桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

国連から

2008-09-22 | Weblog
自由権規約委員会から委員長と副委員長が、日弁連の招きで来日している。
来月、その日本審査にあたり、政府の報告に反する現状を認識して貰うために招いたようだ。
俺もNGOの一人として布川事件に関するペーパーを提出して訴えをした。
議長は、世界のどの国でも問題があるが、それを是正させるために行動することが大事で、そのために努力するし、皆さんの声を直接に聞けたのは良かった、ということを言っていた。
30人の発言通告者の他、4人が、それぞれに自らの人権侵害を訴えていたが、本当に多い。
きっと二人も、この現実を認識してくれたに違いない。

墓参

2008-09-22 | Weblog
昨日は、俺には珍しい日曜日の予定無しだった。
勿論、予定無しだからこそ、やりたいことはあって、連れ合いとともに山川豊弁護士の墓参に行った。
ついでに都内の友人たちや支援者に届け物をしようとなり、自宅を出たのは良いが、先ず兄のところで足止め。この10月に結婚する義姉になる人がお茶をと。次なる友人は外出していたが、奥さんが呼び戻しての歓談になった。
それから向かった藤沢への墓参は、予定よりも4時間も遅れての到着。それから都内を回り、帰宅したのは9時前だった。
高裁での勝利決定から、ずっと先生への墓参は気になっていた。お礼をいって来てスッキリしたが、山川先生は雨男みたいだ。先生の何かとなると不思議と雨。全くどうしょうもないな!なんて減らず口を墓参で吐いたが、勿論、晴れ男の俺。激しい雨も墓参時には上がった。
墓所の花に飛び舞う黒アゲハ。先生かね、と一枚写して帰って来た。

台風

2008-09-20 | Weblog
心配した台風13号も、幸いにも関東地方には、大した被害をもたらさないで去ってくれた。我が家は、少しの雨でも床下に水が入る。今度も心配したが、昨夜、今日の日付けになって帰宅した時も、幸いにも庭に大きな水たまりがある程度だった。ポンプの電源を入れ、今朝には何事もないようになっている。
しかし、何時もいつも水の心配、いい加減にしたくなってきた。と言ったところで、どうにもならないんだが、あと年々続く、こんな生活かなと考えるね。
このところ、温暖化で気候が変わり、いきなり大雨が降るようになった。困るよね。今度の台風でも、各地に被害が続出。どうなるのかね、将来。

司法研修所

2008-09-20 | Weblog
司法試験に合格して、法曹の世界に進む人たちが講習を受ける場所だ。埼玉県の和光市にある。
先日、新しい試験の合格者が発表された。受験者の33パーセントしか合格しない狭き門。登竜門だが、その「新62期生」と呼ばれる人たち30人ほどに、昨日は布川事件の話をしてきた。
まあ何時もことだから話すのは、どうってことは無いが、不思議と同じ思いにはならない。司法社会、「裁判村」の住人になる人たちだったせいか、一段と思いが入った気がする。
何人もの人が涙を流して聞いていた。俺の思いが、どう伝わったかは判らないが、何かが心に残り、「正義と真実を守る法曹家になって下さい」と言った俺の願いが届いて、将来に冤罪を助ける弁護士が生まれれば嬉しい限りだ。
懇親会にも参加して、何人かと話をしたが、やはり合格は嬉しかったらしい。良く判るなあ。俺が再審開始決定で「おめでとう!」と言われるのと、きっと同じ気持ちなのに違いない。頑張って欲しいな。未来を変革するのは若者!失敗を恐れる経験至上主義の年寄りでは無い。頑張れ!若者たち!

共犯

2008-09-19 | Weblog
俺と杉山は共犯者とされている。二人で玉村さんを殺して金を奪ったと。
ところが、実際は、ほとんど私的な会話はしないような仲なのだ。
でも、あの事件の日に東京の兄のアパートで会ったというアリバイを、お互いに知っているから、事件について話す必要など無いのだ。
とはいえ、お互いに冤罪にされたような仲ならば、もう少し何かあっても良さそうだろうに、本当に俺たちは別々。考えもやることもね。
布川事件と言う冤罪を背負って41年。俺たちって、本当に面白い関係だと思う。いや変な「共犯」だね。

