桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

神話の国

2017-06-23 | Weblog
日本は神話の国だ。
日本という国土が作られた話から天皇が誕生して国家を形成した話に始まる、そもそもの国家の成り立ち話が神話であって、作り話。簡単に言えば嘘だから、そこに存在する総てが神話のような存在であるのは、ある意味で必然なのかも知れないな。
数年前に破れた原発神話、警察や検察、裁判所にある無謬神話、官庁などにある公正神話、政治にある誠実神話などなど、総ては虚構によって成り立っている。しかし、その虚構を見抜く人は、残念ながら多くはない。
命あるものは、必ず死ぬ。人も同じだ。必ず訪れる死の恐怖から生まれる生きていく不安を、人は常に抱えて生きている。
そこで生まれたのが信仰だろう。信仰に託して今を生きれば死の後に安らぎを得ると信じて生る不安を癒す。もちろん、信仰とて神話を免れないのが日本だ。
悪し様に他の行動を罵り、嘘を平然と語り、口先を繕う正義や公明を主張し、宗教に金を出せば生きて行く毎日にも利益があると欺して救いを求める人たから多額の献金を集め、
その金の力で社会に君臨して、この世を誑かす宗教も日本にはある。この宗教が作る政党なども神話的存在だ。虚構であり、嘘で成り立つ存在として神話だろう。
北朝鮮からミサイルが飛んで来たときの備えを自民党政府は、あれこれと放送するそうだが、実際にミサイルが発射されたならば防御すべき手段はない。ここでも神話的な嘘が公然と語られる。
石川県の知事さんは北朝鮮ミサイル問題に関連して、北朝鮮国民を餓死させろ!と語ったそうだが、北朝鮮ミサイルの恐怖は判るとしても、無知にも程がある。
もし北朝鮮ミサイルの発射が確認されたならば、日本に到達するのは、僅かに4、5分後だという。そして、日本本土が攻撃的されたならば、もちろん原発も攻撃されよう。
あの福島原発事故は、もしプールにあった使用済み核燃料が冷却水を失っていたならば東日本全体が廃墟になったと言われる。
石川県、福井県、新潟県と、北朝鮮に向かって存在する原発に、もし1発でもミサイルが命中したならば、もはや日本は中枢を失って国家として滅亡するかも知れない。
北朝鮮がミサイルを発射するということは、北朝鮮も相手から攻撃される覚悟を持った攻撃となろうが、ある意味、あの時代の日本にあった神風精神、玉砕覚悟の戦争になるのだ。誰も生き残れない戦争になるか、生き残っても住むことが出来ない国土になってしまうのに、戦争になったことを想定するような政治の言葉ほど、悪質で無責任なものはない。神話的な話ばかりが横行するのは、さすがに神話の国、日本だ。
政治は夢を語り、希望を描くものだ。1人ひとりの命が、この世に1度限りの奇跡の存在として大事にされ、誰もが才能と力を存分に発揮して生きられる社会を築くためにこそ、政治があるのだ。
神話の国、日本に、新しい神話を築こう!人の命を守り、正義や真実を守るための政治を築こう!