桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

原田さん

2017-06-09 | Weblog
北海道警幹部だった原田宏二さんが、今日の新聞に共謀罪に付いてコメントしている。
本物の警察官だった原田さんは、北海道警で暴露された裏金に付いても正直に認めているが、真面目な想いで警察官になった一人が、真面目なままでいられるようにと、色々と活動しておられる。何度もお会いして杯を酌み交わしたが、原田さんのような警察官が増えたならば、きっと冤罪も少なくなるだろうと思わせてくれる、実に誠実なお人柄だ。
原田さんは、そのコメントで共謀罪が作られることで監視社会になると言うのは間違いだと語る、
なんだ?と思えば、今、既に警察はあらゆることをして国民を監視して
いると語っている。
治安を守ることを旗印として、治安を守るためならば違法行為も許されるとして行われている警察の行為に対して、原田さんは法治国家として法に則る行為だけを行うべきだし、厳しく規制すべきだと語る。
そうなのだ、治安を守るためならば許されるとして警察が行う違法行為こそ、あらゆる警察の悪事を生み出す根源にある。
今、国会が行うべきは共謀罪の創設ではなくて、警察の悪事を規制する法律なのだが、国会議員は名誉と肩書を欲しがる政治屋が多数では、そんな議論は夢のまた夢でしかない。
日本は、再び警察国家となり、密告と監視社会となって、そこからの解放を求めた戦いを経なければ、真の民主主義国家には成り得ないのだろうか。

取材撮影

2017-06-08 | Weblog
今日は、来月のテレビ番組の取材撮影スタッフが来ている。
3時間の特番放送といっても、その中の1事件である布川事件だから、実質は20分程度の中身なのだろうが、みっちりと撮影している。
今日の撮影に加えて、18日にスタジオでの収録を行うが、どんな中身になるものやら。
冤罪に巻き込まれることで受ける傷、味わう想い。結果として残るものがあって再審で無罪になって晴れない気持ちなどを質問された。
取材は真面目な質問ばかりだから、杉山が出たようなモノはなさそうだ。
また来週も取材に来たいそうだ。

来たなぁ

2017-06-07 | Weblog
袴田事件での裁判所鑑定の結論が、明らかになった。
再審開始決定に寄与したと言われるDNA鑑定結果は間違いだとする結論らしい。
大阪医科大学の鈴木廣一は、このところ検察の御用鑑定人として、昨年の鹿児島天文館レイプ事件など、多くの冤罪事件で顔を出している。
だから、こういう結論は予想通りだ。
もちろん、御用鑑定人だからと言って、それだけでデタラメだとは言わないが、弁護団は「裁判所の指定した鑑定を行っていない」と批判している。
また、鈴木鑑定の中身を確認して批判するが、指定通りにやらないところなど、御用鑑定人の御用鑑定人たるゆえんだろう。
袴田事件は、ただDNAの問題だけが捏造ではなくて、その衣類自体が警察と検察が協力者して捏造した偽造証拠だ。裁判所が、こんな小手先に判断を誤らないことを願うばかりだ。

麻雀小組

2017-06-05 | Weblog
昨日は、今月の麻雀組の集まりだった。
始めた当初の見込みに反して、なかなか定期的な集まりにならないが、集まる場所の問題がネックだ。
タバコの気にならない、集まり易い場所が得られたらば良いのだが。
今は続けて行くことが大事なのかも知れない。
対戦の方は、まず負けなくなって来た。

総会

2017-06-04 | Weblog
昨日は国賠支える会の総会だった。
40人ほどの人が参加してくれた。
多分、判決前の最後の総会だと思うが、谷萩弁護団長から現状の報告を受けて、今後の方針を決めた。
NHKで放送した「獄友たちの日々」も、みんなで見たが、映画が完成したならば、大きな闘いの力になることだろう。

個人攻撃

2017-06-03 | Weblog
今朝の読売新聞に異様な記事があった。
安倍晋三の加計学園に対する政治的援助を告発した、前川前文科省事務次官の出会い系バー通いを報道したことに付いて、それは当然だ、と言い訳する記事だ。
確かに、文科省事務次官として買春の温床と言われる場所に出入りしたのは、決して褒められないし、立場的に非難されて然るべきかも知れない。でも、それは勤務時間外の私的な行為だ。法に触れる訳でもない。個人攻撃になる、このような記事を書いた読売新聞も、決して褒められないだろう。
読売新聞が、安倍首相の個人的な友誼から政治力を行使した加計学園問題を、それなりに取り上げて記事にしているならば、まだしも、安倍首相の言い訳や官邸の弁明を疑うことなく報ずるばかりであることを思うと、これこそ怖い日本の明日の姿を示していると思う。
読売新聞は共謀罪に付いても、安倍内閣の言いなりに必要性を書いているが、もし共謀罪が作られたならば、今度は政権や警察、検察など、時の権力を批判する人は、前川さんのように行動を監視され、私的な行動を暴露されるし、指弾されるだろう。
前川さんの出会い系バー通いは官邸からの読売新聞にリークて書かれた記事だ。時の権力とし大新聞、マスコミが気脈を通じて国民を監視する、それが共謀罪の作られた日本になると、俺は前川さんを個人攻撃し、開き直る読売新聞に感じたが、さて、はて。

動燃差別裁判

2017-06-02 | Weblog
昨日は東海原発に勤務していた人たちの差別裁判だった。
組合活動をしたから、東海村選挙で革新派の選挙を応援したからなど、理由は色々だが、会社内で差別された人たちがいた。
資本主義は金儲けが総てだ。金儲けに繋がれば良し、儲からないのは悪し。金さえ得られるならば毒をも用いるのが企業だ。
しかし、人間社会は、今が総てではない。明日の社会もある訳で、今を生きる我々には、明日を生きる人たちに対する責任もある。だからこそ、国家は、その歴史を記録して後世に伝える義務があるだろうに、日本は太平洋戦争の敗北時に国家記録を焼却して悪行を抹殺した過去のせいか、今の政権に都合の悪い記録は抹消している。
無責任国家としか言いようがないが、原発なども無責任国家を示す最たるものだろう。
我々人類の発祥は、DNAを辿ればアフリカのイブと呼ばれる女性に遡るそうだが、それも10数万年前だそうだ。ところが、原発の作り出すプルトニウムなどの人類を滅亡させる毒は、その半減期が30万年と言われる。毒を消し去る技術を持たない人類は、そもそも原発を稼働されてはならないのは明白だろう。
ゆえに、心ある労働者は、その毒が日本社会を脅かさないようにと声を上げるが、それを会社に対する反逆だとして、結婚式を妨害したり、賃金差別をして報復しているのだ。
金の亡者というべき会社、そして社畜と成り下がった人たちは哀れだ。裁判には、その社畜たる会社側人間、企業弁護士などが来るが、傍聴席に来る会社側の人たちを見るたびに、この人たちは未来の社会に対して、何を考えているだろうかと、不思議で、哀れな思いになるばかりだ。
地球の48億年の歴史からすれば、人類の存在などは瞬きするほどの時間でしかない。温暖化、核兵器、自らが作り出したもので自らの存在を抹殺するかも知れないところに来ているが、何がどうあつたところで、地球は痛くも痒くもない。自然の摂理の中で、やがて人類の痕跡を飲み込んでしまい、また蒼い空と青い海を蘇らせる。
それに較べれば人の命は儚い。だからこそ、命を守ることが大事だし、命の歴史を繋ぐことが大切なのだと思うけどなぁ。