生まれて初めて見た小津安二郎の映画は、
『彼岸花』と『秋日和』の二本立てだった。
その印象が強く、小津といえば
ライトコメディの監督というイメージがある。
その中でも『お早よう』は、
数ある小津映画の中でも
一、二を争う傑作だと思う。
しかもコメディの。
お早よう(1959)
この映画の主役は子供たちだ。
当時、出始めたばかりのテレビほしさに
駄々をこねる兄弟。
「ねえ、テレビ買っとくれよ」
「そうだそうだ、買っとくれ」
兄弟は親の顔を見るたびにそうねだる。
このふたりの言い回しが楽しい。
親の気持ちを見透かした態度と、生意気な言葉遣い。
そして少々知恵が足りないところ。
そこが憎たらしく、そして可愛らしい。
父親(笠智衆)に、
「お前達はお喋りが過ぎる! 男なら黙っとらんか!」と怒られ、
挙げ句、ふたりは口を利かないことを決意。
登校中も学校でも喋らないでいる。
そんな事情を知らない近所の主婦や先生たち。
そのあたりの妙なズレ具合が楽しい。
脇で佐田啓二と久我美子が出てくる。
どうやらお互い気があるらしいのだが、
それらしい台詞は全くない。
ただ「お早よう」と挨拶を交わすのみ。
いちばん言いたいことは、いちばん言えない。
そんなふたりと、口を利かない子供たち、
そしてどこか抜けている大人たち。
90分足らずの映画だが、いつまでも見ていたい、
そんな気にさせる映画だ。
『彼岸花』と『秋日和』の二本立てだった。
その印象が強く、小津といえば
ライトコメディの監督というイメージがある。
その中でも『お早よう』は、
数ある小津映画の中でも
一、二を争う傑作だと思う。
しかもコメディの。
お早よう(1959)
この映画の主役は子供たちだ。
当時、出始めたばかりのテレビほしさに
駄々をこねる兄弟。
「ねえ、テレビ買っとくれよ」
「そうだそうだ、買っとくれ」
兄弟は親の顔を見るたびにそうねだる。
このふたりの言い回しが楽しい。
親の気持ちを見透かした態度と、生意気な言葉遣い。
そして少々知恵が足りないところ。
そこが憎たらしく、そして可愛らしい。
父親(笠智衆)に、
「お前達はお喋りが過ぎる! 男なら黙っとらんか!」と怒られ、
挙げ句、ふたりは口を利かないことを決意。
登校中も学校でも喋らないでいる。
そんな事情を知らない近所の主婦や先生たち。
そのあたりの妙なズレ具合が楽しい。
脇で佐田啓二と久我美子が出てくる。
どうやらお互い気があるらしいのだが、
それらしい台詞は全くない。
ただ「お早よう」と挨拶を交わすのみ。
いちばん言いたいことは、いちばん言えない。
そんなふたりと、口を利かない子供たち、
そしてどこか抜けている大人たち。
90分足らずの映画だが、いつまでも見ていたい、
そんな気にさせる映画だ。
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