悪くないです。
むしろ、好きな部類の映画かもしれない。


ゲド戦記(2006)

主役のアレンは、父親殺しである。
生きる意味を見いだせず、親を殺し、放浪する若者だ。

ヒロインのテルーは、親の虐待を受けた過去を持つ。
親切な女の人にかくまわれ、ひっそりと生きている。

この主役の若いふたりは、
そのまま現代の日本に通じるキャラクターである。
ほんとにベタなほどの設定だ。

若いふたりに降りかかる災難と危機。
被害者だからこそ、痛みがわかり、
生きる意味を考えているヒロインに
影響を受けていく若者。

この映画のメッセージは
「生きろ」、だ。

『もののけ姫』と同じ、である。
そういう意味では、ジブリ作品だし、
宮崎駿の影響は大きいのだろう。

しかし、まぎれもなく、これは宮崎吾朗の映画だ。
「生きろ」というメッセージを
ストレートに力の限り表現ようとする姿勢。
見たまま、そのままを受け入れて見るべき映画だと思う。

『ゲド戦記』は、
劇場版『ドラえもん』や『アンパンマン』のように
直球勝負。メッセージが明確な良質な作品だと思う。
これは褒め言葉です。マジで。
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昼からビール、そして長澤まさみ

2006年08月19日 | 日々、徒然に
今日は朝から幕張に。
メッセでのイベントの撮影に参加。
撮影はつつがなく終わり、
昼過ぎには終了、解散。

撮影をお願いしたA氏とK氏、
あとT君と4人でとんかつ屋に。

そこでついついA氏と生ビールを注文。
クルマで来たK氏と、酒の呑めないT君を尻目に
ビールを飲み干して、とんかつを喰う。

食事中、野球マンガの話になり、
『アストロ球団』『侍ジャイアンツ』が面白かったとかなんとか。
あと、どんな野球マンガがあったかな、ということで、
結局出たマンガは、『タッチ』だった。
そうか、あれはラブコメではなくて、野球マンガなんだよな、と再確認。

ということで長澤まさみ、だ。
(なんだか長いフリだが、)
「クイックジャパン」最新号の特集は長澤まさみだった。



この特集は、本人のロングインタビューと、
彼女が出演した映画の解説、
『タッチ』の犬童一心監督を始めとする関係者のコメントで構成。

特集のトビラに小林信彦のエッセイが引用されていたのだが、
これが、目からウロコ。
以下、引用する。


じゃ、なぜ『タッチ』を見たかというと、
長澤まさみのスター性ですね。
要するに、彼女が出ていればいい。
誤解を承知で言えば、
映画はスターを見るためのものなのです。
(小林信彦・本音を申せば)



大のオトナが、何の恥じらいもなく、
長澤まさみの映画を見に行くための言い訳としては、
この言葉が最強ではないだろうか。

長澤まさみを見に行くのではなく、
映画を見に行くのだ、と言い訳しながら
『タッチ』を見に行った自分が恥ずかしい。

ちなみに、今号の「クイックジャパン」は
長澤まさみと、もうひとり、森達也の特集があった。
個人的にツボが押されまくりの号で、
何年ぶりかで、書店で即買いしてしまった。
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追い込まれた大雨の日

2006年08月17日 | やさぐれ男のつぶやき
午前中から原稿を書く。
取材した人のテープを聴きながら、
その濃いキャラクターに圧倒されつつ、
ひたすら言葉をつないでいく。

午後、その作業を中断し、
新宿までアフレコスタジオの取材に行く。
とあるアニメの第一回目の収録。
さすがに関係者が多く、作り手と送り手の人たちの
熱気が伝わってきた。

収録が終わって外に出たら、大雨だった。
どしゃ降りの中を走って駅に向かおうとしたら、
黄色いパーカーを着たおっちゃんが
1本100円でビニール傘を売っていた。
明らかにそれは拾ってきたものだろ、
と突っ込みたくなったが、
どしゃ降りの勢いに負けた。
おっちゃんに100円払い、
いちばんまともそうな傘を選んだ。

そのまま家に帰る。
しかし原稿は終わっていない。
一日はまだまだ終わらないのだ。
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ペ・ドゥナ再考

2006年08月16日 | 映画など
ペ・ドゥナを最初に見たのは
『ほえる犬は噛まない』だった。
どこか生き方が下手で、
まだ若いのに、人生をもて余している女の子役が絶妙だった。

ほえる犬は噛まない(2000)

韓国映画の女優はキレイな人が多いと思うのだけれど、
ペ・ドゥナのような、個性が際立つ女優は少ないように思う。
彼女は美人ではないし、演技もそれほど上手な感じはしない。
しかし、その姿がスクリーンに生えるというか、
彼女が映画の中でよく見せる、
ふてくされた表情と仕草に惹かれるのだ。
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終戦記念日にアキバ

2006年08月15日 | 日々、徒然に
打ち合わせで秋葉原に行く。
もう一年以上、来てなかった気がする。

とある雑誌の仕事で、メイドカフェに
勤めている女の子に取材をして以来かもしれない。

「もともとコスプレが好きなので、楽しく仕事してます」

と、その女の子は言ってた。
本当に楽しそうだった。

打ち合わせが終わったあと、
近くに、Aさんの家があったことを思い出したので、
ちょっと立ち寄ってみる。

Aさんは家にいた。
僕の顔を見て、缶ビールを出してきた。
じゃあ、1本だけと言って、呑む。
Aさんは、「不景気だよね、ね?」と、
僕に確認するかのように訊いてきた。

