Days of taco

やさぐれ&ヘタレtacoの日常と非日常

望郷と悔恨

2015年04月18日 | 映画など

アレハンドロ・ホドロフスキー監督

「リアリティのダンス」を見る。

 

「エル・トポ」「ホーリー・マウンテン」などのカルト映画で、

その名を轟かせているホドロフスキー監督だけど、

実はこの監督の映画を見たのは初めて。

そういう意味では、いかにもシネフィル的に

「このシーンは前作の●●の流れで」とか

「カメラアングルはこの監督らしい●●で」といったことが書けないというか。

 

そんな知識がなくても、この映画はじゅうぶん面白いし、

むしろ、前知識がまったくないところで見たからこそ、

素直に受け止め、笑い、泣き、感動できるのかもしれない。

 

 

時は第二次大戦前のチリ。

監督自身と思われるロシア系ユダヤ人の少年が主人公。

その少年と元オペラ歌手の母親。そして厳格な商人の父親。

セリフがすべてオペラ口調の母からは、愛すること、生きることを教わり、

父親からは、強くなること、信念を通すことを教わる。

この家族をサーカスの団員やフリークスが

狂言回しのように取り巻きながら、人生を、政治を語っていく。

 

そして主人公はいつのまにか少年から父親に代わり、

その父親がチリの大統領を暗殺するために

大統領が可愛がっている馬の世話係になるくだりから、

俄然、物語に目が離せなくなってくる。家族の物語から

チリという国の歴史物語になっていくところの転換ぶり。

その強引さというか、ドライブ感が心地良い。

つまりは、かなりの傑作ということです。はい。

 

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