桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

裁判所前宣伝

2017-06-15 | Weblog
今日は、久しぶりだ裁判所前宣伝だった。
共謀罪成立の今日は、後世の日本の歴史が変わった日と評価されるだろうが、街は、何の変化もない。
俺は戦後生まれ。あの狂気の時代が、なぜ作られたのかと不思議だったが、こういうことだったんだな。
盲目、無自覚、沈黙、自らに被害が及ばなければ、ひたすら空気に流されて行く、そんな国民性が、あの狂気の時代と戦争を招いたのだ。
裁判所前には、何時も裁判所に抗議する人がいるけども、また増えて違った人が声を上げていた。
俺も久しぶりにマイクを握ったが、通る人に反応は鈍い。でも、声を上げ、意思を示さなければ、何事も動かない。これも倦まず、弛まず、諦めずにやるしかない。
今日は暑さが戻った。

杉サマ

2017-06-15 | Weblog
千葉刑務所にいたとき、何人かの芸能人が慰問に来たが、余り有名な人は来なかった。昔は売れた歌手や売れる前の歌手などが来るたけだった。
芸能人と興行を仕切るヤクザとの関係は、知る人ぞ知る。今は、その関係が明らかになると大騒ぎになって大変だが、その昔は公然だった。
だから、ヤクザ、暴力団員の親分クラスが入っている刑務所には、有名な芸能人が慰問に行くが、その筋の受刑者の少ない刑務所には、ほとんど有名芸能人は行かない。
刑務所慰問で有名な杉良太郎さんは、もちろん千葉刑務所などには来ない。俺が入っていたとき、杉良太郎が慰問活動に熱心だなど、聞いたこともなかった。
何でも、杉良太郎さんは法務省の特別矯正監とか、総監とかに任命されたそうで、その刑務官制服姿の写真を見る機会がある。先日の全国矯正展でも、その制服写真が報道された。
受刑者に寄り添う心は有り難いし、尊い。敬意を払うべき人だと思うが、話す内容に違和感を感じてならない。「犯罪被害者云々、犯罪被害者云々」と語るからだ。
確かに犯罪被害者と家族は、長く放置されて来たのが日本だ。理不尽に殺害された人の哀しみと痛み、愛する肉親を奪われた人々の苦悩と怒りは、まずは犯罪を犯した当人に「何をしたのか」を認識させ、その上で国家として傷付いた犯罪被害者の心を癒す対応を行うべきだ。
犯罪被害者の心を癒すことの必要は、俺も同感だが、それは矯正監の任務だろうか?
多くの刑務所を訪れているらしい杉良太郎さんならば、少しは刑務所の実態をご存知だろうが、日本の刑務所は、ただ管理、強制するばかりだ。犯罪者自身に考えさせ、罪を反省させるようなシステムは、どこにもない。
これは犯罪被害者にも同じことが言えた。少しは変わり始めたが、国家として犯罪被害者を助け、癒すシステムを作れていないのが日本だろう。
人が人である限りは過ちと犯す。犯罪は無くならない。だから、犯罪者を更生されることは、国家のシステムとして重要だろうに、ただ隔離して因果応報的な痛みを与えることしかない日本は、犯罪被害者に対するシステムを確立し得ないことも含めて不完全国家ではなかろうか。
杉良太郎さんが犯罪被害者に寄り添う心をお持ちなのは判ったが、ならば矯正監とは違う制服を着るべきだろう。

共謀罪成立

2017-06-15 | Weblog
今朝、参議院本会議で、自民党、公明党、維新の会の賛成によって、委員会決議を経ない異例の形で成立した。
これで警察の盗聴や携帯監視が強化されて、いよいよ国民総監視社会が作られるだろう。
警察は社会の番犬だ。法律によって犯罪を取り締まり、吠えたり、噛み付いたりする組織だから、法律が作られたならば、必ず、その法律による取り締まりを行うことになる。共謀罪の法律に違反するかしないか、常に社会に鼻を尖らせて犯罪の臭いを嗅ぎ廻ることになるだろう。
この番犬、始末が悪いのは、飼い主として餌を呉れる簾中には尻尾を振り、法律に違反しても吠えないし、噛み付かないことだ。山口敬之レイプ犯などが、その例だ。しかも、飼い主が自分たちが噛み付かれないために、甘やかし放題で、全く躾もしなければ監督もしない。だから、遣りたい放題だ。
でも、恐れることはない。
番犬が暴れ始めたならば、みんなで戦えば良い。なあに、戦前の治安維持法のように殺されはしない。真理と道理、正義と真実を掲げて戦えば、番犬に噛み付かれる社会は、必ず目覚めるだろう。
新しい時代を作れたならば、そのときは社会を私物化した政治家を裁こう、社会に噛み付いた番犬を裁こう。今で社会は、山宣独りではない。声を上げる人々がいる。野党政治家もいる。朝日新聞、毎日新聞、東京新聞などの良識ある新聞もある。
怯まず、新しい歴史を作る戦いを始めよう!

