なんだか追悼ばかりだけれど、
エットーレ・スコラ監督が亡くなったという。
享年84。そうなのか。
ソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニが共演した
「特別な一日」が特に有名だけど、
好きだったのは、これまたマストロヤンニが出ていて、
ジャック・レモンと共演した「マカロニ」というコメディ。
ビリー・ワイルダーの映画からそのまま飛び出てきたような
ジャック・レモンがイタリアで昔の古い友人のマストロヤンニと出会い、
ドタバタを繰り広げるのだけど、イタリア人気質丸出しのマストロヤンニと
アメリカ人であるジャック・レモンとのメンタリティのギャップが笑わせる。
最後はとても暖かい気持ちになるので、オススメです。
あと「あんなに愛しあったのに」という、
いささか気恥ずかしい邦題がついた青春映画も好きだった。
第二次大戦から戦後にかけて、親友同士の男たちと、
マドンナの女が30年にわたって織りなす恋愛模様。
イタリア社会の変遷をシンクロさせて見ごたえあったなあ、と。
ヒロイン役のステファニア・サンドレッリが可憐でたまらなく愛らしかった。
イタリアの映画監督というと、
フェリーニとかヴィスコンティとか
アントニオーニやパゾリーニなどなど、
ものすごい芸術家がいっぱいいるけれど、
エットーレ・スコラはずっと庶民的で職人的。
しかし才気煥発な映画を撮った人だと思う。
また見直したいなあ。どこかで追悼上映やってくださいな。