桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

魂を売った男

2017-06-25 | Weblog
今日は袴田事件の清水集会だった。
もう高裁に行って3年。馬鹿げた検察の主張を受け入れて、訳の判らない訴訟指揮をする裁判所。
その結果、再審開始決定につながったDNA鑑定の検証をすることになったが、検証鑑定をすることになった大阪歯科大学の鈴木廣一先生は、遅々として鑑定を行わなかった。
そして、中間報告として「再現不可能」とかの結果を公表してマスコミに報道させたから、どういうことかと心配した。
今日、弁護団の報告を聞けば、なんてことはない。
再現不可能とか言った中間報告だったが、鈴木廣一の鑑定再現検証でもDNAは検出したんだってさ。
何でマスコミは報道しないの?
流行りの忖度かねぇ。
強大な権力の検察の意向に従わないとまずい、我が社がリークを受けられなくなる、睨まれては困る、我が社にもレイプ記者がいるかも、そのときは目こぼしをして貰わなくては!なんてね。
マスコミも腐ったなぁ。
鈴木廣一は、あれこれと本田筑波大教授の鑑定結果に難癖を付けるが、DNAが検出した以上は、本田先生の鑑定が正しいことを証明したことになる。
日本大学法医学部名誉教授の押田茂実先生は、この袴田事件鑑定に付いて「誰がやっても同じ結果になる」と言っておられたが、その通りだった。なのに、DNAが出れば、後は素人でも犯人と袴田さんの違いを鑑定出来ることを、あれこれと語る鈴木廣一は、権力に魂を売った哀れな学者だ。
この男、天文館レイプ事件でも検察鑑定を引き受けて、無実の人のDNAが出た、と鑑定した。レイプ事件なのに、被害者の女性の膣から検出したDNAは「皮膚DNA」と言って恥じない男だ。
こんな輩がいる限り、冤罪者は泣かされるよなあ。

若い心

2017-06-25 | Weblog
昨日は、大崎駅北出口・西口にある大崎ウエストギャラリーでの絵手紙展を見に行った。
大阪のマイ・ファミリーの中村千恵子さんが、泉南アスベスト裁判の闘いを71メートルに渡って描いた、1大絵巻物だ。
大阪でも見たが、一見の価値ある裁判の歴史だし、絵巻物だ。ぜひ皆さんも!
その後、代々木の塾に話をしに行った。
まだ十代で若者たちが自分の成功を目指して学ぶ塾らしいが、塾長は安倍晋三との関係を週刊誌に書かれたこともある存在だ。
立身出世を学ぶ塾?
ならば、なぜ俺の話なのか判らないが、求められたならば行くのが俺。
今回も、俺の冤罪体験と、それから知った社会の実態や改革すべき社会の仕組み、そして冤罪体験をしたからこそ、判ったり感じたりした人生に付いて話した。
質問が続き、1人ひとりが一緒の写真を撮りたいと望んでくれたことから、予定の時間が伸びてしまい、上野駅までの乗り換えはダッシュだった。
若い真っ直ぐの心は、どのように俺の話を聞いてくれたか判らないが、将来、それぞれが得た立ち位置で悩んだとき、「正義と真実に根差す行動をしたい」と考える力にして貰えたならば嬉しいが。
若い心して語り掛けられるのは有り難いと思った昨日だった。