マリオン前宣伝

2008-09-19 | Weblog
昨日は、最高裁宣伝とマリオン前宣伝だった。
昼に行うのは昨日限りだったが、今までと違ってビラの受取りが良かった。マイクを握る俺に「頑張って!」と声を掛けてくれる人が4人もいた。
雨の心配もあったが、ちょうど宣伝時間は降らないですんだ。見守られてるね。
1時から日弁連へ。人権擁護委員会に呼ばれて「自白」に付いて、委員会の先生方に話した。
笑われそうだが、このところ杉山とともに「自白」について話す機会が何度もあり、何時も同じ話をすることから、今日、初めて「杉山は事実を話しているんだな」と感じた。変だよね。
杉山は北海道行きのチケットを取りに行き、朝から休みだと言っていた。それ以外、少しジュネーブの話をしただけ。本当に俺たちは、余り話をしないから、お互いがよく判らない。これも変だよね。

最高裁判所要請

2008-09-19 | Weblog
昨日は、二度目の要請日だった。
俺も朝の宣伝に参加するために、早起きして出たが、我孫子駅での架線切断事故。超満員の千代田線で行くことになった。東京に近づく度に、駅に待つ人が増えた。ホームに溢れる人が電車の傍まで一杯!窓側に立った俺は、背中から来る重圧を支えて腕が痺れるようになった。身動きできない状態になって、あの「解放されたい発作」が出る恐怖を感じた。参った。
電車は駅ごとの人波で遅れに遅れ、本来ならば、定刻の8時15分に、少し遅れて最高裁に到着する予定が、湯島駅に着いたのが9時15分くらい。残念ながら宣伝には参加できなかった。
二度と満員電車には乗りたくない。
女性が押されて背中に張り付き、身動きできないことを「参ったよ」とメールしたら、ある人は「楽しんでたんじゃないの」だって。俺の持ってる29年の獄中体験からの「拘束感」が生み出す恐怖、判らないよなあ。

月の夜

2008-09-17 | Weblog
フッと目覚めてしまった。
昨夜の月は、何と呼ぶのだったか、忘れてしまったが、紅く立ち上がり、空に昇るにつれて黄色さを増して、本来の月色になって行った。
前夜の寝不足のせいか、昨夜は、早々に眠ってしまったが、夜中に目覚めてしまった。そして、突然、古に月を眺めた人々の思いなどを考えてしまった。
太陽は崇拝、では月は?
月を仰ぐ人の思想、思考を反映するかも知れない。
満ち足りた人は満ちたものを、哀しい人は哀しいものを。



伊藤真司法塾

2008-09-13 | Weblog
今日は司法試験に挑む人たちが学ぶ伊藤真司法塾での講演だった。
同行した谷萩弁護士が布川事件全体を話した後、俺と杉山が交互に嘘の自白をした経過を、谷萩弁護士の質問に答える形で進めた。
参加者は百名くらい。全国で学ぶ人にネットでも流したそうだから、自宅でインターネットを通じて見た人も多いに違いない。
全員が司法試験に挑む人ではないらしく、老若男女がいたが、質問に答えたラストには、多彩な質問があった。
10年前に、同じような講演をした。そのときからはIT化が進み、机には目の前の話を映す小型テレビ。如何に社会が変化したかを知る思いだった。10年前に話を聞いたと言う弁護士になった方と、これまでに何人も会った。涙を流して聞いてくれていた人も何人かいたが、この人たちが、どんな弁護士や検察、裁判官になるのかと思うと、改めて自分の闘いの価値を感じたし、これからも闘い続けようと思った。

9・11

2008-09-13 | Weblog
あの日以来、世界の歴史が変わった感がある。テロとの戦いこそが正義、何にも勝る優先事項と。
昨日は、その報道があったが、そもそも、あの同時多発テロは、本当にビン・ラディンの仕業なの?テロだったの?
完全に崩落した国際貿易センタービルには、幾多の疑念がある。書物に記されたのを読んだのだが高熱でしか溶解しない鉄骨が、余りに鮮やかに断絶されているらしいよ。ビル火災で発生する熱では溶けないと。
ペンタゴンに飛行機が突っ込んだの、あれは機体よりも小さな破壊痕だったり、写真に写された被害場所の書物の状況に、飛行機ではあり得ないことが見とれ、やはり怪しいらしい。
政府権力は、所詮は怪しい。まともに信じたら欺かれるだけ。歴史が証明してる。でも、善良なる市民って、これが欺かれるんだよな。見事にやられる。
何時の日か、あのテロ事件の真相が現われるか。それともケネディ暗殺を、未だにオズワルドにしているように欺き通すのだろうか。我が日本は自民党の総裁選で大騒ぎ。欺く権力に同調するテレビ・マスコミ権力は、国民を犠牲にする自民党の本質は流さない。そして、善良なる国民は、生活を破壊した小泉に、未だに騙され続けて嬌声を上げる。欺かれる続ける。