侯孝賢(ホウ・シャオシェン)監督「黒衣の刺客」を見る。
この監督、初の剣劇モノということで、
どんな映画になるんだろうと思っていたけれど、
作品スタイルは相変わらずというか、強固なまでの引きのショット。
溶け込んだ人物と背景。説明を極力省いたストーリー。
スクリーンに映し出されるもの、そのものの強さと美しさに見とれるのが
この映画の正しい見方なのかもしれない。
主役のスー・チー。ひっそりと刺客としての役目を果たそうとする。
黒装束がなかなか素敵で、自分はこの女優さんの
けっこうなファンだったと思い出す。
というか、忘れていたのか、自分。ボケ老人か。
彼女は同じ侯孝賢の「ミレニアム・マンボ」でも主演していて、
自分探しをしつつも、ゆるゆると生きている女の子を演じていたのが印象的でした。