さすがに元ヤン

2017-06-14 | Weblog
昨日の国会審議では、噂された共謀罪の強行採決は無かった。
俺も参議院議員会館での院内集会に参加して共謀罪反対の声を上げて来た。
野党は、金田法務大臣と加計学園問題の山本大臣の問責決議案を出したことから、多分、一両日中には強行されるだろう。
戦いの時代を迎えるしかない。戦って、新しい時代を作るしかない。
加計学園問題では、文科省がメールの存在を調査しているが、副大臣と義家さん、メールの存在を公表した職員に対して懲戒も有り得ると答弁した。
脅し!
先コウにチクりやがったな!焼きを入れてやれ!
きっとヤンキーだったころの義家さん、苛めが得意だったんだろう。
森ゆう子議員の質問に、怖い顔して睨んでたのも、元ヤンの面目躍如だったぜ。

あるはずないよな

2017-06-13 | Weblog
家を留守にすると、すぐに新聞が溜まる。
昨年、販売員の熱心さに負けて読売新聞の再購読をしたせいで、この4月から、また購読紙が5紙になったせいだが、5紙を読み較べると読売新聞の記事の異様は際立つ。
総てが政府の語る通りでしかない。御用新聞と言うか、自由新報読売版と言うべきか、安倍晋三内閣のオウム返し記事ばかりで読みべき中身の無さは笑えるほどだ。
「捜査中止指示の証言は重い」とする社説があって、オッ、山口敬之レイプの逮捕中止を批判したか?と思ったらば、何のことはない、アメリカのトランプ大統領の問題だった。森友や加計問題、それに日本を警察監視国家に変えてしまう共謀罪でも、何も問題はないかのように無批判であるばかりか、安倍晋三内閣の言うがままの旗振り役の読売新聞だ、山口敬之レイプ事件見逃しなど、報道する訳はないよな。
布川事件が最高裁で有罪判決が確定したとき、最高裁の判断を批判してくれたのが読売新聞だから、もしや?と期待したが、ある訳ないよな。しかし、いかにアメリカポチの安倍晋三内閣や自民党だからといって、アメリカの報道よりも、まずは日本だろうが!と呆れてしまった。
残念ながら読売新聞の存在は、民主主義には癌だ。契約の終わる9月限りで、もう2度と読むことはないだろう。

恐竜王国

2017-06-11 | Weblog
日本には恐竜はいなかったと言われていたが、それは誤りで多くの化石が発見されるようになり、特に福井県での発見が多くて恐竜王国というようになった。
福井駅の再開発が行われて、すっかり綺麗に整備されたが、その駅前には、かなり精巧に動く恐竜が3体、設置されてもいる。
昨日、見上げる恐竜の精巧な動きと声を知って、思わず見取れてしまった。ユウトが5歳のとき、2人で行った愛知万博で動く恐竜を見て、かなりリアルで怖かったのを思い出した。
豊臣秀吉に滅ぼされた柴田勝家の城は、その駅辺りに存在したそうで、もし柴田勝家とお市の方が現代自動車見たならば、どんな想いを語るだろうか。

福井女子中学生殺し事件

2017-06-10 | Weblog


今日は福井に来ている。
福井女子中学生殺し事件の現地調査だ。
この事件で犯人にされた前川彰司さんは、1度も自白していない。それのみならず全く証拠はない。
前川さんが有罪にされたのは、前川さんが血だらけ姿だったのを見た、とする証言があったからだ。
その証言が出て来た経過こそ、福井女子中学生殺し事件の冤罪性を物語る。
暴力団員だった横山と言う男が覚醒剤事件で逮捕された。自分の罪を逃れたい気持ちから、周囲にいる仲間たち、付き合っていた女性に「女子中学生殺し事件の犯人を知らないか。俺の力で犯人が逮捕されたならば刑期が短くなる」と、警察の留置場から手紙を出したりの工作を始めた。やがて「俺が血だらけ姿の前川を見た」と言い始める。周囲の不良たちを巻き込んで犯行などの裏付け証言を作り上げる。
犯人として逮捕された前川さんは、警察の暴力的な取調室に耐えて自白しなかったが、前川が女子中学生殺しを認めた自白を聞いたとか、血だらけと前川さんを車で運んだとか、アパートに匿ったとかの証言によって起訴されて裁判になる。
1審は無罪判決だ。
横山はじめ、犯行を語る証言は嘘だから変転を重ねるゆえ、当然の無罪判決だったが、高裁は、これを逆転して有罪。最高裁で確定して刑務所へ行った。
再審も1度は認められたが、また高裁の異議でダメになっての今だ。
今日の現地調査では、事件現場を再現したセットを作った。横山たちの語る「前川自白」をはじめ、被害者の状況が示す事実が、実に良く判った。
次の再審請求では、必ずや再審が実現するであろうと確信を得る現地調査になった。
しかし、前川さんの件を考えると、他人の言葉だけを積み上げて犯人に作り上げてしまう警察と検察の酷さ、怖さを知らされるし、共謀罪が作らた後を想像させられるよ。