僕はビールを飲みながら、生返事しかできなかった。
そういえば、今日は終戦記念日だな、と思ったりした。





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ペ・ドゥナに誘われて

2006年08月14日 | 映画など
『グエムル 漢江(ハンガン)の怪物』を試写で見る。
Fさんに誘われて、一瞬、仕事との兼ね合いで迷ったが、
ペ・ドゥナが出ていると聞いたら行くしかあるまい。

監督のポン・ジュノは韓国のスピルバーグと言われているようだけど、
この新作は、まさに『宇宙戦争』である。


グエムル 漢江(ハンガン)の怪物(2006)
のペ・ドゥナ。今回は凛々しい役どころです。



『宇宙戦争』の、宇宙人による圧倒的な殺戮シーンは
まさにスピルバーグの面目躍如だが、
この『グエムル』も
魚とも鮫ともつかない奇怪な怪物が、
ソウルの人々を殺戮しまくる。
そのシーンの凄まじさは、最大の見どころのひとつ。

さらに『宇宙戦争』は、同時多発テロに怯えるアメリカ人の
深層心理に突き刺さるような、裏のテーマがあった。
この映画でも、韓国人が共通して持つトラウマに触れているようだ。
在韓米軍のこと。学生の民主運動のことなどが、
かなりの比重で描かれている。

韓国の社会状況は不勉強でよくわからないのだが、
この映画に出てくる怪物は、
韓国社会が生んだ「負の産物」のような意味合いがあるようだ。
まるで『ゴジラ』が、
水爆実験で突然変異した怪獣だったのと同様に。

そういう意味で、
「日本の怪獣映画」の系譜にもつながるし、
スピルバーグ作品の影響下にある、ハリウッド的な映画とも言える。
多面的な見方ができる映画であり、
個人的に好きな映画だ。

最近涙腺が弱いこともあり、
ラストは泣けちゃったしなあ。
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素直になれなくて幾年月

2006年08月13日 | やさぐれ男のつぶやき
整理整頓が苦手だ。
仕事場の机の周りは乱雑だし、
自宅も同様である。

年に何度か、自分を奮い立たせて整理するのだが、
またしばらくすると、もとの乱雑な状態に戻る。
そんな僕を見て、指摘してくれた人がいた。

「整理しようと思ってするから駄目」
「何かのついでに、整頓する癖をつけなさい」
「人と無駄話してるときに、ちょっと手だけ動かせばいいじゃない」
「整理整頓が苦手ということではなく、単に習慣がないだけ」
「日々、ほんの少しの時間を使って整理すればいいだけの話」

ごもっともです。
わかっちゃいるけどね、と言うと、
「その態度がよくない」んだと。

あとひとつ、
整理整頓ができる人になるには、
「人の話を素直に聞く」
これだな。僕に欠けているのは。
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言いたいことほど言えない

2006年08月12日 | 映画など
生まれて初めて見た小津安二郎の映画は、
『彼岸花』と『秋日和』の二本立てだった。
その印象が強く、小津といえば
ライトコメディの監督というイメージがある。

その中でも『お早よう』は、
数ある小津映画の中でも
一、二を争う傑作だと思う。
しかもコメディの。


お早よう(1959)

この映画の主役は子供たちだ。
当時、出始めたばかりのテレビほしさに
駄々をこねる兄弟。

「ねえ、テレビ買っとくれよ」
「そうだそうだ、買っとくれ」

兄弟は親の顔を見るたびにそうねだる。
このふたりの言い回しが楽しい。
親の気持ちを見透かした態度と、生意気な言葉遣い。
そして少々知恵が足りないところ。
そこが憎たらしく、そして可愛らしい。

父親(笠智衆)に、
「お前達はお喋りが過ぎる! 男なら黙っとらんか!」と怒られ、
挙げ句、ふたりは口を利かないことを決意。
登校中も学校でも喋らないでいる。
そんな事情を知らない近所の主婦や先生たち。
そのあたりの妙なズレ具合が楽しい。

脇で佐田啓二と久我美子が出てくる。
どうやらお互い気があるらしいのだが、
それらしい台詞は全くない。
ただ「お早よう」と挨拶を交わすのみ。
いちばん言いたいことは、いちばん言えない。
そんなふたりと、口を利かない子供たち、
そしてどこか抜けている大人たち。

90分足らずの映画だが、いつまでも見ていたい、
そんな気にさせる映画だ。
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夏を満喫、自分なりの

2006年08月11日 | ささやかな幸せ
友人から貰ったメールに、
「盆休みには、夏を満喫したいと思います」
と書いてあった。
夏を満喫、か。

そういえば、暑い暑いと文句を垂れるだけで、
夏を楽しむ余裕がなかった。
ビールがうまい、ということでしか
夏を認識しなくなって、久しい。

そんなことを思いながら、
今夜は枝豆を茹でてみました。
茹でたてに、塩をふりかけて、喰う。
これが僕の感じる、ささやかな夏。
結局、ビールを飲むのだけれど。

 資料映像です。
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