桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

取り調べ監督制度

2008-09-01 | Weblog
警察が取り調べを正しく行うために、調べを監督する制度を作ったらしい。
調べをマジックミラーで監視して、異常なことがあったら止めさせるだと。
これ、笑える制度だね。
泥棒を泥棒が監督したって、どこを修正出来るかね。本気でやれるなんて思う人は、かなりオメデタイ人だろう。
勿論、警察だって、本気でやる気はないね。アリバイ作りに過ぎない。志布志事件などが明るみに出てしまい、何もしないわけには行かないから、言いわけになることをした、それだけのことだろう。
本気でやるならば、その違法行為が問われたときに、誰にでも調べの状況が判るように取り調べの総てを録画すればいい。やれるわけがないね。警察は脅したり、嘘を言ったり、「自白」を得るためには手段を選ばない、そのやり方を変える気は一切ない。だから、泥棒同士で監視するような小手先の改革で社会の目を暗ましに来たのだ。
何度でも書くが、医者は医療を間違えたら逮捕される。警察が間違えた捜査をして、証拠の改ざんなどをして、なぜ犯罪にならないのだろう。
間違ってる。

現地調査

2008-09-01 | Weblog
今年は18度目の現地調査。
初日は土浦のホテルに泊まり、弁護団からの報告を受けて、先日の高裁決定や検察の特別抗告の内容を学んだ。
門野決定は、極当たり前に事実を判断したもの。それに反して、検察の特別抗告は、過去の誤りにしがみ付き、自分たちがした証拠隠しに反省のないものだと、丁寧に説明された。
用意した資料が足りなくなるほどで、今年も大成功だった。
二日目は布佐駅から、事件当夜に俺たちが歩いたというコースを参加者に歩いて貰い、その矛盾を感じて貰うもの。布川の現地調査は暑い!が定評だったが、今回は雨の朝。連日の雷雨にどうなるものかと案じていたが、布佐駅が近付くに連れて雲が薄れて、晴れ間が見え、実際に歩き始めるときは強い日差しになった。今年もジンクスは生きていた。汗を流しながら歩いては、何かに守られているなぁと感じた。
布川事件は、隠されていた証拠が明らかになったことで、自白の嘘が良く理解出来るようになった。参加者は、実際に現地を歩いて目撃者と称する人の話の嘘を理解し、我々の自白にある嘘も判ってくれる。
今年も参加者は、布川事件は冤罪であり、警察と検察に作り上げられた捏造事件であることを理解してくれ、1日も早く勝利しなければならないの思いを持って帰られた。
守る会事務局の奮闘、利根川堤防で冷たい飲み物とテントを準備して下さった松島洋我孫子市議の家族を揃ったご支援初め、布川事件は天候だけではなくて、人様にも守られていると、改めて感じた二日目だった。

三井環元検事

2008-09-01 | Weblog
先日の新聞に、三井さんの刑が確定したと出た。
暴力団に関連しての逮捕、有罪だったらしいが、三井さんは検察の裏金を告発しようとしていた矢先の逮捕だと言ってた。
これ、どっちが本当なのだろうか。
樋渡検事総長に書いたとき、検察の裏金を警察に捜査されたら困るから、警察の違法な捜査、取り調べを指摘出来ないのではないか、と書いた。
三井さんの言葉が事実ならば、俺の指摘通りだよね。三井さんは大阪高検公安部長。高検の幹部だった。
まあ賄賂を貰っていたのだから、三井さん自身も誉められた検察官ではないが、その三井さんが裏金を告発するというのは尋常な話ではない。まさに窮鼠猫を噛もうとしたわけだ。
「俺を逮捕するなら、検察の裏金をばらすぞ!」だね。
警察の裏金、証拠の捏造や改ざん、その不正を検察庁が暴くならば、「検察庁にガサ入れ、捜査をするぞ!」と警察は抵抗するよね。三井さんが示している。
多分、小さな囲み記事でしかない三井環元検察官の有罪確定の報を読んで、その中に潜む検察の犯罪性を読み取れる人は少なかろう。しかし、だから検察の犯罪性が消えるわけでも、許されるわけでもない。
犯罪は、何時かは暴かれる。ましてや国家公務員たる検察庁、天の許さぬ日が来ることを知るべきだろう。
ねえ、樋渡さん、大林さん。