もう1人の原田さん

2017-06-10 | Weblog
先月の同窓会のとき、初恋の彼女が、別れ際に元裁判官、原田國男氏の「裁判官の非情と人情」と題する本を手渡してくれた。
原田國男裁判官、俺もお名前は知っていた。木谷明先生と同じに無罪判決を、かなり出している裁判官と聞いてもいたが、俺には腹の立つ経験をした裁判官だった。
だから、その書籍は、初恋の人から渡されていなければ読まなかっただろう。
原田國男氏の裁判官体験からの色々が詰まった書籍は、かなり面白かった。裁判官社会の内幕も、原田氏なりに書いているし、そうなっているのか、と判らせて貰えた。
ただ、原田國男氏は、やはり裁判官社会の権威に従っている人だとも判った。
最高裁調査官体験を書いている中で最高裁裁判官の「御審議」だとか、「お尋ね」だとか書く、その言葉の大仰さには、独立国家した裁判官同士だろうにとウンザリする思いになったからだ。自分の会社の想い出を書く人が、そんな言葉使いはしないだろう。原田國男氏の心が見える文章だった。
原田國男氏が、冤罪を防ぐために必要だと書かれている証拠開示問題などは、ゆえに逆転無罪判決を何度も書かれている人なのだと判ったが、判っていないなぁ!と思わされる記述もある。
「我が国の刑訴法学者の多くは、冤罪不存在論か冤罪不可避論に立ち、冤罪問題について、実に冷淡である」と書くが、原田氏が嘆く冤罪問題対する日本社会の現実には同感でも、刑訴法学者の多くが冤罪問題に冷淡であるとは思わない。法制審議会など、警察や検察の代弁者として発言する刑訴法学者連中が冷淡であり、無知なのだ。
この認識の違いは、多分、俺が日常的に出会って知る刑訴法学者と、原田氏が立場的に出会っている刑訴法学者の違いゆえに生まれる認識の違いなのかも知れない。
ところで、この原田國男氏の書かれた書籍には、冤罪事件として布川事件は書かれていない。
あれは韓国人の張さんに関わる冤罪事件だったが、原田裁判長は控訴棄却。有罪維持の判決を下した。彼の冤罪は、体験した俺には明白だ。腹が立つた俺は、判決言い渡し後も裁判官席に座り続ける原田國男氏に言った、「大体、人相が悪すぎるよ、良く自分の顔を見てみなよ」と。
その意趣返しなのかもし知れないが、原田氏の書籍に冤罪事件と書かれているのは、氷見事件、足利事件、東電OL殺人事件だけだ。
逆転無罪判決を多く書いた原田氏には、検査や法務省連中と同じに布川事件は冤罪とは認めて貰えないようだ。
いやはや。

芦原温泉の朝

2017-06-10 | Weblog

昨日、初めて芦原温泉に来た。
福井駅からえちぜん鉄道に乗り、ゴトゴトとあわら湯のまち駅へ。
金曜日のせいかも知れないが、人影が少なくて、永平寺の若い坊さんの煩悩を悩ませたと言われた温泉地の活気は、全く感じなかったなあ。
湯質は、まあまあだろうか。
ホテル八木に入り、すぐに大浴場へ。
残念ながら生ビールは無く、缶チューハイ。飲んで、既に準備されていた布団で一休みした。ウトウトして気持ち良かった。
6時過ぎに食事はバイキングで、これは大満足で美味かった。
ホテル八木のサービスに冷蔵庫にはミネラルウォーターがあるけど、これが2リットル!大サービスだなぁ。
ゆっくり休養には、最高の芦原温泉、ホテル八木だつた。
窓から見下ろせる庭の美しさは、ここの売りだとか。

2017-06-09 | Weblog
上級国家公務員になることは、公然と嘘を語る立場になるということらしい。
今の国会では森友問題や加計問題を追及される官僚が、明らかに嘘と判る答弁をしている。人事権を内閣に握られた公務員として、出世を望むためには、内閣の主張する言葉に反する声は言えないのだろう。
高級官僚としての地位や権益を守るためならば、顔色を変えずに嘘を語るしかないのだろうが、そこには人間の矜持など、どこにも無い。哀れな人たちだ。
良くもまあ、これだけ嘘が氾濫するものだが、言葉が命の政治家として嘘は自らの存在を侵す。たとえ御用マスコミに守られて指弾を遁れ得たとしても、安倍晋三総裁を抱く自民党は自己倒壊の道を歩んでいる。森友問題から加計問題を巡る安倍晋三内閣の嘘は、必ずや自らを朽ちさせるだろう。
それが天道だ。
安倍晋三内閣や御用マスコミの言葉には嘘が満ち溢れる時だからこそ、真実を語り、求める声の価値は増す。その真理の声こそ、新しい時代を切り開く道に繋がると、俺は確信している。